気をつけよう、使わなくなったドメインの扱い

マイスターです。

これから先、教育機関は気をつけた方がいいかもなぁ、と思うトピック。
それは、ドメインの期限切れです。

まずは↓こちらをご覧ください。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「多々良学園高等学校:学校基本情報」(ナレッジステーション)
http://www.gakkou.net/cgi-bin/koukou/view.cgi?code=305143
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上記のリンクは、ある民間企業が構築した、「ナレッジステーション」という学校情報ポータルサイトのページです。
ご覧の通り、「多々良学園高等学校」という学校を検索した結果の画面です。

このページには、多々良学園高等学校webサイトへのリンクが張ってあるようですね。
さっそく、リンクをクリックして見てください(ただしリンクで飛んだ先は下手にクリックせず、見るだけにしておいてください)。

結果は……どうなりました?
↓こんなサイトが表示されませんでしたか?

tataragakuen←クリックで拡大します。

上記のようなサイトのことを、アフィリエイト・サイトなどと呼びます。広告だけで構成されていて、有益な情報は一切掲載されていない、無意味なサイトです。
訪れたユーザーが、何だろうと思ってメニューの中のリンクをクリックすると、外部のスポンサーサイトに飛びます。その際、スポンサーからサイト管理者へ、広告料が支払われるという仕組みです。

さて、一体どうしてこんなことになっているのでしょうか。

これをご説明するために、まずは多々良学園高等学校について知っていただく必要があります。

高川学園高等学校(たかがわがくえんこうとうがっこう)は、山口県防府市にある私立の高等学校。設置者は学校法人山口高川学園。旧称は多々良学園高等学校(たたらがくえん こうとうがっこう)で、全国高等学校サッカー選手権大会の常連校として知られる。

専門学支校として創立され、多々良学園高等学校時代は学校法人の理事・監事は全員曹洞宗の僧籍者によって占められるなど、長らく西日本における曹洞宗教化機関としての役割を果たしていた。平成16年より、男子校から男女共学化し、防府市台道へキャンパスを全面移転したが、その建設費用が曹洞宗宗門関係者の寄付を当てにした安易な資金計画であったことから経営の重荷となり、平成17年10月26日、設置者である学校法人多々良学園は民事再生法を申請した。その後、新生銀行の仲介により徳島市を拠点に「高川予備校」を経営するタカガワが再建スポンサーとなり、平成18年9月より現在の校名及び法人名にに改称した。一方、多々良学園建設に融資した山口・防府信金は損害額約12億円の支払いを求めて曹洞宗を提訴した。
(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

教育関係者なら、その名を一度はニュースなどで聞いたことがあるかも知れません。経営が行き詰まり、昨年10月に民事再生法を適用された高校です。

その後、タカガワという民間企業が同校の再建スポンサーになり、現在は「高川学園高等学校」という名称になっているのです。

生まれ変わった同校のwebサイトが、↓こちらです。

■高川学園高等学校
http://e-takagawa.com/tatara/index.html

さて、では先に見ていただいた「http://www.tataragakuen.com/」の意味不明なページは、いったい何だったのでしょうか?

既にお気づきの方もおられるでしょうが、「http://www.tataragakuen.com/」というドメインは、元々、多々良学園高等学校が公式webサイト用に取得し、運用していたものなのです。
民事再生法を適用されるまでは、「http://www.tataragakuen.com/」というURLで、同校のwebサイトが見られたのです。

しかし同校は経営破綻。
再建に乗り出したタカガワグループは、校名を変更しました。
新しく高川学園高等学校として生まれ変わった同校の公式webサイトは、「http://e-takagawa.com」という、タカガワグループが持つドメインの中に作成されました。
http://www.tataragakuen.com/」というドメインは、使われなくなったというわけです。

問題はそこからでした。

ドメインには有効期限が有ります。取得した後も定期的に更新料を払っておかないと、失効します。

使わなくなったとはいえ、「http://www.tataragakuen.com/」は、多々良学園高等学校の時代に親しまれてきたURLです。冒頭でご紹介したように、様々な学校案内サイトなどにも、まだ掲載されています。

にも関わらず、タカガワは、ドメインの更新をしなかったのです。

そこに、アフィリエイト・サイトを運営している企業が目をつけたのですね。
正式な手続きを経て、期限切れとなった「http://www.tataragakuen.com/」を取得し、アフィリエイト・サイトを展開したわけです。

おかげで現在では、多々良学園のことを知ろうと思ってやってきたユーザーは、よくわからない広告を見せられ、知らない間に企業の広告料金稼ぎの手伝いをさせられる羽目になっているのです。

こうした手口は、結構あるのです。ゼロから自分のwebサイトを作って広告を載せるよりも、既に十分世間に認知されているドメインを買い取り、そこに広告を載せる方が手っ取り早いし、確実ですからね。
ハッキリ言って、あまりほめられたビジネスモデルだとは思えません。一種の迷惑サイトです。ですが法には触れてません。ドメインを失効させた方に落ち度があるのです。

いくら校名を変えたとはいえ、長く認知されてきた学校のドメインで迷惑サイトを運営されては、たまりませんよね。ブランドイメージを傷つけることにもなります。タカガワグループは、このような事態を予見しておくべきでした。

現在、Googleで「多々良学園」と検索すると、検索順位1番として、↓このページが出てきます。

■「tataragakuen.comドメイン停止のお知らせ」(学校法人 山口高川学園)
http://www2.ocn.ne.jp/~tatara00/index.html

www.tataragakuen.comドメインは、高川学園高等学校とは関係のないドメインとなった事をご報告いたします。
上記のドメインのアクセス先は、本校と一切関係ありません。
ご迷惑をお掛けいたしますことを深くお詫び申し上げます。

またこのページは従来のホームページへ30秒後に自動でジャンプします。
ジャンプしない場合は、下記URLをクリックしてください。
(上記リンクより)

一応、多々良学園高等学校のことを調べているユーザーを正しいサイトに誘導できるように、こういった仲介ページを設けたのでしょう。ドメインをアフィリエイト・サイト業者に取られてしまったのは痛恨のミスでしたが、少しでも被害を減らそうとしてはいるようです。

とは言え、やはり一番いいのは、最初からドメインを手放さないことです。

今後は、学校の合併・統合や、<短大→大学>などの変更などに伴い、学校のドメインを変更する機会がこれまでよりも増えてくるかと思われます。
その際、使われなくなったドメインを、しばらくはきちんと管理し続けることが大切です。

皆様もお気をつけください。

以上、マイスターでした。

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※タカガワグループは、民事再生法を申請した「小樽短期大学」の再生も行うことになっています。

■民事再生法を申請した、小樽短期大学
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50235988.html

こちらは、今後も短大の名称は変えずに経営するとのことですから、ドメインも変わらないのかなと思いますが、もし変えるのだとしたら気をつけてください。