<食育を考える(1)> 給食指導の功罪

毎日、昼食は学食で食べるマイスターです。

一人暮らしをしていると、「いかにして栄養を過不足無く摂取するか?」が大きなテーマになりますよね。

前の職場(webプロダクション)にいた頃は、人が少なかったので、ゆっくり外でお昼を食べるゆとりはありませんでした。
近くの牛丼屋でかっこむか、コンビニのおにぎりを買ってきて、デスクで仕事しながら食べるかという感じでした。
夜も遅く、帰れる頃にはスーパーは閉まっていましたので、やっぱりコンビニ弁当や、インスタント食品に頼りがちでした。
たまごのっけチキンラーメン、もう何食食べたかわかりません。

現在、マイスターの栄養環境は充実しています。
ひとえに、「学食」のおかげです。

勤め先の学食は、おかず、ごはん、サイドメニューを自由に選んで、最後に会計するスタイルなのです。
「ほうれん草のおひたし」や「おから」等の小鉢が充実しているので、便利です。

マイスターは自炊します。料理はわりと好きです。
でも、「ほうれん草のごま和え」なんて、一人暮らしじゃなかなか作りませんよね。
栄養が欠けているなと思った時、補充できるのは便利です。

マイスターが学食が大好きですが、そう思える背景には、小学校の時の「給食」の良いイメージがあるのだと思います。

給食が楽しみなタイプの子供でした。
あ、家で飢えていたというわけではありませんよ! 食事の楽しみ方を知っていた、ということで。
比較的、好き嫌いがない方でしたので、おかずはほとんどおかわりしてました。
給食は楽しかったです。

一方で、「給食指導」という言葉もありましたよね。
とにかく、何が何でも給食を完食させるという指導でした。
好き嫌いが多かったり、体質的に食べられない食材が多い子供にとっては、つらくて嫌な時間だったと思います。

<昼休みの間、ひとりだけ机に座ったまま、給食のトレーを前にうつむく子供>

という光景は、誰もが一度は見たことがあるのではないでしょうか。

好き嫌いをなくす指導はもちろん大切ですが、食べることの楽しみが理解できない子供になったり、給食の時間が苦痛で学校に来なくなったりする子供になったりしては、いったい何のための指導なんだと、マイスターなどは思うわけです。

【教育関連ニュース】——————————————–

■「給食無理強いでPTSD 再発で学校側過失認め賠償命令」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/edu/news/OSK200511040067.html

■「食物アレルギー事故、給食で年250件 全国の小中調査」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/health/news/TKY200512090387.html
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最初の記事は、昔ながらの給食指導で、子供がPTSDになったという報道。

このニュースに関して、様々なブログを見ると、意見が割れているようです。
学校側に同情的な意見として目立つのは、
「好き嫌いをなくすように指導するなんて当たり前。そんなのでPTSDになるようなら、学校は何もできない」
というものでした。

しかしマイスターは、

○男児は発達障害の影響で味覚が過敏で給食のおかずが全般に食べられなかった。
○にもかかわらず、保育園の保育士に「お化けがいる倉庫に入れる」などと脅され、PTSDを発症し、知的障害児の施設に移ったという経緯がある。
○母親は入学前に、学校側にこうした男児の状況を説明していた。

といったことが前提にある以上、やっぱり学校側に責任がないとは言えないんじゃないかと考えます。
これだけ特殊な要因があるなら、その子を他の子供と同じように指導すること自体が疑問です。

ただ、どうも裁判の争点は、
「母親は、入学以前、学校に子供の症状のことを伝えたが、学校がそれを担任に周知させていなかった」
というあたりにあるようですね。
そして「母親の説明も不十分だった」と裁判所が言っているあたり、実際、情報を詳しく伝え切れていなかったのかもしれません。

つまり、コミュニケーションの問題?

実際にどのような連絡が行われたか存じ上げませんので、あくまで推測でしかない範囲で考えを述べますと、この保護者は子供の症状についての医療機関の診断書や、「こうして欲しい」という要望書を、果たして学校に提出したのでしょうか?
提出していたなら、裁判所は「説明不十分」とは言わないでしょうから、おそらくしてなかったのではないかな、と思うわけです。

で、学校も、口頭であれ、一度は確かに保護者から、こうした問題があることを聞いていたわけです。
それを、正式な記録として残さなかったのでしょうか?
残していれば、これまた、「説明不十分」とは言われないように思います。校内カルテのような形では、残してなかったのではないでしょうか。

いずれにしても、双方ともに「食事」を軽んじてはいなかったかと、ちょっと疑問を感じます。

見た目にわかりやすい症状や障害であれば、おそらくもっと双方とも真剣に取り組んだと思うのです。
その子は何ができて、何ができない、ということを、個別に検討したと思うのです。

「たかが食事」という意識が、今回のような事件の背景はあるのではないでしょうか。
このケースの場合、子供はPTSDという、れっきとした医学的な症状を発症する危険性があったわけです。
にも関わらず、保護者は、直接担任にはこうしたリスクを伝えていなかったようですし、学校は保護者から聞いたことを十分に担任に伝えていなかった。
四肢の障害なら、おそらくこうしたことがなされていただろうと思うと、残念です。

なんだか、食事の重要性が軽く見られているような気がします。
それこそ、「栄養さえ十分に取らせればいい。残すのは悪」というレベルの指導ではありませんか。
もしかすると、食事に関しては、

「自分が子供のときに言われたことしか教えられない」

という、プロらしからぬ状態が、一部の現役教師の中で見られるのかも知れません。
食育の重要性が叫ばれるのもわかります。

もうひとつの記事は、小中学校の給食による食物アレルギー事故が年間250件以上起きている、という報道です。

○アレルギーの問題があることが事前に分かっていながら対象の子どもへの食材除去対策が取られていなかった例が10件
○作り手のミスなどで原因食材が混入していた例が63件

とのこと。
原因がどうあれ、ヘタをすると子供の命が危険にさらされる問題だってことには違いありません。
栄養士だけでなく担任教員がアレルギー問題に気を配っていれば、防げたケースもあっただろうと思います。
食育は、子供だけでなく、子供に接する私達大人に必要なのかも知れませんね。

というわけで今日からしばらく、学校の給食実態と、「食育」とについてご紹介します。
食育基本法は、メディアで紹介されてはいましたが、実のところ詳細はあまり知られていないような気がします。

そのあたりも、詳しくご紹介できればと思います。
本日は、導入記事ということで、ここまで。

以上、マイスターでした。

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今日も、最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

<関連記事>
・<食育を考える(2)> 食育基本法ってどんな法律?
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50113871.html
・<食育を考える(3)> 食育の現場で活躍するスペシャリスト達
http://blog.livedoor.jp/shiki01/archives/50114402.html

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