「プロの大学職員」を育成するNPO

マイスターです。

大学職員だった頃、一番嫌だったのは、「事務方」と呼ばれることでした。
教務や広報、学生部、企画など様々な部署があり、様々なスキルがある人々の集まりなのに、全部を一言で「ジムカタ」と表現されるというのに、なにか違和感を覚えていました。

顔の見えない集団、能力差のない便利屋、ただただ物事を事務的に進める人達。
そんな認識をされているような気がしました。

【学校教育法】
第58条 大学には、学長、教授、准教授、助教、助手及び事務職員を置かなければならない。ただし、教育研究上の組織編制として適切と認められる場合には、准教授、助教又は助手を置かないことができる。
《改正》平17法083
2 大学には、前項のほか、副学長、学部長、講師、技術職員その他必要な職員を置くことができる。

(学校教育法より。強調部分はマイスターによる)

学校教育法にも、事務職員という表現があります。
が、これだけ役割が高度化した、あるいは「高度化しなければならない」組織で、

<「教員」と「事務」>

という2種類の職務しか存在しないというのは、いくらなんでもおかしな話です。

ご覧の通り、第58条第2項には、「その他必要な職員」なんて表現もありますから、本当は、アドミニストレータと呼ばれる方々や、各分野の専門家など、色々な職務があっていいのです。

でも、「ジムカタ」という言葉で全部の職員が十把一絡げに呼ばれてしまっている現状を見ると、そういった認識は、まだまだ大学内でも、大学外でも、広まっていないのでしょう。

……と、それでもそんな現状を変えるべく、現在は大学職員の能力向上や意識変革などのために、様々な組織が立ち上がっています。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「求められる経営力…『プロの大学職員』育成」(読売オンライン)
http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07072721.cfm
————————————————————

プロの大学職員を育てたい――。こんな思いで発足したNPO法人「大学職員サポートセンター」(東京都千代田区)の活動が、注目を集めている。大学の経営環境が厳しさを増す中、教員だけでなく職員にも、大学運営に携わっていく力が求められている。

今月24日、横浜市泉区のフェリス女学院大緑園キャンパス。大学職員約50人を含む72人が参加した学内研修が行われていた。「大学経営を教員に任せるのではなく、職員の皆さんも改革に意見できるだけの力を付けてほしい」。講演した元芝浦工大常務理事で、同センター理事長の小日向允(おびなたまこと)さん(75)は訴えた。

大学全入時代の到来で、特に私立大は生き残りのため、特色のある経営を迫られている。これまでは、教授会の決定事項に従う存在に甘んじることが多かった大学職員にも、学部再編や新たな入試方法などを積極的に企画することが期待されるようになった。

こうした中、今年3月に設立されたのが、大学職員サポートセンターだ。法政大、早稲田大、明治大などの職員OBが中心で、大学時代に学部の新設などにかかわったベテランも多い。こうした人たちが、職員向けの研修を行っている。

(上記記事より)

というわけで、大学職員に、大学運営に携わっていく能力を身につけさせるためのNPO法人があります。

その名も、大学職員サポートセンター。

「これまで大学職員は教員の補助役だったが、職員が企画力を身につければ、さらに良質のサービスを学生に提供できるようになる」。小日向理事長はそう指摘した上で、「大規模な大学と違い、自前で職員を育てるシステムを整備することが難しい小規模大学について、職員の資質向上の手助けをしていきたい」と話している。

(上記記事より)

とのこと。
特定の組織を強化するのではなく、「大学職員」という職務をバックアップすることで、日本の高等教育を良くしていく。そんな発想からのアプローチです。
こういった取り組みは、非常に大切です。

このような職務サポート団体が充実してくると、いよいよ大学職員も専門職として機能していくのかな、と思えてきます。

大学職員専門SNS、若手職員勉強会ネットワークなどなど、これまでも色々な動きをご紹介してきましたが、こういったものが次々と生まれてくるあたり、何気にエネルギッシュです、大学職員。

■「大学職員.network」
http://sns.university-staff.net/?m=pc&a=page_h_home
■Greenhorn Network
http://banner.meganebu.com/~greenhorn-net/index.html

さて、そんな大学職員サポートセンターの方のコメントを、ひとつご紹介。

元法政大理事で、同センター事務局長の和田実一さん(67)によると、最近の志願者の中には、大学は安定した職場だとの錯覚を抱いたり、長期休暇が取りやすいと思ったりしている人が多いという。同センターは発足直後の今年3月、志望者向けのセミナーを開き、安易な気持ちで職員を目指さないよう、職員の仕事内容などを説明した。

(「求められる経営力…『プロの大学職員』育成」(読売オンライン)より。強調部分はマイスターによる)

というわけで皆様、ぜひプロを目指してください。

本ブログも、少しでもそのお役に立てるよう、がんばります。

以上、マイスターでした。

1 個のコメント

  • 私も「ジム」と呼ばれることにウンザリです。
    資料のコピー取りや議事録の作成、郵送業務など雑用をする下っ端・パシリとしかみていない教員もおります。
    「ジムなど賃金を下げて教員にやれ」など理事からもあしらわれる存在なのです。
    2ちゃんねるの「転職」の「大学職員」の板を見ていると情けなくなりますね。