ニュースクリップ[-4/30] 「国立大にも年俸制 北陸先端大」ほか

マイスターです。

「チャイルド・リサーチ・ネット」という非営利団体の方から、「妊娠・子育て・保育・教育」部門で、推奨ブログのご指定をいただきましたので、バナーを貼らせていただきました。ありがとうございます。せっかくですからしばらくの間は、上の方に表示させていただきますね。
(それよりあの、こんなブログで本当によろしかったでしょうか!?)

さて、今週も日曜日を迎えましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。

世界レベルの研究者を呼ぶために、年俸制導入です。
■「国立大にも年俸制 北陸先端大」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0425/TKY200604250088.html

■「北陸先端大:「特別招へい教授」に年俸制を導入」(毎日新聞 MSNニュース掲載)
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/news/20060330k0000m040041000c.html

北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)は今年度、研究ポストの一部に年俸制を導入した。文部科学省によると、国から受ける基幹的な予算である運営費交付金を使って国立大学が年俸制を導入するのは全国初。年俸に上限は設けず、役員の最低報酬である1100万円を超えることもあるという。
(略)人選はこれからだが、同大総務課によると、「これまで招けなかった世界的な研究者」を企業や海外から一本釣りしたいという。
Asahi.com記事より)

ついに、なのか、ようやく、と言うべきか。国立大学の研究者も、高額報酬でヘッドハンティングされるような時代が始まりつつあるみたいです。しかも、国からの交付金を使って、です。
国の第3期科学技術基本計画が研究者の流動化を目標に掲げていることが、こうした取り組みを後押ししているようですね。昔ならきっと、考えられなかったことなのでしょうね。

国立大学は法人化後、給与の額を独自に決められるようになったが、多くは、勤続年数に応じて額が決まる公務員の給与制度を準用している。前職での実績が給与に反映されないため、スカウトの壁になっていた。 (Asahi.com記事より)

↑マイスターはこっちの記述の方に驚きでした。法人化しても、みんなホンネでは、流動化したくなかったということでしょうか?

特許を巡る大学研究者の苦悩…です。
■「ビジネスの種まく鳥大」(日本海新聞)
http://www.nnn.co.jp/tokusyu/wadai/060417.html

…企業からは研究者の特許取得に対する消極的な姿勢を指摘する声が上がっている。
特許は出願から一年半の間は、発明の名称など一部分の出願内容以外は公開されない。企業にとって有益なのはこの「未公開特許」で、未公開期間内に特許を持っている大学や科学技術振興機構などと秘密保持契約を結び、最新技術を活用しようと考える。
ところが、研究者は論文の発表本数が評価につながる場合が多いため、特許出願をせずに論文で発表してしまうことが多いという。
(鳥取大学東京リエゾンオフィス客員コーディネーター)奥さんは「研究本位にならず、産業界にも興味を持ってもらいたい」と指摘。鳥取大も「知的財産は研究者と大学の共有財産という意識をもっと啓蒙する必要がある」と話している。
(上記記事より)

この部分が、簡潔ながら非常にわかりやすいので、ご紹介させていただきました。確かに、論文本数だけで評価が決まるのなら、特許のために論文を「犠牲」にしようなんて考えないですよね。特許件数を増やしたいなら、それがきちんと研究者の評価につながるようにしなければなりませんね。

ただ、一方で実は、↓こんな報道も。

■「神戸大教授が実験捏造、特許出願」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/national/update/0427/OSK200604270040.html?ref=rss

こちらは、特許のために、実験データをねつ造してしまった研究者の例です。この研究者は、産官学の連携を進める連携創造センターのセンター長を務めたこともあるという方。特許(および、それによって得られる助成金)の取得が、研究で成果をあげること以上の目的になってしまいました。特許取得のプレッシャーがあったのかもわかりませんが、責任者を務めたような方がねつ造をしたことは、組織にとっても大きな痛手になることでしょう。

いずれにしても、研究者の方々は、特許とのつきあい方をうまく考えなければならない時代のようです。

「常識力」が重視されている……のかな?
■「常識力検定が人気 企業や学校、検定ラッシュ」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/life/update/0423/004.html

もともと、大学教授が、「基本的なマナーを知らない若者が多い」と発言したことがきっかけでできた試験だとのこと。今では試験内容を、正課の授業として利用する大学もあるのだとか。常識を測るための検定が大学の単位になることについては賛否両論あると思います。

以下で試験問題の一部を見られますので、ご興味のある方はどうぞ。

■「常識力検定 オンライン診断テスト」(日本常識力検定協会)
http://www.josikiryoku.com/online_test/test.cgi#

(ところでこの試験ですが、「これ、常識か?」と思えるような問題も混じってませんか……?)
そもそも、試験勉強をして「常識」を測定するって、なんだか、不思議な感じですよね。

業界の有名人です。
■「NHK『経済羅針盤』4月23日放送記録 立命館 川本八郎理事長」
http://www.nhk.or.jp/k-rasinban/backnumber/060423.html

「大学職員が、メディアにこういう取り上げられ方をしたことは、かつてなかったのでは」というご意見を中心に、既に、色々なブログでこの番組についての感想が書かれています。それくらい、画期的なことなのでしょう。

↓こちらにひろさんの視聴メモが公開されていますので、見逃された方はご参考に…。

■「04/23  NHK 経済羅針盤に立命館・川本八郎理事長が登場」(ひろの日記帳@International Cafeteria)
http://hiro.intlcafe.info/item/1753

というわけで、今週のニュースクリップ(ちょっと少なめ)でした。

いよいよゴールデンウィークですね。
企業におつとめの方には、休日をつなげて長~い休みにされる方もいらっしゃると思いますが、大学はカレンダー通りに授業を行いますので、GWはあまりぱっとしません。土曜日も出勤したりしていますから、「普通の3連休」という方も少なくないと思います。うーん、あんまりゴールデンじゃないかも…。

ともあれ、お休みはありがたいですよね。
マイスターもこのスキに、ここぞとばかりに自分のための作業を進めたいと思います。

今週も、本ブログをごひいきにしてくださって、まことにありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

マイスターでした。