シニア対象 「立教セカンドステージ大学」

マイスターです。

少子化、および高齢化が進む現代。
各大学とも、新たな顧客層としての「シニア」に注目しています。

(過去の関連記事)
・生涯現役学生主義! 日本初、カレッジリンク型シニア住宅が誕生(2006年07月15日)
https://www.unipro-note.net/archives/50222030.html
・シニア向けの大学選びポータルサイト(2006年07月27日)
https://www.unipro-note.net/archives/50226344.html

これまでも上記のようなニュースをご紹介してきましたが、またひとつ、興味深い事例が増えそうです。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「立教大、「シニア大学」開設・08年春、団塊向け本格講座」
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20071030AT1G2902U29102007.html
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立教大学は来年度から、団塊世代向けにビジネスなどを学べる専門講座を開設する。ゼミに参加したり、履歴書にも書き込める「履修証明」を出したりと、最長2年間受講できる本格的な講座とする。大学紛争などで満足なキャンパスライフを送ることができなかった団塊世代に、お金や時間に余裕のできた定年後を豊かに迎えてもらおうとの狙いだ。

(上記記事より)

というわけで立教大学が、池袋のキャンパスで、団塊世代のシニアを対象にした「立教セカンドステージ大学」を開校するそうです。

詳細は以下、大学によるプレスリリースをご覧ください。

■「『立教セカンドステージ大学』来春開校」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/university/information/TKY200711060346.html

立教大学(東京都豊島区・埼玉県新座市、大橋英五総長)は、2008年4月に50歳以上のシニア層や団塊世代を対象とした本格的な学びの「場」である『立教セカンドステージ大学』*を開校します。

(略)団塊世代を中心としたシニア層は、ここ数年で大量退職時代を迎え、各々のセカンドステージへ突入していきます。こうした層のファーストステージを顧みると、大学進学を希望していたにもかかわらずその夢が実現できなかったという方々が多く存在します。また、大学に進学しても余裕を持って勉学に励むといった社会環境に恵まれなかった世代でもあります。更には定年後の自分の新たな帰属場所と生きがいを求める「学び」に対する高いニーズが顕在化しつつあるのは事実であります。

こうしたシニア層のために質の高い教養教育と多面的な学びの場を提供することは、社会人入試等で先駆的に実績を積み重ねてきた本学にとって、重要な社会的責務であると認識し『立教セカンドステージ大学』を開校いたします。

※立教セカンドステージ大学は文部科学省認可の大学ではなく、立教大学が提供する生涯学習の場です。

(上記リンクより)

「団塊世代には、様々な事情で大学に行けなかった方も多い」
「大学に行っていたとしても、社会事情により満足に勉学に励めなかった人もいる」

→だから定年後こそ、「ファーストステージ」で果たせなかったことを学び、夢を叶えませんか?

……というPRです。

ちなみに「大学に進学しても余裕を持って勉学に励むといった社会環境に恵まれなかった世代でもあります」というのは、ちょうど団塊世代の皆さんが大学生の時にもりあがっていた「学生運動」のことを指しているのでしょう。

確かに考えてみればこの世代の方々って、学士号は持っていても、4年間フルに学んだとは限らないのですよね。
そう考えると、商品設定の仕方次第では、けっこう顧客ターゲットを広く設定できるのかもしれませんね

上記のリンクによれば、立教セカンドステージ大学の特徴は以下の5点です。

1.日本では初めてのシニア層のための本格的なキャンパスライフ

趣味関心事の延長線上にある1日だけの市民大学やオープンカレッジ、資格取得を目的とした短期間の通信講座などではなく、体系化されたシニア層のための本格的な新しい学びの「場」です。

2.立教大学の学部・大学院の専任教授陣や著名人が魅力ある講義を開設

カリキュラムは専任教授陣が創意工夫し、シニア層にとって、自ら「学びたい」といった魅力ある科目を開設します。また、学部の授業(全学共通カリキュラムの立教科目群)も2科目まで無料で受講できるのも大きな特徴です。さらには、著名人による講義や企業から協賛を受けた講座も開設します。

