2007年10月
2007年10月31日
学園祭シーズンが今年も到来
マイスターです。
そろそろ、学園祭のシーズンですね。
マイスターも、毎年、どこかしらの学園祭に行っています。
大学に勤めていたときは、当然、勤め先のキャンパスの学園祭を楽しみましたし、他大学の学園祭に行くのも好きです。
どうもマイスターは、国際開発援助とか、そのあたりのゼミやサークルの発表をよく見てまわっているような気がします。
海外で実際にリサーチしてきた結果を発表したり、自分達で立ち上げたボランティア活動の様子を報告したり、現地で撮ったドキュメンタリー映像作品を上映したりする団体が、大きな大学だと大抵、あります。
ちょっと本格的な団体だと、現地の関係者や、その地域からの留学生をゲストとして呼んでいたりして、面白いです。
理論と実際の狭間で学ぶ学生の視点だからこそできる企画。
そんな発表から、刺激を受けることは多いです。
自分も学園祭を回っているうちに、そういう団体の発表に多く触れ、結果的にそういった分野に関心を持つようになったかも知れません。
楽しみ方は色々な、学園祭。
世間的には、どのように見られているのでしょうか。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「大学祭は流行映す『鏡』 過去30年の出演者は…」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/1031/TKY200710310197.html
------------------------------------------------------------
世間的にはやはり、まず学園祭で呼ばれる有名人が関心を集めるのですね。
現代では、「とにかく、誰もが知っているような、テレビに出るような有名人を呼ぶ」というのが常識になっているような気がします。
個人的には、「そこにお金をかける必要はないのでは?」とか「呼ぶ人をもっと選んだ方が良いのでは?」と感じることも正直、あります。
しかし、「有名人が一人はいないと集客できない。どれだけ学術的に素晴らしい展示があっても、それを見てくれる来場者をまずは集めないといけない」という主催者側の考えも、分からなくはありません。
学園祭の企画担当者にとってはおそらく、その辺りの予算配分の辺りが、特に頭を悩ませるところなのでしょう。
ちなみに「呼ばれる側」にとっても、学園祭というのは色々とメリットがあるようです。出演料を稼ぐということもありますが、PR効果も絶大。
知名度がまだまだそれほど高くないミュージシャンや俳優、お笑い芸人などにとっては、経験値も積めて貴重な機会なのでしょう、たぶん。
(※マイスターは、「芸能人」「タレント」といった言葉は嫌いなので極力使いません)
各メディアも、自分達の都合に合わせて、「今年の学園祭人気ナンバーワンはこの人!」といった報道を繰り広げています。メディアによって人気ランキングが大きく違ったりして、けっこう適当です。
■「今年の学園祭キング予想、おっぱっぴー1位」(オリコン)
http://www.oricon.co.jp/news/confidence/49225/#rk
■「今年の学園祭クイーン候補、No.1はリア・ディゾン」(オリコン)
http://rn.oricon.co.jp/news/ranking/49224/
■「今年の学園祭ライブキングは彼らだ!!」(excite music)
http://www.excite.co.jp/music/news/story/54816/
■「The Click Five(クリック・ファイヴ)が学園祭にやってくる!」(doops! music blog)
http://doops.jp/2007/10/post_375.html
■「京都で個性派揃いの学園祭ライブ」(ナタリー)
http://natalie.mu/news/show/id/3906
「テレビで見て知っている」度合いと「学園祭に呼びたい」度合いとがどの程度リンクしているのか、テレビをほとんど見ないマイスターにはよくわからないのですが……やっぱり、有名人に会いたいものなんでしょうかね。うーむ。
冒頭の記事には、↓こんな記述もあります。
しかしもちろん、こういった「有名人ゲスト」というのは学園祭のごく一部の側面に過ぎません。
出店あり、学術発表あり、サークルの活動報告あり、学生によるパフォーマンスあり……大学の様々な活動を、エネルギーいっぱいに表現するのが学園祭。
冒頭でマイスターが書いた個人的な体験はそれこそほんの一例。興味深い活動はたくさんあることでしょう。学生らしく、社会に対する問題意識をベースにした活動や、地域を意識した工夫なども少なくないと思います。
ちょっとwebで調べてみただけでも、↓こういったニュースが見つかりました。
■「金沢美大に商店街“移転” 学園祭で『地元・石引』PR」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2007102702059701.html
■「大学生集客へ横浜、学園祭とコラボ」(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2007/10/04/07.html
■「学園祭でまちを元気に 11月2―4日、熊谷・立正大」(web埼玉)
http://www.saitama-np.co.jp/news10/03/16l.html
■「学園祭シーズン到来! 爆笑ライブや"手術体験"」(山陰中央新報)
http://www.sanin-chuo.co.jp/event/modules/news/article.php?storyid=444111162
