ニュースクリップ[-1/13] 「大学カードが花盛り 愛校心と収入増の一石二鳥」ほか

マイスターです。

毎日、様々なニュースをご紹介している本ブログ。
しかし大学に関するニュースは数多く、どうしてもご紹介しきれないものが出てきてしまいます。

そこで毎週日曜日は、マイスターが個人的にためたニュースクリップの中から、いくつかをまとめてご紹介していきます。

【愛校心と、新たな収入源】
■「大学カードが花盛り 愛校心と収入増の一石二鳥」(Asahi.com)

大学の名前やロゴが入ったクレジットカードの勧誘に、大学や同窓会が力を入れている。大学側にカード会社から「還付金」が入り、それを奨学金や同窓会の運営費などに回せるためだ。学長自ら在校生や卒業生にPRしたり、社会人でも審査の厳しいゴールドカードを発行したり。大学側の積極的な姿勢に、消費者問題の専門家は「カードのリスクをきちんと教えて」と指摘している。
(略)カード会社と提携して発行するこうしたカードは、私大を中心に90年代半ばから卒業生向けが盛んになり、00年代に在校生向けも増え、国立大も加わった。在校生対象のカードの多くは「国内での現金貸しつけ(キャッシング)不可」「利用限度額は10万円」などと、使い過ぎを防ぐ制限がある。
カード会社には、社会人になってもメーンカードとして持ち続けてもらえる可能性が高いというメリットがある。一方の大学には、少子化を背景に、愛校心を高めて「将来、子どもも自分と同じ大学に」という卒業生を増やしたいとの思いがある。さらに、還付金の魅力も大きい。
還付金とは、カードを使える店舗から入る手数料の1割程度、またはカード会員が買い物をした額の0.5%程度が大学側に回る仕組み。加入者増が収入増に直結するため、大学側は熱心に勧誘している。
(略)カード会員数は、早稲田大が約8万3千人、慶応義塾大が約4万3000人、明治大が約2万人など。還付金を奨学金に充てている早稲田大は06年度、約5000万円(約170人分)を給付したが、収入は約7800万円あった。09年度からは1人当たりの支給額を増やす計画だ。
(略)各大学側は、入会する学生に個別に計画的な利用を呼びかけているとしている。20歳以上にも保護者の同意を求める大学もある。ただ、リスクを教える説明会などを開いている大学は少ない。
(上記記事より)

大学によるクレジットカード。大学キャンパスの中によく申込用紙が置いてありますし、卒業すると、同窓会誌と一緒によく案内が送られてきます。
カードを持っていると、大学が開催する社会人向けセミナーが割引になったり、大学が運営する同窓会サイトにアクセスできたり、色々な特典がついてきます。

最大の特徴は、記事にもある、還付金。カードを使うことで、後輩達を自動的に支援できる仕組みということで、けっこうつくる方も多いようです。その大学のコミュニティの一員である、という意識も持てるでしょう。
個人的には、悪い仕組みではないと思いますし、自分もちょっと興味はあります。

ただ基本的にはクレジットカードですから、必要がなければつくらなくてもいいはずのものですし、破産などのリスクもあります。
積極的にカード会員を増やそうというのであれば、そういったことにも気を配った方がいいのかな、とは思います。

【大学の教育力を上げるための大学院】
■「『大学教師力』磨く大学院…山形大が設置方針」(読売オンライン)

