アメリカ100大学の学長 飲酒可能年齢の引き下げを主張?

マイスターです。

アメリカの話題ですが、気になるニュースを見つけましたので、ご紹介したいと思います。

【今日の大学関連ニュース】
■「有名大学の学長、飲酒可能年齢の引き下げを要望 米国」(CNN)

米国の有名大学、約100校の学長が、司法界に向けて飲酒可能年齢を21歳から18歳に引き下げるよう要望を出している。キャンパス内における学生の飲酒状況が現行の法律と合っておらず、アルコールを禁止することで、危険性がより高まるとしている。
飲酒可能年齢の引き下げを求めて活動を始め、他校の学長らに呼び掛けているのは、ミドルバリー大学のジョン・マッカーデル学長。学長のほか、親として、また歴史家としての経験から、飲酒の年齢制限は機能していないと指摘。大学に入ればどんな理由があろうとも学生は飲酒するとして、禁止することで隠れて飲んだりする機会が増えるなど、アルコールに関連する危険性が増すと主張している。
また、米国では現在、21歳未満でも投票でき、軍隊に志願できる現状をふまえると、21歳未満で飲酒できないのは矛盾しているとも述べている。
この意見に同調しているのは、デューク大やダートマス大、オハイオ州立大などの著名大学長だ。
(略)ある調査では、大学生の40%以上が、少なくとも1度は何らかのアルコールに関連する問題を抱えたことがあると回答。また、異なる調査では、毎年50万人の大学生が飲酒に絡む事故などで負傷し、1700人が死亡している。
(上記記事より)

複数のメディアで報道されています。

米国の100以上の大学の学長が21歳以上と定められている飲酒可能年齢を18歳以上に引き下げるよう求める呼びかけに署名したことがわかり、飲酒運転撲滅運動などを進める団体などとの間で論争を巻き起こしている。「飲酒年齢制限は(20世紀初頭の)禁酒法のようなもの。誰も守っていない」というのが呼びかけの理由だ。
署名に応じたのはデューク大、タフツ大といった日本でも名の知られた有名大を含む全米100以上の大学長。大学では「浴びるように酒を飲む行為」が日常化していると指摘し、有名無実となっている飲酒年齢制限を引き下げて、むしろ若いうちからきちんと飲酒に関する教育を行う方が望ましいと主張している。
(略)米国の飲酒年齢制限には長い論争の歴史がある。もともと制限は州ごとにばらばらだったが、ベトナム戦争が社会を揺るがした1970年代初め、「18歳で徴兵制による兵役義務が始まるのに、酒も飲めないのはおかしい」との議論から多くの州が制限年齢を引き下げた。
だが、80年代に入って若者の飲酒が社会問題化し、1984年に再び飲酒年齢を21歳に引き上げる連邦規定が定められた。
「18歳から酒を飲ませろ、全米100大学長が署名」(MSN産経ニュース)より)

お酒が買える年齢を現在の21歳から18歳に引き下げよう――。そんな運動を、当の若者ではなく、米国の約100校に上る大学の学長たちが進めている。「今のままでは学生が隠れて危険な飲酒パーティーをするから」というのが理由。保護者団体も巻き込み、議論が広がっている。
運動はバーモント州のミドルバリー大学学長が呼びかけ、デューク大やオハイオ州立大など有名大学の学長も賛同した。「飲酒年齢はまったく守られていない。偽の身分証明書を使って飲酒することで、かえって順法精神が失われる」などと力説する。
「隠れて飲むのは危険 米の大学長ら飲酒年齢引き下げ運動」(Asahi.com)より)

置かれている状況は日本と似ているようにも思いますが、「18歳から飲めるように法律を変える」という解決法は、アメリカらしいというか何というか。

大学の学長達がここまで訴えているということは、現在の状況が、よほどなのだろうとも思います。

「隠れて危険な飲酒パーティーをする」
「浴びるように酒を飲む行為が日常化している」

……といった状況が続くよりは、「きちんと飲ませる」ことを教える方が、全体のリスクは下がるということなのだと思います。

ただ、MSN産経ニュースの記事には、一時期、18歳でも飲めるように制限年齢を引き下げたが、若者の飲酒が社会問題化し、再び21歳に引き上げたという経緯が紹介されています。
個人的には、制限年齢の引き下げが、果たして問題の本質的な解決法につながるのかな? という疑問も感じます。

飲酒運転撲滅運動を行っている「飲酒運転に反対する母親の会」(MADD)などの市民団体からはさっそく非難の声がわき起こった。
AP通信によると、同団体は飲酒年齢制限が飲酒運転率の低下に貢献しているという調査結果などを挙げて引き下げに反対。「署名に応じた大学では、学生は21歳にならなくても飲酒できるということか」と皮肉り、入学ボイコットの呼びかけで“逆襲”に出る構えを見せている。
「18歳から酒を飲ませろ、全米100大学長が署名」(MSN産経ニュース)より)

このように、母親の団体が入学ボイコットの呼びかけを行うというのも、アメリカらしい(?)ところかもしれません。

日本でも、大学生の飲酒は、色々と問題になっています。

18歳で大学に入学したら、まだ未成年ですから、飲んではいけないはずですが、実際には、飲んでいる学生もいると思います。日本社会の中に、大学生の飲酒に対して(悪い意味で)寛容な面があるような気も、個人的にはします。

ただ、お酒を買う際の身分証提示の徹底など、少しずつ、社会全体の姿勢も変わってきています。

また、急性アルコール中毒による死亡事故などで問題となった「イッキ飲み」も、相変わらず一部の大学生はやっているかもしれません。
ただ、以前に比べれば減っているという話も聞きます。「イッキ飲みは愚かな行為だ」という認識は、少しずつ、大学生の間にも広まってきているのかなと思います。

問題の根絶は難しいにしても、少しずつ、学生本人を含め、関係者達の認識は変わってきているのではないでしょうか。

そう考えるとアメリカでも、飲酒可能年齢を引き下げなくても、「浴びるように酒を飲む行為」の危険性を伝えたり、「危険な飲酒パーティー」のリスクを伝えたりはできるんじゃないか、と個人的には思うのですが、さて、どうなのでしょうか。

日本の大学関係者の皆様にとっても、他人事ではない話題です。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。

1 個のコメント

  • 思うんですが、21歳まで飲酒禁止の理由って医学的な理由ですよね?
    けど、投票や軍隊に入れるかどうかという社会的な部分を例に出してるのは、どういうことなのでしょうか