教育によって夢を実現していく、highly gifted な(アメリカの)子供達

マイスターです。

ちょうど一年ほど前、本ブログで、史上最年少の9歳で大学に入学した矢野祥君のことをご紹介しました。

・僕、9歳の大学生
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50056326.html

上記の記事を書く過程でマイスターは、
祥君の場合、IQ 200という「highly gifted」な資質もありますが、さらにそれを伸ばすように支えてきたご両親や周囲の教員達の存在も大きいのだろうな、
という印象を持ちました。

僕、9歳の大学生―父・母・本人、「常識」との戦い

詳しくは、上記の本をご覧ください。彼の才能もすばらしいけれど、周囲の対応がまたすばらしいのだということが、わかると思います。

彼の天才性に触れたある教師は、「私から習ってはいけない」と言って、彼のために別の教師を紹介します。
またご両親や大学の教授達は、本人の興味関心を伸ばしながら、ある部分では年齢に関係なく大学生として祥君を扱い、ある部分では年相応の子供として扱います。その対応が、見事だなぁと思えるのです。

上記の本は、祥君自身もいくつかの章を執筆しています。その文章を読んでいると、知能だけでなく、精神の面でもすばらしい若者として成長しているのだなと思えます。

そんな矢野祥君に関連する記事を、意外な形で見つけました。

【教育関連ニュース】—————————————–

■「9歳と10歳の子供を大学に入学させた天才兄妹が話題…米国」(中央日報)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=79458&servcode=400&sectcode=420
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韓国「中央日報」の記事です。
なんと祥君の妹、さゆりさんも、兄同様の天才性を持った子であったらしく、10歳でアメリカ、トルーマン大学に入学したとのことなんです。

9歳のときに米国国内最年少大学生になった兄に続き、妹も10歳で大学に入学した天才兄妹が米国で話題になっている。
主人公は日本人の父と韓国人の母の間に生まれた矢野祥君(15)とさゆりさん(10)。祥君は母親の陳慶恵(チン・ギョンヘ)さんが書いた本『私はリトル・アインシュタインをこう育てた』(中央M&B刊)が2001年に国内で出版されるとベストセラーとなり、大きな関心を集めた天才だ。
妹も兄に劣らない天才性をもつ。さゆりさんは9月の初めにトルーマン大学に入学する。英作文と微分幾何学などの講座を受講する予定だ。ピアニストを夢見るさゆりさんだが、最近、兄のように医者になることに考えを変えた。トルーマン大学で教養課程を勉強した後、医大に進学するという計画だ。この天才少女に入学してもらおうとシカゴ大学では学長が直接名乗りを上げ、兄が卒業したロヨラ大学でも誘致活動をしているという。さゆりさんは「立派な心臓外科専門医になって人々を助けたい」という抱負を明らかにした。正規学校には5歳のとき、1年しか通わない彼女は兄さんのようにホームスクールで提示する学士課程によって家で勉強した。68単位を履修して卒業試験をパスし、今度大学に進学することになったのだ。
(上記記事より)

矢野家の教育方針のすばらしさ(英才教育に走るのではなく、あくまでも本人の関心を伸ばすようにサポートする)については、以前の記事でご紹介しました。妹さんもそんなご両親の元で育てられているわけですから、何も心配要りませんね。将来が楽しみです。

ところでマイスター、お兄さんの祥君については前回のブログを書いた際に、「12歳で医科大学院(メディカル・スクール)に進学した」ところまでご紹介していました。今回の報道では、祥君の「その後」の活躍を知ることができました。

兄は「リトルアインシュタイン」という別称にふさわしく、最近研究成果を続々と出している。シカゴ医大博士課程3年次である祥君は、新たなたん白質を見つけ、昨年特許も申請した。彼の見つけた物質は耐性を無くすことができるため、抗生物質に使うことができると評価されている。祥君は最近また別の新しいたん白物質を見つけたということだ。彼はシカゴ大学が運営中のメディカルサイエンティスト課程を踏み、この課程を終えれば神経学を専攻し、研究と患者治療を並行するという夢を持っている。
(上記記事より)