■「大学生も裁判員役 地検が出張模擬裁判(※要ID登録)」(くまにち.コム)
http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20071028200004&cid=main
■「世界の恵まれない子支援へ“名物”バザー 名商大、20日から学園祭」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20071017/CK2007101702056827.html
■「信大農学部で『落葉松祭』 子どもたちにも楽しんでもらおう」(伊那毎日新聞)
http://inamai.com/news.php?c=shakai&i=200710201927110000023567
探せばまだまだ、興味深い活動が見つかると思います。
たくさんあるので、個別にはご紹介できませんが、ご興味のある方は各リンクをご覧ください。
いずれにしても、学園祭の開催がピークを迎えるのはこれからです。
受験生、大学生、教職員、卒業生、地域住民、その他教育関係者、たまたま通りがかった人……それぞれの興味関心に合わせて、学園祭を楽しんでみてはいかがでしょうか。
以上、マイスターでした。
そろそろ、学園祭のシーズンですね。
マイスターも、毎年、どこかしらの学園祭に行っています。
大学に勤めていたときは、当然、勤め先のキャンパスの学園祭を楽しみましたし、他大学の学園祭に行くのも好きです。
どうもマイスターは、国際開発援助とか、そのあたりのゼミやサークルの発表をよく見てまわっているような気がします。
海外で実際にリサーチしてきた結果を発表したり、自分達で立ち上げたボランティア活動の様子を報告したり、現地で撮ったドキュメンタリー映像作品を上映したりする団体が、大きな大学だと大抵、あります。
ちょっと本格的な団体だと、現地の関係者や、その地域からの留学生をゲストとして呼んでいたりして、面白いです。
理論と実際の狭間で学ぶ学生の視点だからこそできる企画。
そんな発表から、刺激を受けることは多いです。
自分も学園祭を回っているうちに、そういう団体の発表に多く触れ、結果的にそういった分野に関心を持つようになったかも知れません。
楽しみ方は色々な、学園祭。
世間的には、どのように見られているのでしょうか。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「大学祭は流行映す『鏡』 過去30年の出演者は…」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/1031/TKY200710310197.html
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大学祭シーズン。いくつもの大学を回る「学園祭クイーン」をはじめ、これまでどんなアーティストや文化人が大学に迎えられてきたのだろう。そして今年は ――。というわけで、色々なメディアに学園祭関連の話題が登場し始めています。
(上記記事より)
世間的にはやはり、まず学園祭で呼ばれる有名人が関心を集めるのですね。
今年もお笑いタレント人気が続くなか、話題の人の名も見える。大学によっては政治家や作家、映画監督、ジャーナリストなどをゲストに呼ぶようですね。
明大祭(11月2〜4日)では、リリー・フランキーさんとみうらじゅんさんの対談や、キングコングなどが出演するお笑いライブを予定。青山学院大の青山祭(11月2〜5日)では、前夜祭のライブにDJ OZMAさんが出演。ルー大柴さん、山本梓さんらの講演などもある。
中央大の白門祭(11月1〜4日)では、倉木麻衣さんといきものがかりのライブが目玉だ。法政大の自主法政祭(11月22〜25日)では、スクービードゥーのライブや参院議員の丸山和也弁護士の講演を予定している。
痴漢冤罪を描いた映画「それでもボクはやってない」の周防正行監督の講演などがある立教大のセントポールズフェスティバル(11月2〜4日)では、受験生をターゲットにした公開授業もある。
(上記記事より)
現代では、「とにかく、誰もが知っているような、テレビに出るような有名人を呼ぶ」というのが常識になっているような気がします。
個人的には、「そこにお金をかける必要はないのでは?」とか「呼ぶ人をもっと選んだ方が良いのでは?」と感じることも正直、あります。
しかし、「有名人が一人はいないと集客できない。どれだけ学術的に素晴らしい展示があっても、それを見てくれる来場者をまずは集めないといけない」という主催者側の考えも、分からなくはありません。
学園祭の企画担当者にとってはおそらく、その辺りの予算配分の辺りが、特に頭を悩ませるところなのでしょう。
ちなみに「呼ばれる側」にとっても、学園祭というのは色々とメリットがあるようです。出演料を稼ぐということもありますが、PR効果も絶大。
知名度がまだまだそれほど高くないミュージシャンや俳優、お笑い芸人などにとっては、経験値も積めて貴重な機会なのでしょう、たぶん。
(※マイスターは、「芸能人」「タレント」といった言葉は嫌いなので極力使いません)
各メディアも、自分達の都合に合わせて、「今年の学園祭人気ナンバーワンはこの人!」といった報道を繰り広げています。メディアによって人気ランキングが大きく違ったりして、けっこう適当です。
■「今年の学園祭キング予想、おっぱっぴー1位」(オリコン)
http://www.oricon.co.jp/news/confidence/49225/#rk
■「今年の学園祭クイーン候補、No.1はリア・ディゾン」(オリコン)
http://rn.oricon.co.jp/news/ranking/49224/
■「今年の学園祭ライブキングは彼らだ!!」(excite music)
