大学プロデューサーズ・ノート

大学の「いま」について、一緒に考えましょう

大学の「いま」を読み解く

このブログについて思うこと

久しぶりにブログを書かせていただきます。

このブログは2005年頃からスタートし、1500日間連続で投稿した後、ここしばらくはすっかり更新されなくなっています。
理由は単純で、ありがたいことに「リアルが充実してきたから」です。

以前は大学職員として働きながら、自分の業務を行いつつ
「本当はもっと、大学はこんな手を打った方が良いのに!」
「このニュースは、実はこんな背景があるのに!」

……などと、いつも一人で考えては、悶々としていました。

その悶々とした想いを毎晩、2〜4時間くらいかけて、ブログ執筆にぶつけていました。
(それが1500日間続きました。どれだけため込んでいたのかって話です……)

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留学生を対象にした東大新コース、合格者7割が入学辞退

数日前のニュースですが、こんな記事が話題になっていました。

■「東大合格者7割、入学辞退 日本最難関『滑り止め』に」(47NEWS) 

主に外国人留学生を対象に、受験も授業も英語で行う東京大教養学部英語コース(PEAK)への合格者の入学辞退率が年々高まり、2014年度合格者(同年10月入学)の7割近くが東大を蹴って外国の有力大に進学したことが28日分かった。文部科学省が日本の主要大学の国際化を急ぐ中、最難関大が「滑り止め」にされる現実は、優秀な留学生獲得を目指す世界の大学間競争の厳しさを示しており、関係者は危機感を募らせている。
(上記記事より)


この記事の書かれ方に、ふたつのことを感じました。

今後、東大が世界中から優秀な学生を集めるグローバル大学になろうというのなら、この気づきは避けて通れなかったでしょうから、今わかって良かったのではないでしょうか、というのが第一です。

第二に。以前ブログにも書いたのですが、アメリカの難関大学だって、それなりに合格者を逃がしています。
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予備校や偏差値がなくなれば、教育は良くなるか?

茂木健一郎さんのTwitterでの発言が、様々なところで議論を呼んでいるようです。

リツイートの回数からもその反響の大きさが伺えます。facebookなどでも、彼のこの発言を巡り様々な議論が行われているようです。以下のような記事も出てきました。

■「有名受験予備校を名指しで『つぶれろ!』茂木健一郎氏の偏差値入試批判がネットで物議」(J-CAST NEWS)

反響の大きさからか、その後、いくつか補足のツイートもされています。一連のツイートが以下にまとめられていますので、ご興味のある方はご覧ください。

■「茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1189回【ぶっつぶせ、偏差値入試!】連続ツイート」(togetter)

自分も、様々なところで高校生に進路の話をし、彼らの進路づくりの支援となる活動を行っておりますから、茂木さんの言いたいことはよく分かります。続きを読む

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志願者の数や入学歩留まり率の比較記事から感じる、大学広報の問題点

日本の大学の広報について考えさせられる記事を見かけましたので、話題提供として……。

■「関西私大はブランド力不足? 入学割合2〜4割」(MSN産経ニュース)

入試に合格しても、最終的に入学しない人は少なからずいます。複数の大学に合格して他大学を選んだ、浪人して別の大学を受け直すことを決めたといった理由です。
合格者のうち、自校を選んで入学してくれた人の割合が、入学歩留まり率です。

この記事は早稲田大学、慶應義塾大学や、同志社大学、関西学院大学など東西の有力私立大学の、入学歩留まり率の比較結果を報じたもの。引用されているのは、NPC大学問題研究所の調査結果です。

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3/29- 「専攻したい学問分野」を高校生は重視している? とか

ニュースなどについての意見を、自分のfacebookアカウントで発信しています。



一週間の間に書き込んだ内容の中で、特に反響が大きかったものを、備忘録的にブログのエントリーとしてアップしています。それぞれの記事に対するコメントは、ぜひfacebookの方にお寄せください。
ベネッセ教育開発センターの調査結果。大学受験の志望校選びで最重視することとして、親子ともに8割近くが「専攻したい学問分野があること」を挙げているそうです。

■「大学受験の志望校選び、約8割の親子が『専攻したい学問分野があること』を最重視」(リセマム)
■「高校データブック 2013」(ベネッセ教育開発センター)

