ニュースクリップ[-11/18]「仏教学部、45年ぶり復活 佛教大、『看板』全面に人材育成」ほか

マイスターです。

日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。

京都にが仏教学部が。
■「仏教学部、45年ぶり復活 佛教大、『看板』全面に人材育成」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007102300159&genre=G1&area=K1A

「仏教」を掲げる大学の学部や学科が全国的に減少する中、佛教大(京都市北区)は23日、2010年度を目標に、仏教学部を新設すると発表した。現在、仏教を総合的に学ぶ文学部人文学科の「浄土・仏教コース」があるが、改組して仏教学部として独立させる。佛大は、1965年に仏教学部を文学部に改組しており、45年ぶりに看板学部の復活を目指す。

(略)佛大は、2004年に文学部内にあった仏教学科を人文学科に統合している。仏教学部復活の理由について、福原隆善学長は「仏教の専門家が少なくなっており、次代を担う人材の養成が大学の使命である」とした上で、「学科の垣根をなくして他の専攻からも仏教に関連した科目を学びやすいようにしたが、逆に専門性が薄れ、仏教の基礎研究が希薄になった」と説明する。今後、学内の委員会で、カリキュラムなどを検討する。

国内の大学で、仏教学部を設置しているのは、種智院(伏見区)、駒沢(東京都)、立正(同)、身延山(山梨県)の4大学しかない。うち種智院大は本年度で人文学部への変更を決めている。福原学長は「他大学との差別化も図れるのではないか」としている。

(上記記事より)

京都から「仏教学部」が無くなってしまうこと、そして今や日本は仏教学部より神学部の方が多い国であるということを、以前の記事でご紹介しました。

(過去の関連記事)
・京都から「仏教学部」が消える(2007年05月30日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50316795.html
・嫌われる「仏教学部」 (2007年07月30日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50331054.html

でも佛教大学のおかげで、とりあえず京都の「仏教学部」は残りそうです。
他大学が仏教学部を無くす方向にある中、あえてこういった選択をされたことが、また他の大学にも影響を与えていくかもしれません。

仮想空間で面接練習?
■「Second Life で企業面接の練習〜フォスターネットなどが支援」(japan.internet.com)
http://japan.internet.com/wmnews/20071116/4.html

フォスターネットは、2007年11月16日、産業技術大学院大学、首都大学東京との共同研究として Second Life 上に新卒・転職者向けの企業面接支援システムを構築したことを発表した。

一般公開に先駆けて日本 e-Learning 学会へ論文を提出し、12月1日に学術講演発表を行う。

フォスターネットは、現在まで蓄積してきた企業面接のノウハウを集約し、産業技術大学院大学、首都大学東京とともにより多くの就職希望者が練習の機会を持てるべく、システムの研究・構築を進めてきた。

このシステムは、面接の体験だけでなく、面接中の会話を分析した面接カウンセリングシートを作成できる。被験者は自分の会話の内容を客観的に分析することで、実際の就職活動に役立てることができる。

企業面接システムのエリアでは、各アバターに対して ID カードを配布。アバターはこれを入手・装着し、企業面接システムを利用する。

面接練習の予約を済ませ、システム側の準備が整うと、専用フロアに案内される。面接場所に案内され、部屋に入る際に、まずノック。この段階から採点が始まる。

お辞儀のタイミングや入退室の際のマナーなど、実践を通さないと理解し辛い部分についても、存分に練習できる。なお、練習に必要な全ての動作はボタンのクリックで行う。

練習用の面接官は5人。それぞれ、怖い・優しい・インテリ等の特徴的な性格を持っており、アバターはこの中から練習したいタイプを選択する。面接官の性格によって、その口調や圧迫度は異なるが、実質的な質問内容としては非常にシビアなものも用意されている。

(略)この練習による会話及び行動は専用カウンセラーによって分析され、練習終了後にアドバイスシートとして結果とともに被験者へ送られる。被験者はアドバイスシートを参考に対策を練ることができる。

(上記記事より)

