キャンパスは禁煙にすべき?

生まれてこのかた、一本もたばこを吸ったことがないマイスターです。

健康に悪いとかお金がかかるとか、吸わない理由は色々挙げられますが、そもそも吸いたいと思ったことがありません。

たばこには依存性がありますが、最初から「うまい」と思って吸っている人はあまりいないのではないか、とマイスターには思えるのですが、どうなのでしょう……。
どうしてあんなものを吸い始めるのだろうと思って、たばこを吸う友人の意見を聞いたときは、「なんとなくかっこいいと思ったから」とか、「周りに吸う人がいたから」とかいった回答が返ってきたような気がします。
マイスターの場合は、「周囲に吸う人がいなかった」というのが、大きかったのかもしれません。

そんなわけでマイスター、たばこの煙は苦手です。
隣でたばこを吸われると、咳き込みます。公共の場で当然のように火をつける人がいると、困ってしまいます。
レストランなどでも、禁煙席を用意していないお店は、好きではありません。
(禁煙席という表示があっても、実際には全然分煙できていないお店とか、ありますよね。あれも困ります)

というわけで、気持ち的にはたばこの煙が好きではありません。
しかし、きちんと分煙されていて周囲に迷惑をかけないのであれば、成人は自分の責任において喫煙してもいいのではないかと、個人的には思います。
(たばこからの税収と医療費の増加分とどちらが多いんだとか、色々と複雑な議論はありますが……)

さて、今日はそんな「たばこ」についてのニュースを二つ、ご紹介します。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「たばこ吸う人受験ダメ、愛知の看護短大が08年度入試から」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20070904STXKC038504092007.html
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喫煙者は受験できません―。愛知県一宮市の愛知きわみ看護短期大学は、来年度の入学試験から、受験資格に「非喫煙者」を新たに加えることにした。学内を全面禁煙としている大学は複数あるが、文部科学省によると、非喫煙を入学の条件にするのは珍しいという。

同短大では2004年の開学時から学内は全面禁煙としてきたが、学校周辺での学生らの喫煙に近所から苦情が出ていることに加え、法的に吸えないはずの高校生でも喫煙者がいる現状を受け、「吸わない学生」の募集に踏み切った。

同短大は看護学科のみの3年制で、入試定員は80人。来春の入学者を対象にした募集要項には出願資格の欄に「非喫煙者(看護職者を志す者は、生涯非喫煙が望ましい)」と明記した。ただ、自己申告だけで検査はしないという。

(上記記事より)

というわけで、出願者を「非喫煙者」に限定しているという短大です。

■「入試募集要項」(愛知きわみ看護短期大学)
http://ns.aichi-kiwami.ac.jp/exam.html

確かに「一般入学試験の出願資格」に、

7. 非喫煙者(看護職者を志す者は、生涯非喫煙が望ましい)

とありますね。

高校生なら当たり前……と思ってしまうところですが、出願時に20歳を超えている方だっている可能性があるわけですから、これは結構、踏み込んだ条件です。
法的には、20歳以上であれば喫煙していいことになっているわけですから。

ただこれ、出願時に非喫煙者ならOKで、在学中20歳以上になったら吸ってもいいということなのか、それとも卒業するまで喫煙は(自宅でも)いっさい禁止なのか、いまひとつはっきりしない表現であるように感じるのですが、実際はどちらなのでしょうね。

同短大の御供泰治学長は「将来、患者に禁煙を勧める職業に就くので本人も吸わないのが望ましい。喫煙は習慣になるとやめさせるのは難しく、初めから吸わない学生を育てたい」としている。

(「たばこ吸う人受験ダメ、愛知の看護短大が08年度入試から」(NIKKEI NET)より)