http://www.excite.co.jp/music/news/story/54816/
■「The Click Five(クリック・ファイヴ)が学園祭にやってくる!」(doops! music blog)
http://doops.jp/2007/10/post_375.html
■「京都で個性派揃いの学園祭ライブ」(ナタリー)
http://natalie.mu/news/show/id/3906
「テレビで見て知っている」度合いと「学園祭に呼びたい」度合いとがどの程度リンクしているのか、テレビをほとんど見ないマイスターにはよくわからないのですが……やっぱり、有名人に会いたいものなんでしょうかね。うーむ。
冒頭の記事には、↓こんな記述もあります。
「『ニート』って言うな!」を共同執筆した東北大院生の後藤和智さんは「最近はお笑い芸人が増えているといっても、アイドルに取って代わっただけ。流行に敏感という若者の気質は、昔も今も変わらない」とみる。「流行」を追ってみたい、ということのようです。なるほど。
(「大学祭は流行映す『鏡』 過去30年の出演者は…」(Asahi.com)より)
しかしもちろん、こういった「有名人ゲスト」というのは学園祭のごく一部の側面に過ぎません。
出店あり、学術発表あり、サークルの活動報告あり、学生によるパフォーマンスあり……大学の様々な活動を、エネルギーいっぱいに表現するのが学園祭。
冒頭でマイスターが書いた個人的な体験はそれこそほんの一例。興味深い活動はたくさんあることでしょう。学生らしく、社会に対する問題意識をベースにした活動や、地域を意識した工夫なども少なくないと思います。
ちょっとwebで調べてみただけでも、↓こういったニュースが見つかりました。
■「金沢美大に商店街“移転” 学園祭で『地元・石引』PR」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/news/CK2007102702059701.html
■「大学生集客へ横浜、学園祭とコラボ」(スポニチ)
http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2007/10/04/07.html
■「学園祭でまちを元気に 11月2―4日、熊谷・立正大」(web埼玉)
http://www.saitama-np.co.jp/news10/03/16l.html
■「学園祭シーズン到来! 爆笑ライブや"手術体験"」(山陰中央新報)
http://www.sanin-chuo.co.jp/event/modules/news/article.php?storyid=444111162
■「大学生も裁判員役 地検が出張模擬裁判(※要ID登録)」(くまにち.コム)
http://kumanichi.com/news/local/index.cfm?id=20071028200004&cid=main
■「世界の恵まれない子支援へ“名物”バザー 名商大、20日から学園祭」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/aichi/20071017/CK2007101702056827.html
■「信大農学部で『落葉松祭』 子どもたちにも楽しんでもらおう」(伊那毎日新聞)
http://inamai.com/news.php?c=shakai&i=200710201927110000023567
探せばまだまだ、興味深い活動が見つかると思います。
たくさんあるので、個別にはご紹介できませんが、ご興味のある方は各リンクをご覧ください。
いずれにしても、学園祭の開催がピークを迎えるのはこれからです。
受験生、大学生、教職員、卒業生、地域住民、その他教育関係者、たまたま通りがかった人……それぞれの興味関心に合わせて、学園祭を楽しんでみてはいかがでしょうか。
以上、マイスターでした。
2007年10月30日
「ゆとり教育」の反省点並ぶ? 学習指導要領、改訂へ
マイスターです。
中央教育審議会が、次期「学習指導要領」の大枠を発表しました。
見直しの声が強まっていた「ゆとり教育」路線は、どうなったでしょうか。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「ゆとり教育見直し、小5から「英語活動」創設…中教審」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071030it12.htm
------------------------------------------------------------
各教科の学習時間は「ゆとり教育」以前の水準に戻し、新たに「英語」も加わるのですから、かなり大きな路線変更と言って良いのではないでしょうか。
ちなみに、ゆとり教育の例としてしばしば引き合いに出されていた「台形の面積」も復活です。
今回、異例なのは、中教審が自ら「反省の弁」を述べているところです。
■「『授業減らしすぎた』中教審が異例の反省」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071028it01.htm
あまりにも珍しいことなので、↓海外のメディアも取り上げているほどです。
■「日本『ゆとり教育を反省』」(東亜日報)
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=060000&biid=2007102975558
しかしこの「反省点」、なんだか考えさせられる内容です。
たぶんこの文面、学習指導要領が掲げた「生きる力」の定義が分かりにくかった、というくらいの意味合いなんだと思いますが……そもそも生きるために必要な力って、そんなに複雑で難しいことだったのでしょうか。