上記のリンク先には画像もありますので、よろしければそちらもどうぞ。
しかし、Second Lifeで面接の練習とは。そんなサービスも始まったのですね……。
個人的には、対面で練習した方が良いと思いますが、補助的なサービスとしてこういったシステムを導入してみる大学も出てくるのかも知れません。

アメリカでも進む、キャンパス全面禁煙。
■「全面禁煙の大学が増加、60大学に 米報告」(CNN)
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200711130014.html

米国の大学で、キャンパス全体を禁煙にする動きが広がっている。大学当局が推進するとともに、反喫煙団体も、喫煙率の高い大学生にたばこを止めさせることを重要視している。

非喫煙者の権利を擁護する米団体の報告によると、構内の一部にとどまらず、すべての場所で喫煙を禁じている大学は、全米で約60に上っている。他の多くの大学では、部分的な禁煙措置が取られているという。

(略)米がん協会アクションネットワークのダニエル・スミス会長は「たばこの煙から解放された国にしようという動きは、至る所で進行している。社会でみられるのと同じ傾向が、大学キャンパスでも表れているということではないか」と分析する。

同協会によると、米国では大学生と重なる18〜24歳の年齢層で喫煙率が最も高い。他の年齢層では喫煙率が減少傾向にあるなか、大学生では上昇しているといい、同協会では、禁煙ガムの配布など大学での禁煙の取り組みに力を入れている。

(上記記事より)

日本ではキャンパス内全面禁煙に踏み切る大学が出てきていますが、アメリカでもそれは同じのようです。
アメリカでは、最もたばこを吸うのが大学生頃の若者だそうです。喫煙率の上昇は医療費をあげる原因にも繋がりますから、当然、「まずは学生のうちにたばこから遠ざけよう」と考えるのは、理にかなっているのでしょうね。

中国の苦学生達。
■「明日を夢見る苦学生、大学が『靴磨き自力更生』支援」(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2007&d=1115&f=national_1115_002.shtml
■「貧乏学生が『廃品回収王』に〜同済大学・高志軍」(中国情報局)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2006&d=0316&f=column_0316_004.shtml

詳細は上記の記事をどうぞ。
前者は、大学が苦学生のために、日本ではもはや聞かなくなった「靴磨き」をする場所を提供しているというものです。

後者は、名門大学の大学院生が、生活苦からキャンパス内の廃品回収を集めるビジネスを興した、という話です。
非常に公益性のある仕事ですが、記事を読む限り、大学院生がやる仕事としては「下」という認識が中国社会にはあるのかなと思います。

韓国版のアファーマティブ・アクション。
■「『低所得層特別選考』大学反発の中を強行」(中央日報)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=92842&servcode=400&sectcode=400

教育人的資源部ウ・ヒョンシク大学支援局長は13日「現在の高校2年生が大学に進学する2009学年度から全国の低所得層学生を対象に機会均衡選抜制を実施する」と発表した。

高麗(コリョ)大パク・ユソン入学処長は「貧しいからといって実力が劣っても選ぶとすれば学生の劣等感ばかり大きくなる」とし「学生たらの再教育費用もかかり、教授も充員しなければならないため実行は容易ではない」と述べた。

湖南(ホナム)大学イ・ヒョンチョン総長は「優秀な低所得層学生がソウルの上位圏大学に集中すれば、地方大は学生の選抜がより難しくなる。政府が地方大を殺す政策を取っている」と非難した。

(上記記事より)

「積極的差別是正措置」などと訳される「アファーマティブ・アクション」。
韓国のこの事例も、その一種と言っていいでしょう。

(過去の関連記事)
・用語解説:「アファーマティブ・アクション」とは(2006年06月19日)
https://unipro-note.net/wpc/archives/50211090.html

ただ、「優秀な低所得層学生がソウルの上位圏大学に集中すれば、地方大は学生の選抜がより難しくなる。政府が地方大を殺す政策を取っている」という意見にも、一定の説得力はあります。
結果は、どうなるでしょうか。

以上、今週のニュースクリップでした。

今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

マイスターでした。