再びアメリカの大学で乱射事件

マイスターです。

おそらく皆様も既にご存じでしょう。
連日のようにこういったニュースを取り上げるのは、書く方にとっても読む方にとっても、つらいものですが、やはりご紹介させていただきます。

以下は、AP通信がYouTube上に公式にアップしているニュース映像です。



【今日の大学関連ニュース】
■「米イリノイ州銃乱射事件、自殺した犯人は元大学院生」(AFP BBNEWS)

米イリノイ(Illinois)州シカゴ(Chicago)の西に105キロのデカルブ(De Kalb)にあるノーザン・イリノイ大学(Northern Illinois University)構内で14日発生した銃乱射事件では、5人が死亡、16人が負傷した。犯人は自殺した。
目撃証言によると、現場は地質学の授業が行われていた講堂。授業の終わる数分前に、ショットガン1丁と拳銃2丁を手にした男がカーテンの後ろから舞台上に姿を現し、無言で学生らに向かって銃を乱射した。男は身長約180センチで、黒っぽい服装をした白人だったという。
警察発表によると、通報を受けた警察官が2分で現場に到着したが、すでに男は舞台上で自殺していた。また男の身元について、前年度は同大学の社会学科の大学院生だったが、今期は授業登録をしていなかったと発表した。動機は現時点では不明としている。
目撃者の1人は地元ラジオに対し、「男は群集に向かって発砲したが、特定の人物を狙った様子ではなかった。彼は静かに舞台上に立つと発砲した。銃はとても大きかった。始めは偽物だと思っていたが本当に人を撃っていると分かって身を伏せた。血がたくさん出ていた。わたしの洋服も血まみれだった」と語った。
(上記記事より)

つい先日も、ルイジアナ工科大学で乱射事件があったばかりです。

■米ルイジアナ工科大で銃撃事件

今回の北イリノイ大学の事件が、ルイジアナ工科大学の事件に影響を受けたものなのかどうかはわかりません。犯人の動機も不明です。
ただ、昨年32人の犠牲者を出したバージニア工科大学の事件のときにも、その後しばらく、全米で、学校での発砲騒ぎがいくつかありました。そういった意味で、「また防げなかったのか」、と感じてしまう学校関係者も、いるかも知れません。
未来ある学生達の突然の不幸。本当に、心から哀悼の意を表します。

世界中どこでも学校というのは、もっとも暴力から遠い場所であるべきです。
その学校で、こんな理不尽な死に出あわなければならないのだとしたら、私たちはいったいどこで学び、どこで平和について考えればいいのでしょう。

日本で教育に携わっている私たちにできることは、悲劇を拡大させないよう、せめてこの事件から学ぶことです。

マイスターは銃の類の知識はほとんど持ち合わせませんが、ショットガンも持ち込んでいるとのことですから、凶器はかなり大がかりであるように思えます。しかし……大学というオープンな環境では、こういったものをどこかで取り締まるのは、現実的には難しいでしょう。
当然ながら、(昨年の事件も含め)立て続けに起きているこういった乱射事件が、アメリカの大学に対する国際的な信用に影響を与える可能性は否定できません。

ニュースやwebサイトを見てみる限り、北イリノイ大学は、少なくとも事件発生後の行動としては、できうる限りのことをしているように思えます。

今回の事件では、犯人が教室の外に出て発砲を続ける、ということはありませんでした。
しかし同大のキャンパス・ポリスは、通報を受けて2分で現場に到着した後、万が一の事態を想定。
キャンパスに近づかないよう、すぐにwebサイトで緊急の呼びかけを行っていたそうです。

上記のAP通信の報道によると、事件発生後、同大のwebサイトではキャンパス・ポリスが5分、10分という間隔で安全情報を流していたとのこと。

■Northern Illinois University – Update on Campus Shooting

上は現時点での、北イリノイ大学のwebサイト、トップページです。
事件に関するニュース履歴の他、大学の連絡先や病院、記者発表映像、カウンセリングの場所、さらには犠牲者に祈りを捧げる会場と時間まで、必要な情報が一目でわかるように発信されています。

マイスターは、2月15日の午前中(日本時間)にはこのページを見てみたのですが、既にこの状態でした。
想像するに、こういう緊急事態に備えて、アラートの発信システムはもちろんのこと、緊急時用のwebページまで最初から用意してあったのではないでしょうか。

予期できる範囲で危機が起きる可能性(リスク)を減らしていく行為をリスク・マネジメントと呼びます。
それに対して、このように予期しづらく、しかし被害が大きい事態が発生した場合の対処法を整えることを、「クライシス・マネジメント」と呼んだりします。
クライシス・マネジメントの徹底は、二次的な被害の発生を防ぎ、周囲に対する影響を最小限に抑えることにつながります。

北イリノイ大学は、もちろんなるべくこうした事件を起こさないような対策もしていたのだと思いますが、事件が起きた後のクライシス・マネジメントについても対策をしていたのかな、と想像します。
だとしたら、まさにこれはバージニア工科大学の事件から学んだことなのではないでしょうか。

だからといってもちろん、北イリノイ大学の体制が万全だったかどうかはわかりません。
仮に万全であったとしても、取り返しのつかない犠牲者が実際に出てしまったわけです。

一体、何が問題だったのか。
セキュリティの問題なのか、普段の学生ケアで解決すべきことなのか。
それとも銃規制のように、社会全体で議論し解決すべきことなのか(根本的にはそこに行き着くのではないかと個人的には思いますが)。
今後、どのような対策が打ち出されるのでしょうか。先のルイジアナ工科大学の事例と合わせて、事件に関する詳細な調査の結果を待ちたいと思います。

二件の事件が起きた今現在、おそらく全米の大学、高校が、ピリピリしているのではと想像します。
また、事件がおきた大学の関係者は、ショックからまだ立ち直れていないでしょう。
せめて一刻も早く、安心して学べるキャンパスが取り戻されることを祈るばかりです。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。