色々な意味で、日本の教育システムが心配になってきます。
学校教育に「ゆとり」を持たせることで、その分、家庭や地域と子供との関係が密になる。その結果、周囲と関わるための社会性や、自ら考え行動する自律性などの力が身に付けられる。
当初、ゆとり教育の裏には、確かにそんな発想があったように思います。「総合的な学習の時間」も、この発想の上にあるものでした。
しかし現状は逆で、むしろ社会性をなかなか獲得できずにいる子供や、学校と適切な関わり方ができない保護者が増えているという報道が目立っているありさまです。
学校だけが教育の場ではない、学校だけに子供の教育をすべて押しつけるのは間違いだ、とマイスターも思うので、この点に関しては中教審にちょっと同情もしてしまいます。
しかしだからといって、ぼやいているばかりにもいきませんよね。今この時代に、誰がどうすればこの「家庭や地域の教育力」を補えるのか。あるいは、どうすればこの教育力を取り戻せるのか。考えなければなりません。
これからの中教審の、そして社会の、最重要ミッションと言えましょう。
……と、このような反省にもとづき、全体の方針を変えていくようです。
ところで授業時間を大幅に増やすのはわかったのですが、これを、週5日制を維持した状態で、実現することが果たしてできるのでしょうか。
また、現在すでに公立学校の運営は、様々な制度疲労を起こしているように思われます。
教員の労働環境、保護者や地域との関係、相変わらず中途半端なままの校長の権限……こういった問題を解決しないまま、学習時間だけを増やすのは、果たして適切なのでしょうか。
現在の発表内容を読んだだけですと、なんだか心配な点も多いです。
また、英語を誰がどのように、どのような目的で教えていくのかも、大きな課題でしょう。
週1コマとのことですから、正直そんなにみっちりと何かをやらせることはできないでしょう。せいぜい、「英語に触れる」程度かもしれません。
これまでも、小学校の英語教育については、様々な議論がありましたね。
子供の家から英語に慣れておかないと国際社会で置いていかれる、という意見がある一方で、日本語の論理力も十分でない早期から英語を学ばせるのはどうか、という反対意見もまだよく聞かれます。
このように結論の出ない議論の結果、「とりあえず1時間でもやっておけば、やったことにはなる。双方のメンツが保たれる」という妥協点として、今回の「週1時間」という結論に落ち着いたのではないか……? と、マイスターはふと思ったのですが、さて、実際のところはどうなのでしょう。
(ちなみにマイスター個人の意見としては、英語を「ツールとして」使える日本人の育成が目的なのであれば、やるならやる、やらないなら中学まではやらないと、方針をはっきりさせた方がいいのではないかと思います)
審議のまとめが、↓こちらに掲載されています。ご興味のある方はどうぞ。
■「審議まとめ要旨 中教審」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007103000155&genre=F1&area=Z10
こういった報道は、国民の間での議論を喚起させるために行われるのだと思っています。家族や同僚など周囲の方と、あるいは自分の中で、意見を交換してみると良いかもしれません。
仮に、あなたが次の「学習指導要領」を決める担当者だとしたら、どのような方針にしますか?
以上、マイスターでした。
中央教育審議会が、次期「学習指導要領」の大枠を発表しました。
見直しの声が強まっていた「ゆとり教育」路線は、どうなったでしょうか。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「ゆとり教育見直し、小5から「英語活動」創設…中教審」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071030it12.htm
------------------------------------------------------------
「ゆとり教育」による学力低下を反省し、小中学校では、主要教科の授業時間を1割以上増やす一方、現行の指導要領から導入された総合学習の時間を削減する。国際化に対応するため、小学5年から「外国語(英語)活動」の時間を創設。「道徳」を教科に格上げすることは見送る。小中学校の授業時間が増加するのは30年ぶりで、「ゆとり教育」からの方針転換が明確に打ち出された。……と、このように全面的見直しの様相を呈しています。
(略)小学校の授業時間は、各学年とも週1、2コマ(1コマ45分)増やし、6年間では現在より278コマ多い計5645コマに。特に増えたのは国語、算数、理科、社会の主要4教科と体育で、中でも、算数と理科はともに16%増となる。また、5年生からは、週1コマが英語活動に充てられることになった。
中学校では各学年とも週1コマ(1コマ50分)、3年間では、現在より105コマ多い計3045コマとした。特に理科と外国語(英語)が増え、3年間の授業時間はともに現在の33%増。英語は、国語、数学などを含め、教科の中で最も授業時間が多くなる。
現在の指導要領で大幅に削減された学習内容も相次いで復活し、小学校算数では「台形の面積」、中学校理科では「イオン」が加わる。一方、ゆとり教育の象徴だった「総合学習の時間」は、小中学校ともに削減され、中学校の「選択教科」も事実上廃止される。
(上記記事より)
各教科の学習時間は「ゆとり教育」以前の水準に戻し、新たに「英語」も加わるのですから、かなり大きな路線変更と言って良いのではないでしょうか。
ちなみに、ゆとり教育の例としてしばしば引き合いに出されていた「台形の面積」も復活です。