とあります。

法的にどうなのかはわかりませんが、はっきりしたアドミッションポリシーではあります。

さて、もう一本、たばこに関するニュースを。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「喫煙率:医療系学生、歯科医の卵『最多』女性は平均超え--厚労省調査」(MSN毎日インタラクティブ)
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20070820dde041100066000c.html
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将来医療、保健の専門家を目指す学生の喫煙率を調べたところ、歯学部生は男性62%、女性35%で最も高く、患者の喫煙に関しても比較的寛容であることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。また、女性に限定すると全学部で全国平均を上回っていた。喫煙は歯周病を発症、悪化させる危険因子としても知られる。主任研究者の林謙治・国立保健医療科学院次長は「将来患者を指導する立場として、学生のうちから喫煙の影響についてしっかり学ぶ必要がある」としている。

研究班は昨年12月、保健医療分野の学部、学科を持つ大学のうち、協力を得られた医学部19校、歯学部8校、看護学部28校、栄養学部13校の学生を対象にアンケートを実施。各学部の4年生計6312人(医1590人、歯677人、看護2545人、栄養1500人)から回答を得た。

喫煙率は歯学部が最も高く54%。次いで医学部36%(男性39%、女性23%)、看護学部32%(男性47%、女性30%)、栄養学部27%(男性40%、女性25%)。

05年度の国民健康・栄養調査によると、20代の喫煙率は男性49%、女性19%で、歯学部は男女とも平均を上回っていた。

(略)自らの喫煙について「保健、医療を学ぶ学生の立場上喫煙してはならない」と答えた人は、医、歯、栄養の各学部で6割を超え、将来の専門家としての自覚は高かった。だが、患者の喫煙に関し「患者の自由意思にゆだねるべきだ」と回答したのは、栄養学部が16%と非常に厳しい態度を示したが、医、看護学部はそれぞれ32%、歯学部が47%だった。
(上記記事より)

リンク元にはグラフもありますので、ご興味のある方はどうぞ。

しかし、歯科医のタマゴとなる歯学部生のみなさまが、最もたばこに親しんでいるというのは、意外な結果です。

しかも自分の喫煙だけではなく、患者の喫煙に対しても寛容なのだとか。
それは、「ちゃんと正しくケアしていれば大丈夫なんだ」といったような、専門知識に基づいた意見なのか、それとも単に、自分が喫煙者だから患者にも甘くしてしまっているということなのか、一体どちらなのでしょうね……。

というわけで、色々なデータがあり、大学ごとに色々な方針があります。

ちなみにキャンパス全域を禁煙にした場合、校門の周辺でたばこを吸う人が増え、かえって地域の迷惑になるということもあります。

(冒頭でご紹介した「愛知きわみ看護短期大学」のニュースにも、「同短大では2004年の開学時から学内は全面禁煙としてきたが、学校周辺での学生らの喫煙に近所から苦情が出ている」という記述がありますね)

そんなバランスの取り方も含め、大学でのたばこについて、喫煙者も禁煙者も、改めて考えてみるといいかもしれません。

以上、マイスターでした。

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(過去の関連記事)
・びっくりニュース「北朝鮮、喫煙者の大学入試資格を剥奪」(2006年06月01日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50203250.html

2 件のコメント

  • ある私大や専門学校の話だと、
    禁煙にすると逆に影で吸ったり、
    学校周辺で吸う学生がでてきて、
    周囲の人に迷惑がかかるという話が
    ありました。
    マナーを指導できないのもどうかと思いますが、
    綺麗事じゃなく、全員はフォローできないのも事実。
    個人的には理想を持って対応してほしいんですが、どうも難しい話みたいですよ。

  • ある私大や専門学校の話だと、
    禁煙にすると逆に影で吸ったり、
    校舎周辺で吸う学生がでてくるとのこと。
    近隣に迷惑をかけないためにも、
    学内で吸って欲しいという意見がありました。
    個人的には、その辺を理想をもって指導してほしいのですが、
    綺麗事ではなく、全員フォローできないとか。
    難しい話みたいですよ。