関西大学キャンパスで大麻密売 学生を逮捕

マイスターです。

皆様も既にご存じだと思いますが、大学キャンパス内で大麻が密売されていたという報道がありました。
事件があったのは、関西大学の千里山キャンパスで、関西大学4年生の学生などが容疑者として逮捕されています。

【今日の大学関連ニュース】
■「大麻所持容疑で関西大生ら逮捕「学生12人に売った」」(Asahi.com)

密売目的で乾燥大麻を所持していたなどとして、大阪府警は15日、関西大学工学部4回生の市川聖(さとる)容疑者(24)=大阪府吹田市千里山松が丘=ら3人を大麻取締法違反(営利目的所持)などの疑いで現行犯逮捕した、と発表した。市川容疑者は、同大学の千里山キャンパス(吹田市)などで学生12人を含む40人前後に3年前から売りさばいていたと供述しているという。府警は関大生の一部に大麻使用が横行していた疑いがあるとみており、購入者を同法違反(譲り受け)などの容疑で立件する方針。
(略)市川容疑者は口コミで聞きつけた学生や友人らから携帯電話で注文を受け、多くの学生が集まるキャンパス内の広場や自分の下宿を受け渡し場所に指定。仕入れ値に500~1千円上乗せした1グラム5千~8千円で売り渡していた、と説明しているという。顧客の学生12人のうち10人はすでに卒業しているという。
(上記記事より)

40人前後を相手に、大学キャンパス内の広場で密売を行っていたとのことです。
40人のうち、関西大学の学生は12人。そして10人は既に卒業しているとのこと。

逆に言うと、28人前後の「顧客」は、本来なら関西大学とは関係がない、外部の人間だと言うことです。
常習的に買いに来ていたのがこのうち何人なのかは分かりませんが、28人もの人間が、大麻を買うためだけに大学キャンパスを訪れているというのは、やはり普通のことではありません。

大学に限らず、学校というのは、外の社会よりも安全でなければならないはずで、その中でこういった行為が行われていたのは、残念なことです。

それどころか、

調べに対し、市川容疑者は「キャンパスは夜間も出入りでき、警察のパトロールもないので安心だった。白昼、学内で購入した学生らと一緒に吸うこともあった」と供述している。

「関大生、学内で大麻密売『3年で40人に』」(読売オンライン)記事より)

……と、この通り容疑者の学生には、「むしろ大学だから売りやすい」と考えていたフシがあるようです。

(関西大学千里山キャンパスでは、キャンパス内に市道が通っているため正門を常時開放していたそうです。そこに目を付け、キャンパス内の広場を、24時間使える密売場所にしていたのだとか)

確かに大きな大学だと、大学側も広いキャンパスのすべてに目を行き届かせることは不可能に近いでしょう。
大学のスタッフだけでできることには限界があります。

しかし、白昼から数人で大麻を吸っていても誰からもとがめられることがない(……と、少なくとも学生に思われている)空間が都市の中にあるというのは、よくよく考えてみると、大変なことです。
もしかすると、学外のどこよりも「(悪い行為をする上での)ユートピア」になってしまっている部分があるのかもしれません。

それを裏付けるように、容疑者は

大学のキャンパスなら自治が保障されていて警察が来ないので安全と思った。
(「大学内で大麻密売、開き直り関大生を逮捕」(MSN産経ニュース)記事より)

……といった供述もしているようです。

「大学の自治」の本来の意図を曲解した、とんでもない発言で、うーん……と唸ってしまいます。
こういった行為や言動が、その「大学の自治」を窮地に追いやってしまうのですが……。

大学側も記者会見を開いたようで、

関西大では河田悌一学長らが午後7時から記者会見し、「キャンパスを治外法権のような場所と思ったのか。本当に残念だ。世間をお騒がせして申し訳ない」と沈痛な表情で謝罪した。
(略)同大学では、薬物に絡んだ事件・事故が相次いだため、薬物乱用防止を呼びかけるパンフレットを学生に配るなどしていたが、今回の事件で大麻を購入した客の中にも現役学生やOBがいたとされることについて、河田学長は「学生を信じている」と話した。
「関大生、学内で大麻密売『3年で40人に』」(読売オンライン)記事より)

……と、学長がコメントしています。
自分達のキャンパスが、治外法権のような場所として使われていたのは、ショックでしょう。

上述したように、大学側のスタッフがこういった問題行為すべてに気づくことはできないかも知れません。
ただ、密売とはいえこれだけの規模となれば、学生の中には、以前から知っていた人もいたのではないかという気もします。例えばそんな学生達から、何かの形で声を集めるような窓口はできないでしょうか(カルト宗教などの相談窓口を設けている大学は、結構あると思いますし)。
関西大学に限らず、多くの大学に共通する課題だと思います。

