『大学は美味しい!!』 フェア(3) 大学の情報をイベントで発信

マイスターです。

■『大学は美味しい!!』 フェア(1) 「味」を通じて大学を知ろう!
■『大学は美味しい!!』 フェア(2) 大学はやっぱり美味しかった!

二日間にわたり、『大学は美味しい!!』 フェアの取材レポートを掲載させていただきました。
フェア自体の最終的な動員数はわかりませんが、相当な人数の方が、「大学発食品」に触れたのではないでしょうか。

マイスターが行った日も、かなりのお客様が来ていました。
このイベントを目当てにして新宿を訪れたという方(大学関係者とか?)もいれば、高島屋で買い物をしていて、偶然イベントのことを知り、立ち寄ったという方もいたでしょう。

いずれにしても、「大学の食」の集客力はすごい、と多くの方が思ったのではないかと思います。

会場に足を運んだ方々には、「独創性」を期待して来た方も多かったでしょう。
イベントの宣伝ポスターには、東京農業大学の「エミュー」の生どら焼きの写真が掲載されていました。
あのように、一般人が思いもつかないような食品があるのだと思うと、わくわくしますよね。それが食べ物であるのなら、なおさらです。「味わってみたい」という好奇心を刺激されて、会場に来た方は、少なくないと思います。
(そして実際、多くの食品が、その期待に応えていたと思います)

また、誰もが食に不安を抱える時代ですから、大学が作り出す食品の「実直さ」に惹かれたという方も、結構いらしたのではないかと個人的には推測します。
「教育活動の一環として生産しているものであるに、ウソがあるはずがない」というイメージを持って、来店したという方もいるのではないでしょうか。
(これも実際、その通りですので、多くのお客さんが満足して帰られたのではと思います)

参加大学の広報力は、あなどれません。
今回は各参加大学とも、webサイトなどで熱心にアピールをされていたようです。

■「読売新聞(1月15日)に掲載『ちば特上ピーナッツバター』 メルカード東京農大 ・ 2月16日(土)~2月20日(水)『大学は美味しい!!』フェア出店及び商品のTV紹介お知らせ」(東京農業大学)
■「『大学は美味しい!!』フェアに出店します!」(農大市場ブログ)
■「『大学は美味しい』んです!!!」(農大市場ブログ)

■「2008年2月16日~20日 高島屋新宿店『大学は美味しい!!フェア』に出展」(佐賀大学)

■生活環境学部現代GP奈良漬プロジェクトが開発に関わった『奈良のご当地アイス』髙島屋新宿店(東京)にて販売。奈良漬レシピ集も配布します。」(奈良女子大学)

■「『大学は美味しい!!フェア』に、参加します!」(新潟大学)

■「日本初!『大学は美味しい!!』フェア 2月16日~20日、新宿髙島屋に出展」(高崎健康福祉大学)
■「小学館『DIME』・髙島屋共同企画 『大学は美味しい!!』フェア開催中」(高崎健康福祉大学)

■「『大学はおいしい』フェアに『高嶺ルビーはちみつ』を出展」 (信州大学)

■「小学館DIME『大学は美味しい!!』フェア出展のお知らせ」(近畿大学)

■「『大学は美味しい!!』フェアに出展します(2月16日~20日。新宿高島屋 11階催事場)」(北里大学)

■「小学館DIME『大学は美味しい!!』フェアへ本学も出展」(崇城大学)

こうして、各大学がそろって関係者に告知すれば、全体ではかなりの情報発信力になるはずです。

例えば地方の大学でも、卒業して首都圏で暮らしている卒業生などにとっては、母校の取り組みに触れられる、嬉しい機会ですよね。家族連れで訪れても楽しかったと思います。
(実際、家族連れはちらほらと見かけました。週末はもっと多かったと思います)

例えば、母校の食品を子供と一緒に食べながら、
「これ、お母さんが勉強していた大学の先生が作ったのよ」
なんて、ちょっと誇らしげに語る母親……想像すると、なんだか素敵じゃありませんか?

実際、同窓会サイトでこのイベントを告知している大学もありました。

■「〝カナストーリー〟 と 〝いしかりバーガー〟が東京の百貨店で味わえます!(^^)!」(藤の実会(藤女子(専門学校・短期大学・大学・大学院)同窓会)
■「北水同窓会(北海道大学 水産学部 同窓会)」

大学にとっては、今回のフェアは、学園関係者の愛校心を高められるチャンスだったわけです。

会場が新宿のデパートの催し物広場、というのも絶妙でした。
駅から離れた大学キャンパス内とか、学会会場とかでは、こうはいきません。
いや、例え駅から近くても、大学キャンパスでは成功しなかったでしょう。一般の方々は普段、そんなに大学に足を踏み入れたいと思いませんよね。