祥君は現在15歳とのことですが、博士課程3年生で、次々とめざましい研究成果をあげているようです。

実は、今回皆様にご紹介したかったのは、どちらかというと、ここなんです。

日本の大学飛び入学制度は、今のところ「高2から大学へ」という範囲でしか認められておりません。短縮できるのは、1年だけです。
例えば、「12歳の段階で大検に合格して、そのまま大学へ入学」といったことは認められておりません。たとえ十分な学力があったとしても、原則として、18歳まで待たなければならないのです。

「大学での学びは、18歳以上でないと耐えられないんだ。だから、あんまり早くに入学するのは、本人のためにならないんだ」という前提なんだろうな、と、マイスターなどは思います。「教育的配慮」のつもりなのかも知れませんが、しかし、この前提には何か違和感を覚えます。だって、個々人の能力がどうであるかよりも、とりあえず「18歳」であるかどうかが重要だ、という意味ですからね。

「あんまり早くに大学に入学するのは、本人のためにならない」とか、「あまり早くに大学を卒業しても、意味はない。18歳になるのを待ってからでも遅くないじゃないか」とかいった「教育的配慮」が、日本には数多く存在しているように思います。
しかし矢野祥君の活躍を知ると、こういった日本社会の「配慮」の数々は、実は「世間の平均」しか知らない人の発想でしかないんだよなぁと思えるのです。

本当に資質のある人というのは、本人が望むレベルの教育を早期から存分に受けることで、我々の常識をはるかに越えた成果を上げるのですね。
矢野祥君は15歳にして、博士課程という、創造的な学びをする段階に既に達しています。さらに研究でもめざましい成果を出し、特許を取得しています。
飛び級生が、まだまだ単なる「受験エリート」くらいにしか考えられていない我が国では、こういったことは想像しづらいかも知れません。

・飛び級制度と学力観
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50038115.html
・教授は50代以上じゃなきゃダメ!? 公募の年齢制限
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50037994.html

↑上記の記事で取り上げたのですが、例えばアメリカのコンドリーザ・ライス国務長官は、19歳で大学卒業、20歳で修士号を取得し、26歳でスタンフォード大学教授に就任しています。優秀な人が存分にその能力を発揮できる社会だと、国家を支えるブレーンにもこういう人を入れられるのですね。

日本社会においては、我々の「常識」が、実はこういったhighly giftedな人たちの可能性を摘み取っているんだろうなと思います。

考えてみれば、教育現場だけじゃないですよね。
日本では、大人になっても、若い人間が年長の人間より高い位置につくことを嫌う人が多いです。

「25歳には、25歳にふさわしい言動や仕事がある」
「30歳には、30歳にふさわしい言動や仕事がある」
「40歳には…」

という年齢主義は、まだまだ社会の中に根強く存在しています。

アメリカで、祥君の妹、矢野さゆりさんが進学するにあたり、各大学が誘致活動をしているというのは、アメリカが「多様性」を重んじる社会だということのあらわれだと思います。
誘致をするのは、何も「10歳の大学生がいる大学」というPRのためだけではありません。周囲の学生達にとっても、年齢や環境が異なる同級生と一緒に学ぶというのは、大いに刺激になるのです。実際、お兄さんの祥君は9歳で大学に入学した後、12歳で医科大学院(メディカル・スクール)に進んでいます。周囲の学生にとって、彼の存在がどれだけ刺激になったことでしょうか。
多様な年齢の学生が、多様なペースでそれぞれ学ぶ。それが大事なのです。そこに価値を見いだしているから、特殊なバックグラウンドを持った「天才」も、歓迎するのでしょう。

日本は今でも、なんだかんだ言って「均質性」が何より重んじられる社会であるように思います。

マイスターは、非常に複雑な思いではありますが、でも現時点ではこう断言できます。

祥君、さゆりさんが、日本の教育システムに入らないで本当に良かった……と。

願わくば日本も、こういったhighly giftedな方々の夢を支えてあげられる国にしたいですね。

以上、マイスターでした。

1 個のコメント

  • 『僕、9歳の大学生』を読んだ者です。
    小百合ちゃんのその後が気になって検索していたらコチラへ辿り着きました(^O^)
    ありがとうございました\(~o~)/♪