ところで学長は、「世間をお騒がせして申し訳ない」と謝罪されたようです。いかにも日本的な「世間様」への謝罪ですが、個人的には、この言い回しはお勧めしません。
どこまでが大学の責任で、どこまでがそうでないかという境界をあいまいにし、「とにかく世間様に迷惑をかけたのだから」ととりあえず謝ってしまうのは、長期的に見たら、日本の大学全体にとってプラスにならないと思います。

(過去の関連記事)■よく考えてみると不思議な謝罪

最後に。
今回の事件で、マスメディアがこぞって取り上げているのが、

大麻が欲しいという奴に売るだけでもうけは少ないし、大して悪いことやない」とも供述しているという。
(「大学内で大麻密売、開き直り関大生を逮捕」(MSN産経ニュース)記事より)

……といった、大麻の違法性についての、容疑者の認識です。

確かに、大学生にもなってこんな考え方をすることは大いに問題です。
(もっともこれは大学だけのせいではなく、大学やそれ以前の学校、あるいは保護者やマスメディアなども含めた、社会すべての教育責任だと思いますが)

ちょうど最近アメリカの大学でも、大麻の所持・使用によって大量の学生が逮捕されましたが、そこでもこの「学生の犯罪意識の薄さ」が問題になったようです。

■「米大学で拡大する大麻汚染」(Sekai Nippo)

学内の密売組織と接触した捜査官らは五カ月にわたって、組織の売人から違法薬物を購入する一方、学生の中からも情報提供者を募り、一斉摘発に向け、証拠をそろえた。捜査中に二人目の犠牲者を出すが、最終的に百二十八人の組織関与者を逮捕することに成功した。
(略)一方、州立大の学生や保護者の間では、この逮捕劇を当然とするよりも、「違法薬物の取り締まりを強化・厳罰化するよりも治療に力を入れるべきだ」との擁護論が強くなっている。さらに、学内の密売組織にかかわった主要な学生らの多くは、保護者が保釈金を払って既に帰宅が許されているが、数人が弁護士を通じて、「無罪」を主張。一般市民は「富裕層のわがまま」と半ば、あきれ顔だ。
保護者が「当局はやり過ぎ」と主張するのは、「麻薬犯罪」自体を一時的な火遊びとみているためだ。実際、全米で十二歳以上の麻薬常習者は全米で約二千万人に上る。この数字は全体の8・3%に匹敵する。学生やその親の間に広がる「軽い」感覚は仕方ないと言える。しかし、最高学府に麻薬汚染が蔓延(まんえん)する状態を看過すれば、今後、全米規模で大きな社会問題を引き起こすのは避けられない。
(略)大麻が再び広がりだした背景は定かではない。しかし、首都ワシントンに本部を置く圧力団体「マリフアナ・ポリシー・プロジェクト」(MPP)など、たばこやアルコールの方が毒性が強いとして、医療目的でのマリフアナ吸引を許可するよう求めている一部の市民団体が流す情報で、青年らが「理論武装」。犯罪意識を薄くし、道徳的なハードルを低くしている可能性も指摘される。
(上記記事より)

保護者の方にも「大麻くらい」という意識があるというのは、アメリカはともかく、日本には当てはまらないのかも知れません。
ただ、他のドラッグに比べて依存度や毒性が強くないといったことで、自己流の「理論武装」をすることが犯罪意識を軽くしているというのは、もしかしたら日本の大学生の大麻問題にも参考になるかもしれません。

大麻の毒性や依存度に関する考え方は、国によっても様々なようですが、「その国の法律を遵守する」ことが大事だということは、世界中どこでも変わりません。
まして大学生ならなおさら、卒業するまでにそれを知っておくべきです。

以上、今回の事件から、そんなことを考えたマイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。

3 件のコメント

  • 一旦この様な事件に関わった学生は、次の事件を起こす場合が多い。事実ほかの大学で起きている。厳罰で対処しておかないと再発の可能性がある。かかわった大学生は、即退学処分すべきである。そのままにしておくと次の事件を犯すだろう。

  • せっかく大学生なのだから,また,院もあるでしょう?
    毒性について理論武装しているのですから,自らの意志で実証してみたらどうでしょう?せっかく非合法の域にあるのですから学校をあげて実験したらどうですか?早稲田大麻専門校として。