このおかげで、「どれだけ世間一般の人が、実は『大学』という組織に関心を抱いているか」を、大学関係者の方々は、肌で感じることができたのではないでしょうか。

実際、会場では、おそらく普段は「み○もんたの番組は観ても、大学の研究レポートに触れる機会はないだろうなぁ」という層の方々が、楽しそうに各ブースの方々から話を聞いていました。
大学側は、普段はあまり直接に意見を聞く機会がない一般生活者の方々から、質問や感想を集めることができたと思います。

今回のイベントの最大の目的は、社会に対して大学の取り組みを伝えることですから、この点でも、デパートでの開催は大正解だったと思います。

お客様とのコミュニケーションでは、特に学生さん達の活躍が光っていました。
どの大学の学生さんも、接客の仕方はうまいですし、研究に対する質問にもしっかり答えていました。
よく見ると、人の流れがとぎれたときに、先生や先輩に「さっき、こういう質問をされたんですけど……」なんて、必死で知識の補充をしている様子も見受けられ、ちょっとほほえましかったです。

また各大学とも、ブースのデザインや店員(大学関係者)の方々の服装などに工夫を凝らし、PRに務めていました。

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↑例えば、食品の紹介リーフビラはもちろんのこと、レシピなども用意した奈良女子大学。

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↑現代GPの成果物でもあるので、その辺のパンフもしっかり置いてありました。
大学キャンパスの様子を写真のアルバムのような形で紹介する「Photo Message」も好評だったみたいです。

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↑これは北里大学の例。

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↑食品の中に同梱される、ちょっとした説明書きにも工夫が凝らされていました。
上記は、日本大学国際関係学部の「みしまいっパイ」に入っていたもの。

どの大学も、非常に力の入ったPRを行っていたように思います。
(店舗の様子に関しては、前回、前々回の記事もあわせてご覧ください)

でも、大学関係者だけの身内のイベントとして、単純に研究成果を持ち寄っただけでは、おそらくこんなには盛り上がらなかったでしょう。

やはり、この盛り上がりは、DIMEの連載が企画があったからこそ。
またその上で、「それを全部食べさせたら面白いんじゃないか?」というアイディアを実現させた人がいたからです。
これは誰もが認めるところだと思いますが、仕掛け人であるライター、佐々木ゆりさんの功績はとても大きいです。

また、このイベントはDIME誌の他にも、メディアを通じて多くの人に紹介されました。

■「大学の美味いかが 24校が研究成果を即売 20日まで」(Asahi.com)
■「大学ブランド 道内勢も奮闘 東京で物産展」(北海道新聞)
■「都内で新大など大学名物展開幕」(新潟日報)
■「ガゴメ製品40品紹介…16日から東京で『大学ブランド食品』物産展」(eHAKODATE)

おそらく主催者側が、きちんとプレスリリース等を送り、取材を集めた結果だと思います。
ただプレスリリースを送っただけではなく、メディアへの取材対応もしっかりされていたようでした。

マイスターも今回、会場で取材の許可をいただいて、インタビューや写真撮影などをさせていただいたのですが、「取材させていただきたいのですが」と受付で申し出た途端、すぐに主催者の方(おそらく佐々木さんご本人)がいらして、自ら会場の概要を案内しながら、色々と熱く語ってくださいました。
(売り上げナンバーワンの大学ブースはここなんですよ、みたいなことも教えていただきました。どの大学が一番かは、敢えてここでは書きませんので、皆さんのご想像にお任せします)

もし大学関係者だけでこういったイベントを企画・運営していたとしたら、果たしてこういった対応ができただろうか、と、マイスターは考えてしまいました。
こういった地味な、しかしとても大事な部分を主催者の方々が担っていらしたのだということを、参加大学の方々にも知っていただければと思います。
「研究内容が素晴らしかったから自然に人が集まってきた」、なんてことではないのです。

主催者発のプレスリリースは、↓こんなところでもちゃんと紹介されています。

■日本畜産学会からのお知らせ
■全国大学附属農場協議会:「小学館DIME『大学は美味しい!!』フェア」開催のお知らせ
■「『大学は美味しい!!』フェアに出かけよう!」(食育プロデュース委員会)

ちゃんと、関係学会などを通じて、プレスリリースが紹介されるように手を打たれたのでしょう。
広報担当者にとっては、見習うべき部分がありそうです。

そんなわけで、様々な方々の協力により、大成功した(と思われる)今回のフェア。
研究室の研究成果に、学生の力や大学のPR力、そして企業の企画・運営力&情報発信力が加われば、小規模であっても、けっこう色々なことができてしまうのだと思います。
今回の取り組みは、その一例になったのではないでしょうか。

以上、マイスターでした。

※この記事は、現役高校生のための予備校「早稲田塾」在籍当時、早稲田塾webサイト上に掲載したものです。