↓類似の調査結果は毎年、リクルートも出しています。
■「高校進路指導の困難の要因、引き続き「家計面の問題」がトップ 大学・短期大学に期待することは「わかりやすい学部・学科名称」 ー高校の進路指導・キャリア教育に関する調査ー(PDF)」(リクルートマーケティングパートナーズ)


こうした調査の結果や、それを報じる記事を読んで、

「そうか、高校生達は自分のやりたい学びをもとに、学部・学科を選べているんだ」

……と判断するのは、ちょっと待ってください。なぜならこの中には、学部名の響きなど表面的な情報だけで判断し、誤解をしているケースも多数、含まれているからです。

「心理学科志望」と語る高校生と5分話したら、5分後には経済学部や教育学部志望になっているなんてのは、珍しくありません。高校生が最初に口にする志望学科にはミスマッチの可能性が含まれています。ですから、進路に関する体験や対話の時間を設け、実際に大学の授業を受けてみたり、周囲の人が様々な角度から問いかけたりすることが大切なんです。
(それが十分でないまま受験まで突き進むから、色々ミスマッチが起きているのではないでしょうか。突き進ませてきた私たち教育関係者にも反省点は多いですね)

逆に言うと、ちゃんと対話の場をつくれば、それだけで高校生の進路選択は変わるんです。そういう事実は、こうした調査結果には表れてきません。ですから大学や高校の皆様は、こうした調査結果を読むときはぜひ、慎重になってください。

ちなみに「理高文低」といった一連の調査結果も、そういう意味では気をつけた方がいいもののひとつです。私はこういった調査を、「誤解してるかもしれない高校生の行動結果」くらいに受け止めています。大学はこうした調査結果に合わせ「誤解してるかもしれない高校生」を必死に追いかけて学部を再編したりするのではなく、誤解を解くための取り組みをまずしてみてください。
その方が絶対に、得られるものは大きいと思いますよ。

ちなみにWEEKDAY CAMPUS VISITも、その具体的な取り組みの一つです。ぜひ一緒に、高校生の誤解を解きましょう。普段の大学の授業を教材にして、高校生と対話をし、気づきを生み出すプログラムです。これが全国の大学で実施されれば、高校生の進路選択は間違いなく変わります。

■WEEKDAY CAMPUS VISIT
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3/24- 看護系の差別化に必要なこととか、学生募集に必要なこととか

最近はいつも、ニュースなどについての意見を、自分のfacebookアカウントで発信しています。



フォロー(フィード購読)してくださっている方とは、リアルタイムで色々情報交換できるのですが、ブログのように誰の目にも触れるようにはなっておりません。
そこで、一週間の間に書き込んだ内容の中で、特に反響が大きかったものを、備忘録的にブログのエントリーとして、残しておくことにしました。それぞれの記事に対するコメントは、ぜひfacebookの方にお寄せください。
【3月24日】
高校生の周りには進路に関する情報があふれています。
過剰なほど、といっても良いかもしれません。

しかし、彼らに必要なのは情報よりも「気づき」ではないでしょうか。

「気づき」を持ち帰るためには対話が必要です。
その体験と対話の組み合わせが、WEEKDAY CAMPUS VISITの最大の特徴です。
大学の授業を体験すると同時に、その意味について問い、問われる時間を設けているのです。

これは、従来の「進路指導」に欠けがちな部分でした。
高校だけでは対応に限界がある部分、と言い換えてもいいでしょう。
大学という場の力を使いながら、この「気づき」のための指導を行うのが、WEEKDAY CAMPUS VISITです。

それゆえ単なる大学広報ではなく、「高大接続」の取り組みと称しているのです。
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国際バカロレア(IB)認定高校を5年間で200校に?

