ニュースクリップ[-5/25] 「地域貢献でランチ無料 名古屋・熱田区の名院大が企画」ほか

マイスターです。

さて、日曜日になりましたので、今週も一週間の教育ニュースの中から、いくつかを選んでご紹介します。

【ボランティアに学食のランチを無料提供。】
■「地域貢献でランチ無料 名古屋・熱田区の名院大が企画」(中日新聞)

学びやの地元をきれいにして、ランチを味わおう-。名古屋学院大名古屋キャンパス(同市熱田区)で21日、地域貢献活動の参加者にポイントを与え、その獲得点数に応じて校内食堂のランチを無料にする取り組みが始まった。学生や教職員のほか、周辺住民も参加でき、同大学は地元と一体の街づくりを目指す。
同大学生課と学生自治会が月1回、清掃などのボランティア活動を主催する。参加者には「おもいやり通帳」というカードを配布。1回の活動ごとに裏面にスタンプを押し、3ポイントたまると、名古屋キャンパス白鳥学舎(熱田区熱田西町)の食堂で400円のランチが無料で味わえる。
無料のランチ代は、食堂運営会社と大学が折半で負担。活動の実施日時は、校内の張り紙などで知らせる。当面は清掃中心だが、防犯パトロールも考えている。
(上記記事より)

食堂運営会社と大学が、ボランティアの方々のランチ代を負担するとのこと。
日本では、ボランティア=無償の奉仕活動だと考える人が結構いますので、「食事目当てのボランティアなんて不純だ」なんて考える人がいるかもしれません。
でも海外ですと、こうしたボランティア活動を行った人々に対するちょっとした記念品や食事の費用を、地元の企業が負担するなんてことはあります。企業も、それによって地域貢献できているというわけです。
上記の例は、それを大学が行っていると考えればいいのかな、と思います。

学生や教職員のほか、周辺住民も参加できる、という点も良いポイントだと思います。

【大学経営への学生参加、後退?】
■「同志社大 揺れる自治 学長選の投票権 学生分を『廃止』」(MSN産経ニュース)

在学1年以上の学生全員が学長選に投票できる全国でも例のない制度を設ける同志社大で、学生投票権を廃止する動きが進んでいる。学内の検討委員会は近年の低投票率などを理由として「廃止」を八田英二学長に答申した。ただ、創立者新島襄の「自治自立」の精神を象徴する制度だけに、教職員には「理念は理念としての意義が十分にある」と存続を望む声もある。
同大は学生の要求を受け、1954年の学長選で初めて学生投票権を認めた。教員、職員、学生の各有権者数を掛けた比率を2対1対1にするため、票の重みは教員1に対し、学生は約0・01票(2007年選挙)。
3年に1度の選挙では、大学が在学1年以上の全学生に投票用紙を郵送する。学生投票権が認められた最初の選挙の投票率は53%に上ったが、近年は著しく低下し、01年以降の3回の選挙では約10%にとどまる。
教職員でつくる検討委は、学生の自治組織『学友会』の04年の解散を挙げて「大学運営にかかわる権利を放棄した」と自治意識の低下を指摘し、「教職員一丸で厳しい環境に立ち向かわねばならない現状も加味し、投票権を認めるのは難しい」と結論づけた。
一方、存続を求める委員からは「学生が選挙に参加するのは同志社の美風」「教職員が誤りかけたときに学生が改めてくれることもある」などの声もあり、検討委は「将来、学生の大学運営に関する意識が高まり、投票権を要求されたときは再検討する」との意見を添えた。今後、大学は学生や各学部の意見などを集約し、大学評議会で学生投票権の存廃を最終決定する。
今のところ、学生に廃止反対の大きな動きはない。
(上記記事より)

学長選の投票権を学生も持つという、同志社大学。
「大学が在学1年以上の全学生に投票用紙を郵送」と、かなり徹底した仕組み……なのですが、近年では投票率が10%程度に留まるとのことです。

この記事によれば、教員の側が学生の参加を望むも、学生側は関心を寄せていないという構図のよう。
先進的なシステムであるだけに、残念です。
他の大学のモデルになっていただきたいところなのですが……。

【過去問の活用、初年度は様子見が大半を占める結果に。】
■「『過去問』活用6大学 今春入試 初年度で大半様子見」(北海道新聞)

過去に出題された入試問題を、再利用する方針を昨年公表した道内六校を含む全国の国公私立八十大学のうち、実際に今春、活用したのは六校にとどまったことが二十一日、公表大学の連絡委員会の集計で分かった。連絡委は「活用の少なさは意外」と驚いている。
六校の内訳は秋田大、信州大、鳥取大、愛媛大の国立四校、広島工大、宮崎国際大の私立二校。英語、生物、化学の過去問題を一部を手直しして出題した。
連絡委は「大学としては過去問題を活用する方針を決めたが、初回の今春は他大学の状況がつかめず、出題者は様子見をし、これまで通り独自に作成する道を選んだようだ」と話している。道内の大学関係者は「いかに良い問題でも、盗用するような後ろめたさがある」と指摘する。
(上記記事より)