今回、異例なのは、中教審が自ら「反省の弁」を述べているところです。
■「『授業減らしすぎた』中教審が異例の反省」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071028it01.htm
次の学習指導要領を審議している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)が、近く公表する中間報告「審議のまとめ」の中で、現行の指導要領による「ゆとり教育」が行き詰まった原因を分析し、「授業時間を減らしすぎた」などと反省点を列挙することがわかった。「反省点を具体的に示さなければ、方針転換の理由が学校現場に伝わらないと判断した」とのことなのですが、このような発表は、極めて異例のことだと思います。
(略)中教審が今回、反省点として挙げるのは、〈1〉「生きる力」とは何か、なぜ必要なのかを、国が教師や保護者に伝えられなかった〈2〉「生きる力」の象徴として、「自ら学び自ら考える力の育成」を掲げたが、子供の自主性を尊重するあまり、指導をちゅうちょする教師が増えた〈3〉総合学習の時間を創設したが、その意義を伝えきれなかった〈4〉授業時間を減らしすぎたため、基礎的な知識の習得が不十分になり、思考力や表現力も育成できなかった〈5〉家庭や地域の教育力の低下を踏まえていなかった――の5点。
(上記記事より)
あまりにも珍しいことなので、↓海外のメディアも取り上げているほどです。
■「日本『ゆとり教育を反省』」(東亜日報)
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=060000&biid=2007102975558
しかしこの「反省点」、なんだか考えさせられる内容です。
「生きる力」とは何か、なぜ必要なのかを、国が教師や保護者に伝えられなかったって、冷静にこの文面だけ読んでみると、なんだか日本の社会はものすごーく心配な状態なんじゃないかと思えてきますね……。
たぶんこの文面、学習指導要領が掲げた「生きる力」の定義が分かりにくかった、というくらいの意味合いなんだと思いますが……そもそも生きるために必要な力って、そんなに複雑で難しいことだったのでしょうか。
色々な意味で、日本の教育システムが心配になってきます。
家庭や地域の教育力の低下を踏まえていなかった……と、この記述もなんだか、考えてみると深刻です。
学校教育に「ゆとり」を持たせることで、その分、家庭や地域と子供との関係が密になる。その結果、周囲と関わるための社会性や、自ら考え行動する自律性などの力が身に付けられる。
当初、ゆとり教育の裏には、確かにそんな発想があったように思います。「総合的な学習の時間」も、この発想の上にあるものでした。
しかし現状は逆で、むしろ社会性をなかなか獲得できずにいる子供や、学校と適切な関わり方ができない保護者が増えているという報道が目立っているありさまです。
学校だけが教育の場ではない、学校だけに子供の教育をすべて押しつけるのは間違いだ、とマイスターも思うので、この点に関しては中教審にちょっと同情もしてしまいます。
しかしだからといって、ぼやいているばかりにもいきませんよね。今この時代に、誰がどうすればこの「家庭や地域の教育力」を補えるのか。あるいは、どうすればこの教育力を取り戻せるのか。考えなければなりません。
これからの中教審の、そして社会の、最重要ミッションと言えましょう。
……と、このような反省にもとづき、全体の方針を変えていくようです。
ところで授業時間を大幅に増やすのはわかったのですが、これを、週5日制を維持した状態で、実現することが果たしてできるのでしょうか。
また、現在すでに公立学校の運営は、様々な制度疲労を起こしているように思われます。
教員の労働環境、保護者や地域との関係、相変わらず中途半端なままの校長の権限……こういった問題を解決しないまま、学習時間だけを増やすのは、果たして適切なのでしょうか。
現在の発表内容を読んだだけですと、なんだか心配な点も多いです。
また、英語を誰がどのように、どのような目的で教えていくのかも、大きな課題でしょう。
週1コマとのことですから、正直そんなにみっちりと何かをやらせることはできないでしょう。せいぜい、「英語に触れる」程度かもしれません。
これまでも、小学校の英語教育については、様々な議論がありましたね。
子供の家から英語に慣れておかないと国際社会で置いていかれる、という意見がある一方で、日本語の論理力も十分でない早期から英語を学ばせるのはどうか、という反対意見もまだよく聞かれます。
このように結論の出ない議論の結果、「とりあえず1時間でもやっておけば、やったことにはなる。双方のメンツが保たれる」という妥協点として、今回の「週1時間」という結論に落ち着いたのではないか……? と、マイスターはふと思ったのですが、さて、実際のところはどうなのでしょう。
(ちなみにマイスター個人の意見としては、英語を「ツールとして」使える日本人の育成が目的なのであれば、やるならやる、やらないなら中学まではやらないと、方針をはっきりさせた方がいいのではないかと思います)
審議のまとめが、↓こちらに掲載されています。ご興味のある方はどうぞ。
■「審議まとめ要旨 中教審」(京都新聞)
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007103000155&genre=F1&area=Z10
こういった報道は、国民の間での議論を喚起させるために行われるのだと思っています。家族や同僚など周囲の方と、あるいは自分の中で、意見を交換してみると良いかもしれません。
仮に、あなたが次の「学習指導要領」を決める担当者だとしたら、どのような方針にしますか?