突然ですが下記は、2005年の、日本とフィンランドの、公立学校の授業時間を比較したものです。(数字は、「Education at a Glance 2007」から引用しました)

japan-finland


2003年、2006年に行われた「OECD生徒の学習到達度調査(PISA)」で、日本のランクが低落し、社会的に大きな議論を巻き起こしたのは、記憶に新しいところ。このときは、多くの項目でトップクラスの結果を出したフィンランドに、多くの教育関係者が注目していました。

当時、日本の低落の最大の原因とされたのが、「ゆとり教育」。中でも、以前に比べて授業時間を減らしていたことへの批判は大きく、「ほれ見たことか、授業時間を元通りに長くしなければ、日本は凋落し続けるぞ」といった主張を、様々なところで耳にしました。

でも当時、すでに日本の授業時間は、フィンランドよりもずっと長かったのです。
いま思えば、これでどうして「授業時間を長くしろ」という主張が出てきたのかが、むしろ不思議です。

問題は授業時間の長さではないのですから、本当なら、教育のやり方や教育目標の設定について、日本は見直しを行うべきだったのです。それなのに、「授業時間」という、わかりやすい指標に論点が単純化されてしまったのですね。
「教育のあり方自体を見直す必要がある」という意見はきっと、「そうは言っても、現行のシステムを大きく変えるのは無理だよ」という空気の中で、どこかに追いやられてしまったのでしょう。
教育を変えるのは、なかなか大変です。


さて最近、興味深い報道がありましたので、ご紹介します。続きを読む

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東京大学 秋入学への「全面移行」を検討

東京大学が、「秋入学」制度の導入を検討していることは以前から報道されていますが、その中間報告が、早くも話題になっています。
入学時期の見直しを検討していた東京大学(浜田純一学長)の懇談会が、学部の春入学を廃止し、国際標準である秋入学への全面移行を求める中間報告をまとめたことが17日わかった。入学試験は現行通り春に行う。国際化の推進と、入学前の学生に多様な経験を積ませることなどが狙い。中間報告は早期実現を求めており、東大は学内論議を活発化させ最終方針を決める。

中間報告(まとめ)が、他大学の入学時期や企業の採用活動、国家試験の実施時期などの論議に一石を投じるのは確実で、既に一部大学に追随の動きがある。懇談会は「検討と行動に『待ったなし』のスピード感が求められている」としているが、東大内には異論もあり、学内の合意形成に向け執行部の指導力が問われる。合意が得られた場合、実現は数年後になりそうだ。
「東大、秋入学に全面移行 懇談会が早期実現提言」(日本経済新聞)記事より)
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大学入試センター試験のトラブルは誰の責任?

先日行われた、平成24年度大学入試センター試験。その志願者数は、事前の公式発表によれば、実に55万5,537人。この55万人以上の受験生が、全国709箇所の本試験場で受験したことになります。

大学職員として働いていたときは、私も所属する大学で、センター試験運営の末端を担当しました。経験したのは、事前の試験問題冊子の搬入や、試験答案の枚数チェック、試験監督(補助)などです。

以下、大学関係者には改めて言うまでもありませんが……。
大学入試センターが用意するマニュアルはきわめて詳細で、試験会場の監督官が試験問題を取りに来る時間まで指定する徹底ぶり。問題が発生した場合の対応も、複数通りのフローチャートで説明されています。また各会場の担当者は、本部に設置された電話で、大学入試センターに随時、指示をあおげる体制になっています。

他の会場がどうかは知りませんが、私がいた大学では試験が行われるすべての教室に、秒単位で時間を合わせるための電波時計を配置していました。全国数百カ所の試験場に、数十ずつは設けられているであろう試験会場(教室)で、文字通り「一斉」に試験開始の合図が出されているというシチュエーションは、想像すると、ちょっと異様にも思えるほどです。

センター試験が、我が国の中では他に類をみない、国を挙げての特殊なイベントだということを実感しました。
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一般入試とAO入試を、スポーツチームの入団試験にたとえる

スポーツチームが選手を獲得する場面を想像してください。
ここに、2つの方法があります。続きを読む

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倉部史記


NPO法人NEWVERY理事、および高大接続事業部ディレクター。広報プロダクションでプロデューサーとして働いた後、私立大学職員、予備校の総合研究所・主任研究員および大学連携プログラム等のプロデューサーなどを経験。フリーランスとして高校・大学・社会の接続に関するプロジェクトや、高校生向けプログラムの運営、大学職員の研修などに取り組み、2016年2月より現職。各メディアで大学に関する解説や情報発信もしています。

ご相談やお問い合わせは、以下のサイトにてお受けしております。
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■著書
・看板学部と看板倒れ学部 大学教育は玉石混淆(中公新書ラクレ)
・文学部がなくなる日 誰も書かなかった大学の「いま」(主婦の友新書)


■ソーシャルメディア
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