以前ご紹介した、過去問の活用に対する取り組みの、現状です。

■進む「過去問題」の活用(1) 全国75大学の他、センター試験も過去問利用を検討
■進む「過去問題」の活用(2) 「良問」を目指して

前回の入試から取り組みが始まったわけですが、実際に過去問を活用したのは加盟している80大学のうち6校に留まったとのこと。
後は、様子見にまわったようです。何か問題が起きるかどうかや、メディアからの反応などが心配だったのでしょうか。
そのうち徐々に増えていくかもしれませんが、さて、いかがでしょうか。

【アメリカの大学の日本校で、日本のマンガ・アニメを学ぶ。】
■「テンプル大学のアニメ・マンガ夏季コース 同人誌制作実習も」(animeanime.jp)

米国ペンシルバニア州にある州立テンプル大学が、この夏に日本で行う「日本のポピュラーメディアの研究:マンガとアニメ(Studies in Japanese Popular Media: Manga and Anime)」というが5月19日よりスタートした。
(略)同大学がマンガやアニメを題材にしたサマーワークショップを開催するのは2年目である。これは、大学学部の夏学期限定コースのひとつである。
研究の目的は、日本のマンガ・アニメブームが広がる中、日本の現代文化の中におけるマンガ・アニメの存在について歴史、芸術史、人類学、社会学、文学、映像など異なる観点から考察、総合的に分析・理解するものである。
扱う内容については、キャラクターグッズとしてのハローキティのほか、「大衆文化のなかのノスタルジア」という項目に「ドラえもん、奈良美智、吉本ばなな」、「グローバル化した日本大衆文化」というテーマでは「ポケモン、キルビル、子連れ狼」などが挙げられている。
このほか、「オタク文化」として同人誌やコスプレといった項目もあり、授業の一環として学生が自分の同人誌を制作することも予定されている。
受講生はアメリカ人の学生16名が中心で、ワークショップは6週間で、毎週2日行われる。br />
(上記記事より)

テンプル大学は、以前ご紹介した、「外国大学の日本校」。
アメリカの正規の大学が、日本国内につくったキャンパスです。

■「外国大学 日本校」をご存じですか?

ここで、アメリカ人学生を中心に、日本のアニメ・マンガに関するサマープログラムが開講されるとのことです。
日本にキャンパスを持つ大学として、やはり気になる分野なのでしょう。
アメリカ本国のキャンパスからも、参加される方がいらっしゃいそうですね。

【素晴らしい連係プレー。】
■「阪大生フットサル中心肺停止、救急で蘇生」(時事ドットコム)

阪大によると、20日午後3時ごろ、フットサル・サークル「ウエストダッチ」の練習中、1年生の男子学生(18)が15メートル先のキーパーの投げたボールを胸でトラップ、パスを出した後、あおむけに倒れ込んだ。サークルのメンバーで経済学部4年の古田浩太郎さん(23)が異変に気づき、他のメンバーとともに倒れた学生に呼びかけたが返事がなく、すでに心臓が停止していたという。
古田さんは高校生の時と自動車教習所で心肺蘇生法を習った経験から心臓マッサージを開始。同学部1年の竹内隆介さん(19)が119番し、他のメンバーも自主的に大学の保健センターへ駆け込むなど、仲間を助けようと懸命だった。
豊中市消防本部救急隊の指示で心臓マッサージの回数、強さ、人工呼吸の方法などを確認し応急処置をする一方、駆け付けた看護師が備え付けのAEDを使用、間もなく心臓の鼓動が再開した。通報の6分後に救急隊が到着したときには、男子学生は弱々しい声で自分の名前が言えるまでに回復していた。
医療関係者によると「ものすごく低い確率だが、弱いボールでも心臓の鼓動と同調した場合、心臓停止は起こりうる」という。同市消防本部は「一般的に心肺停止してからの3分間が“ゴールデンタイム”といわれ、それを超えると生存率が50%まで低下する。一緒にいた学生が応急処置をやったことと、AEDが備え付けてあったことが救命につながった。素晴らしい連携プレー」と語り、同サークルのキャプテン牛込直弥さん(20、基礎工学部3年)は「とにかく助かって良かった。このチームはとても仲が良い。それが連携につながったのでは」と話した。
(上記記事より)

応急措置と、助けを呼びに走ったメンバーとの連係プレー、そしてキャンパスに設置された自動体外式除細動器(AED)が決め手になったようです。
メンバーの適確な行動が、仲間の命を救いました。

それにしても、日常の中でも、いつ何が起こるか分かりません。
今ではどこの大学にも必ずあると思いますが、AEDはやはり重要ですね。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログを読んでくださいまして、ありがとうございました。
来週も、お互いがんばりましょう。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。