本科(1年)は、「エイジング社会の教養科目群」「コミュニティデザインとビジネス科目群」「セカンドステージ設計科目群」の3科目群で構成します。

3.都心のキャンパスで学び、若い学部学生と共に学部の授業を聴講することも可能

利便性と快適性に恵まれた立教大学池袋キャンパスは、シニア層の学びの場として最適です。学部の若い大学生たちと同じ科目を一緒に履修して、「いまどきの大学生活」を体験することができます。

4.学生の自主的活動と運営

受講生を単に教育の対象者として捉えるのではなく、社会経験豊かな受講生と教師が共に授業やゼミナール活動を作っていくという視点を大切にします。したがって、全ての受講生が3科目群のいずれかのゼミナールに必ず所属し、合宿やフィールドスタディなど自主的な運営に参加し、レポート(報告書)をまとめます。

5.昼夜開講制で、専攻科への進学も可能

本科は1年制とし、1科目が半年で修了するセメスター制(前期・後期制)を採用します。科目は3科目群それぞれ8科目にゼミナール等を加えた合計28科目を展開します。授業は昼間だけでなく夜間と土曜日にも行い、本科(1年)修了後、希望者は専攻科(1年)へ進学することができます。専攻科の受講生はコース・科目への出席は自由とします。

(上記リンクより)

一見、大学と専門学校をあわせたような感じですが、一般的に大学で行われているようなエクステンション講座からは一線を画した、本格的なシニア向けカリキュラムです。

随所に「通ってみようかな」と思わせる工夫がなされています。

1年間という期間は、参加のハードルとしてはそれほど高くないでしょう。
でも、これを機に新しいチャレンジを見つけたり、夢中になれるものに出会ったり、様々なコミュニティに参画したりできるんじゃないか、そう期待させるには十分な内容です。
教員も立花隆氏をはじめ、知的好奇心に十分に応えてくれそうです。

また、ここで学んだ学生達が正規のコース、つまり立教大学の学部や大学院にとっての新しい潜在的顧客になる点も見逃せません。

よくよく考えたら立教大学は、文学部をはじめ、観光学部、コミュニティ福祉学部、現代心理学部など、シニア層と親和性が高そうな学部をいくつも持っているではありませんか。
今回の「セカンドステージ大学」までを計算に入れた上での新学部設立ラッシュだったのではと思わず勘ぐってしまいます(実際のところはわかりませんが)。

立地も池袋で、乗り入れている路線も多く、シニアが暮らしやすそうな住宅地を背後にたくさん抱えています。
(ちなみに「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる巣鴨にも近いです……って、これはあんまり関係ない?)

■「立教セカンドステージ大学」(立教大学)
http://www.rikkyo.ac.jp/grp/kohoka/2ndstage/

■「立教からの挑戦:立教セカンドステージ大学」(asahi.com広告特集)
http://www.asahi.com/ad/clients/rikkyo/seven.html

広報活動にも何か気合いを感じます。
立教大学、本気です。

ところで、非常に興味深い試みだと思うものの、現時点ではまだ未知数な部分が二箇所ほどあるように思います。

まず一点目は、学費です。
今の段階では、どのくらいの学費がかかるのか、どこにも書かれていません。
上記のような構想がうまくいくかどうかは、すべてここにかかっていると言っても過言ではありませんが、そのあたり、どうなのでしょう。
(ちなみに、定員もまだ明かされていません)

二点目は、大学側の運営上の問題です。
シニアという新しい層を迎えるための準備の手間やコストがどのくらいかかるのか。それはおそらく、実際に迎えてみなければわからないはずです。

18歳を相手にするのとはわけが違います。色々とトラブルだってあるでしょう。
なんとなく、新学部を一つつくる以上に大変なことなのではないだろうか、と想像します。
で、想像していたより手間がかかるとしたら、それは結果として学費の上昇につながりかねません。

そのあたりをどのように解決するのか、とても気になります。
おそらく、他の大学も立教大学の取り組みに注目しているでしょう。

こうした取り組みが成功すれば、社会にとっても刺激になると思います。
ぜひ、がんばってほしいです。

以上、マイスターでした。

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