以上、マイスターでした。
2007年10月29日
「回収不能」「遊興費に転用」 削減される奨学金予算
マイスターです。
・奨学金回収事業を民間委託(2007年06月22日)
http://www.unipro-note.net/archives/50322348.html
以前、こんな話題をご紹介しました。
貸し出された奨学金の回収業務を民間に委託するという報道です。
つまり、民間に委託しなければならないほど、奨学金の回収がスムーズにいっていないということです。
大丈夫なのかなぁ、と心配になる内容でした。
そうしたら、あんまり大丈夫じゃなかったみたいです。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「財務省 文教予算編成で奨学金事業を削減方針」(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/071028/fnc0710282059000-n1.htm
------------------------------------------------------------
「教育に力を入れなければならない時代に、奨学金を減らすとは何事だ!」……と言ってしまえれば楽なのですが、財務省も、国の負債を減らし財政を健全にするというミッションを背負っているわけですから、事態はそれほど簡単ではありません。
また「必ずしも苦学生でない人も対象に入っている」と財務省は指摘したそうです「親が稼いでいるのであれば親に払ってもらえ」と当たり前のように言ってしまう社会も、それはそれであまり健全であるとは言えないように、マイスターは思います。
国庫と関係がない民間の奨学金などが十分に充実していたら、こういった議論ももう少しシンプルになるのでしょうが、現実問題として、この奨学金しか奨学金制度を持っていないような大学だってあるでしょう。
うーん、課題は多そうです。
というわけで、今日は短めのマイスターでした。
・奨学金回収事業を民間委託(2007年06月22日)
http://www.unipro-note.net/archives/50322348.html
以前、こんな話題をご紹介しました。
貸し出された奨学金の回収業務を民間に委託するという報道です。
つまり、民間に委託しなければならないほど、奨学金の回収がスムーズにいっていないということです。
大丈夫なのかなぁ、と心配になる内容でした。
そうしたら、あんまり大丈夫じゃなかったみたいです。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「財務省 文教予算編成で奨学金事業を削減方針」(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/071028/fnc0710282059000-n1.htm
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財務省は28日、来年度予算で文部科学省の奨学金事業予算を削減する方針を固めた。奨学金を遊興費に転用する学生が目立ち、苦学生支援という奨学金本来の意味が薄れつつあると判断している。奨学金を返さず、回収不能に陥った延滞債権総額も急増、平成18年度には2000億円を突破しており、財務省では新たな保証制度の義務化も迫る構えだ。前兆があったとは言え、やはりちょっとショックな内容です。
(略)財務省は奨学金が「必ずしも苦学生でない人も対象に入っている」と指摘。無利子奨学金に比べて審査基準が緩い有利子奨学金まで含めると、年間所得が1344万円以下の世帯が対象で、大学生などの子供を抱える世帯の約8割が条件に当てはまる。審査の学力基準も緩く「手を挙げた人はだいたい奨学金がもらえる」(主計局)のが現状だという。
財務省によると、奨学金を電話代や海外旅行費など勉学以外の目的に費やす奨学生が増加傾向にある。これに対して勉学費や書籍購入費は大幅に減少しており、財務省は奨学金が勉学よりも娯楽に振り向けられているとみている。
一方、貸し出した奨学金が回収不能に陥るケースも急増している。18年度には延滞債権総額が2000億円を超え、15年ほどで約3倍に膨らんだ。旧日本育英会の奨学金事業を引き継いだ日本学生支援機構が回収を進めているが、18年度に回収を行った1万件のうち、約半数の4395件は居所不明などの理由で未回収のままだ。
(略)文科省は「事業費の不足で、貸与の条件を満たしていても奨学金を受けられない学生が毎年いるのが現状」として予算増額の必要性を強調するが、財務省は「納税者に説明できるとは思えない」として削減方針を固めている。
(上記記事より)
「教育に力を入れなければならない時代に、奨学金を減らすとは何事だ!」……と言ってしまえれば楽なのですが、財務省も、国の負債を減らし財政を健全にするというミッションを背負っているわけですから、事態はそれほど簡単ではありません。
また「必ずしも苦学生でない人も対象に入っている」と財務省は指摘したそうです「親が稼いでいるのであれば親に払ってもらえ」と当たり前のように言ってしまう社会も、それはそれであまり健全であるとは言えないように、マイスターは思います。