全入時代を迎えた大学の教師力向上に向けた取り組み(FD)が大学設置基準で今春義務化されるのを受け、山形大学(山形市)は、FDの専門家を養成する全国初の専門職大学院を設ける方針を決めた。大学の教職員らを対象に、板書の仕方や学生とのコミュニケーションの取り方など、授業改善の手法を基本から教える。2010年春の設立を目指す。
同大では、7年前から取り組んできたFDの実績をもとに04年、山形県内の公立大や私立大、短大計6校で「FDネットワーク樹氷」を結成し、共同して国内外の先進大学の視察や研究会を重ねてきた。昨年4月からは、授業の問題点を洗い出し、“処方せん”を出す「授業改善クリニック」を学内外向けに始め、全国的な関心を集めている。
取り組みを通して、FDを組織的に進めるには経済的、人的な手当てが不可欠で、時には大学の理念や経営方針の見直しも必要になるといった認識が大学の経営者に不足しており、具体的な授業改善法がわからない教員が多いこともわかってきた。FD専門の教員増を図ることも難しいため、授業改善のノウハウ共有を進める専門職大学院の設立構想を抱くようになった。
山形大でFDを担当する小田隆治学長特別補佐のほか、同大の高等教育研究企画センターの教員が中心となり、学外の専門家と連携し、カリキュラム開発や人材の養成に取り組む。会話能力や板書、教材教具の開発、授業評価アンケートの作り方など授業技術を磨く一方、科目内容の整備やFD研修を徹底させるための経営術も学ぶ。このため対象を事務職員にも広げる。
同大の結城章夫学長は「国内の大学が競争ばかりしていては共倒れになる。大学は学生のためにあるという共通認識のもと、連携して教育力を向上させたい」と話している。
(上記記事より)

大学の授業力、教育力を向上させるための取り組み、FD(Faculty Development)。その専門家を育成するための専門職大学院が誕生するそうです。

教育のスキルを教えると同時に、大学でFDを進めていくためのマネジメント手法なども学ぶとのこと。
ここで学んだ大学の教職員が自校に戻ってFDを進めていく、あるいは自分の教育をモデルとして周囲に良い影響を与えていく。
大学を変えていくための起爆剤になるような人材の育成を狙っているのかなと思います。

ただ現状、どういう立場の方々がここに通うのか、あるいはここの卒業生が学んだことをどのような形で実際に大学で活かせるのか、それは正直言って、まだよくわかりません。
大学教員の実績が主に研究で測られる以上、その貴重な研究時間を割いてここに通う教員がどのくらいいるのだろうか、という気もします。
もしかすると教員に対しては、フルタイム学生の形ではなく、エクステンション講座や各種の勉強会、シンポジウムなどを充実させていくのも、手かも知れません。
また職員の場合、立場上、職場で教員に対して教育力を指導できる人がどのくらいいるのだろうか、という疑問が浮かびます。本当は必要な役割だと思いますが、多くの大学では、まだなかなか難しいように思います。
大学業界でこういった教育機関の役割が浸透していくには、若干の時間が必要かも知れません。

でも、こういった教育機関が生まれたということは、歓迎すべきことだと思います。
また学生への教育活動のほか、FDに関する研究成果を世に発表していく研究機関という点でも、個人的には大いに期待したいです。
ご興味のある方は、ぜひアクセスしてみてください。

【大学誘致担当課長】
■「大学誘致へ担当課長就任 葛飾区」(読売オンライン)

葛飾区は1日付で、政策経営部に大学誘致担当課長ポストを新設した。同区新宿6の工場跡地へ進出する大学の公募業務などにあたる。初代担当課長には、福祉部から日向野秀紀・制度改革担当課長が就いた。
工場跡地は、所有者の独立行政法人「都市再生機構(UR)」(横浜市)と区土地開発公社との間で年度内に契約を結び、購入することになっている。区は昨年、これに伴う同公社への債務保証を当初の90億円から490億円に増やす補正予算を組むなどして、準備を進めていた。
公募は新年度からの予定。日向野担当課長は「関東の大学を中心に進出の意向を調べ、関心を寄せた大学には積極的にアプローチしていきたい」と話している。
(上記記事より)

大学を誘致したいと考える自治体は、実は少なくありません。市長や県知事が、公約として掲げることもあります。
若者を呼び寄せることによる経済効果、まちおこし効果を期待してのことが多いようです。