国庫と関係がない民間の奨学金などが十分に充実していたら、こういった議論ももう少しシンプルになるのでしょうが、現実問題として、この奨学金しか奨学金制度を持っていないような大学だってあるでしょう。
うーん、課題は多そうです。
というわけで、今日は短めのマイスターでした。
2007年10月28日
ニュースクリップ[-10/28]「中国地方の国立大が連携=教員免許更新にらみ」ほか
マイスターです。
日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。
教員免許の更新講習で連携。
■「中国地方の国立大が連携=教員免許更新にらみ」(時事通信出版局)
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071026-2
確かに、質の高い更新講習を行おうとすれば、ある程度の規模の人数を集めることは欠かせません。
しかもこの5大学は、山陰地方や離島など、地理的に講習を行うことが困難な地域もカバーしています。
非常に意義のある連携ではないかとマイスターは思います。
大学で世界史を。
■「『社会科』を問う(7)面白い世界史 探る大学」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20071024us41.htm
・「阪大が未履修者に“高校世界史”、一般教養で来春開講」(2006年11月18日)
http://www.unipro-note.net/archives/50264351.html
大阪大学のニュースについては、以前にもご紹介させていただきましたが、京都大学の「教科書作り」も興味深い取り組みです。
歴史を学び、歴史から学ぶという体験は、すべての人間に大切だとマイスターは思います。
「歴史は高校まででもうお腹いっぱいやったから、もういいよ」ではなく、大学でも、あるいは大学を卒業した後でもずっと歴史から考え続けられるよう、こうして高等教育の段階で考える場が得られるのは、非常に良いことだと個人的には考えるのですが、いかがでしょうか。
就職ミスマッチの解決法は。
■「就職のミスマッチを減らせ!! 大学が早期退職防止策」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2007102302058479.html
中学卒で就職した方の7割、高卒で就職した方の5割、大卒就職者の3割が、就職してから3年以内に辞めるという、実際に起きている現象のことです。
(参考)
■「若チャレ!若者の人間力を高めるための国民運動|若者雇用関連データ|データが語る若者のシゴト事情」(厚生労働省)
http://www.wakamononingenryoku.jp/situation/
記事で書かれているのは、まさにこの七・五・三の通りの現実です。
こうした問題を「最近の若者はなっとらん」の一言で片付けるのは簡単でしょうが、それを言ったところで何にも解決しません。
それに、学生の父親世代が就職活動をしていた頃と今とでは、社会状況も、経済状況も、企業の状況もまるで異なります。比べること自体に、あまり意味がないような気もします。
今後はこれまで以上に、「一つの会社と長くつきあっていく」という前提自体に無理が出てくると思われます。
実際に働いてみないとわからないことは確かにありますし、社員の雇用を長く維持できる企業がそもそも減っています。長く働いていた方が得という前提も、以前とは比べものにならないくらい崩壊しています。
だとすると、(自分を含め)教育関係者が行うべきなのは、
「安易に楽な選択肢を選ぼうとせず、恐れずにまずは何かの仕事の現場に飛び込んでみること」
や、
「万一その仕事が向いていなかったときも、安易な方向に逃げてしまわずに、自分を成長させるような次の挑戦を見つけて早く取り組むこと」
などの大切さを、学生に伝えていくことなのかな、と個人的には思います。
大きな変化になるか。
■「教育再生会議が福田政権で初会合、『小・中9年制』検討で一致」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20071024AT3S2302O23102007.html
大学の「4」は、国際的標準を考えるとあまり動かないでしょうが、幼稚園から小学校、中学校、高校までの範囲は、これから見直しが進んでいくかも知れません。
いまや公立学校でも、中学と高校を合わせた「中等教育学校」が実現しているくらいですし、私学では小学校から高校までを「4・4・4」なんて区切りにするような提案も、耳にするようになっています。
教員免許など、色々とあわせて考えなければならない問題もありますが、今は、なんとなく色々な人が「もっと良い分け方もあるのではないかな」と感じている、そんな状況なのでしょう。
(小学校段階から英語教育を行うといった議論もありますが、そういった点を変更するとしたら、なおさら「6・3・3」ではないやり方が適してくるかも分かりません)
もしこのあたりの仕組みを大きく変えるのだとしたら、あわせて、学校運営に関する様々な問題(教員の労働環境、校長の裁量権、外部組織との連携etc.)も解決できるように、抜本的な改革にしてほしいところです。
中国で、学長が教授をリストラ?