でも個人的にはそれだけでなく、各種の調査や政策立案、学生・市民ネットワークの構築など、大学だからこそ可能になるところも真剣に検討した上で、大学を誘致してくれるといいなと思います。

【大学の蔵書をデジタル化して公開】
■「慶大がGoogleブック検索で貴重書を公開 アジア初」(ITmedia)

慶應義塾大学は1月10日、グーグルが提供する「Googleブック検索」を通じて福澤諭吉の著作や慶應義塾の関連書籍など174冊をWeb上に公開した。福澤の著作や、1969年に刊行した「慶應義塾百年史」などが含まれる。今後慶大では、著作権保護期間が満了した約12万冊(明治・大正・昭和初期の日本語図書と和装本)の蔵書をデジタル化し、順次公開していく。
Googleブック検索とは世界中の本をデジタル化して公開するプロジェクト。ハーバード大学、スタンフォード大学、オクスフォード大学などが参加している。アジアでは2007年7月に慶應大学が初めて提携した。
Googleでの書籍公開に合わせ1月10日から2日間、慶應義塾図書館はデモンストレーション「デジタルで読む福澤諭吉」を開催した。同図書館が既にWeb公開している福澤の初版本55タイトル、全119冊の中から「学問のすゝめ」「西洋事情」「訓蒙窮理図解」などテキストの全文検索が利用できた。実物の貴重書も展示した。
(上記記事より)

「世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすること」を使命に掲げるGoogle社。その一環として、世界中の「書籍」のデジタル化を進めています。
その活動のパートナーとして、率先的に協力しているのが、大学。各国の著名な大学が、このプロジェクトに参加しています。

上記は、アジア発の参加機関となった、慶應義塾大学のプロジェクトを紹介する報道。興味深い取り組みです。
自前でデジタルアーカイブを整理・公開している大学もあるのですが、Googleの巨大なデジタルネットワークの中に組み入れられることのメリットは絶大なはず。
大学の持つ知的財産が、誰でも利用可能な形になるというのは、ちょっとわくわくします。

【全入学生に予防接種 大学のリスクマネジメント】
■「東大、入学者3千人に予防接種の有無確認へ」(Asahi.com)

はしかが若い世代で昨春大流行したのを受け、東京大学は今年4月入学の学生約3000人から、予防接種の有無を確認することを決めた。学生に自覚を促す狙い。大学が予防接種歴を確認するのは異例で、他大学にも広がるか注目される。
対象は結核、はしか、日本脳炎など7種の定期予防接種、おたふく風邪と水ぼうそうの任意接種の計9種類。入学予定の学生に申告書を送り、母子健康手帳などで確認、4月に提出させる。はしかについては、未接種者や1回接種の学生には、入学前のワクチン接種を呼びかけ、接種を確認できなければ、学内で抗体検査を受けるよう勧める。
(上記記事より)

昨年ははしかの流行により、多くの大学が全学休講などに追い込まれました。その反省からでしょう、まず東大が、全入学生に予防接種をすることを決定しました。
他にも、同様の決定をする大学が出てくると思います。

「大学がここまでする必要があるのか?」という意見もあるでしょう。
ただ、実際にはしかなどが広まり、キャンパスを閉鎖しなければならなくなるというのは、大学にとっても大きなリスク。
そのリスク対策として、こういった取り組みもしなければならない時代なのかな……と思います。
(聞いたところによると、アメリカなどでは入学条件として、こういったことを学生に通知することも少なくないようです)

以上、今週のニュースクリップでした。

一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
このような形で、毎週、記事をアップしていきたいと思います。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。

1 個のコメント

  • >>>(聞いたところによると、アメリカなどでは入学条件として、こういったことを学生に通知することも少なくないようです)
    基本的にどこの大学でもアメリカではクラスを履修するのに絶対必須条件です。仕事でも同じで、予防接種の証明がないと勤務開始できません。