■「中国の名門大、研究不熱心な教授を講師に降格」(朝鮮日報)
http://www.chosunonline.com/article/20071028000000
その辺りが詳しく書かれていないので何とも言えないのですが、しかし1つの大学で70人の教授をいっきに降格というのは、とてつもない強権発動ですね……。
この学長は「国務院学位委員会」という、どうやら高等教育を管理する官僚機構の出身の方のようですが、これは中国の官僚の権力の大きさを示すニュース、でもあるのでしょうかね……。
しかし本当に、一体どういう基準で決まった「70人」だったのでしょう。うーむ。
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
マイスターでした。
日曜日になりましたので、恒例のニュースクリップをお届けします。
教員免許の更新講習で連携。
■「中国地方の国立大が連携=教員免許更新にらみ」(時事通信出版局)
http://book.jiji.com/kyouin/cgi-bin/edu.cgi?20071026-2
島根、岡山、広島など中国地方の国立大学5校は、2009年度の教員免許更新制スタートをにらみ、更新講習を連携して実施するための広域連携プロジェクトを立ち上げる方針を固めた。更新制導入後は毎年およそ10万人の教員が講習を受けることとなり、特に過疎地域などで、受け皿を十分確保できるか懸念材料になっている。そんな中での全国初の取り組みで、注目を集めそうだ。島根、岡山、広島、鳥取、山口という5つの国立大学による、新たな連携の試みです。
(略)各大学の教員の相互融通や事務の一元化などで、講座開設のニーズを満たしたい考えだ。11月1日に、各大学の教育関連学部長らが集まり、連携内容について正式に決める予定。
文科省によれば、更新講習開設のための大学連携は5大学が初のケース。過疎地域、へき地や離島対策としても、同省も成果を期待を寄せており、08年度から始まる更新制の試行事業の中などで、5大学の取り組みを後押しする考えだ。
(上記記事より)
確かに、質の高い更新講習を行おうとすれば、ある程度の規模の人数を集めることは欠かせません。
しかもこの5大学は、山陰地方や離島など、地理的に講習を行うことが困難な地域もカバーしています。
非常に意義のある連携ではないかとマイスターは思います。
大学で世界史を。
■「『社会科』を問う(7)面白い世界史 探る大学」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/renai/20071024us41.htm
大阪大学には今年度前期、「市民のための」と銘打ったアジア史とヨーロッパ史の科目が開講した。高校での世界史の必修逃れ問題を受けた、主に世界史未履修者が対象の教養科目だ。世界史の履修逃れ問題が問題になった中で、おぉっと思うニュースです。
毎回の小テストでは、「モンゴル帝国と現代のアメリカ合衆国との共通点を説明せよ」といった問題で学生に考えさせた。期末テストは論述と言葉の穴埋め問題で、教科書、ノートは持ち込み可。「暗記より、その場で調べるスピードの方が大事」という担当の桃木至朗教授(52)は世界史の教科書執筆者でもある。
(略)京都大学文学部では昨年から、高校の世界史教科書に近い教材や、歴史教育用のコンピューターソフトを学生に作らせる講義をしている。「学生たちが高校でこんな風に学びたかった」と思う教材作りを目指す。
やはり、世界史教科書執筆者である杉本淑彦教授(52)のゼミ生を中心に約15人が参加。19日は教科書会社の元スタッフを招いて、教材作りの経験談を聞いた。
(上記記事より)
・「阪大が未履修者に“高校世界史”、一般教養で来春開講」(2006年11月18日)
http://www.unipro-note.net/archives/50264351.html
大阪大学のニュースについては、以前にもご紹介させていただきましたが、京都大学の「教科書作り」も興味深い取り組みです。
歴史を学び、歴史から学ぶという体験は、すべての人間に大切だとマイスターは思います。
「歴史は高校まででもうお腹いっぱいやったから、もういいよ」ではなく、大学でも、あるいは大学を卒業した後でもずっと歴史から考え続けられるよう、こうして高等教育の段階で考える場が得られるのは、非常に良いことだと個人的には考えるのですが、いかがでしょうか。
就職ミスマッチの解決法は。
■「就職のミスマッチを減らせ!! 大学が早期退職防止策」(中日新聞)
http://www.chunichi.co.jp/article/living/life/CK2007102302058479.html
2009年春の入社を目指す就職活動が本格化している。売り手市場で大学新卒者は就職しやすくなる一方、1年以内に退職する人が15%も。大学は、独自の早期退職防止策に知恵を絞り、再就職を支援する会社を設立するなど、面倒見の良さをアピールしている。就職活動の「七・五・三」現象というのを、どこかでお聞きになった方は多いのではないでしょうか。
「考えていたような仕事ができない」。今春、東京都内の私立大学を卒業した男性(23)は七月、入社したばかりの大手電機メーカーを退職した。就職活動では大手の金融、商社などからも内定をもらい、周囲からもうらやましがられた“優秀”な男性だ。入社後、営業に配属されたが、思うように営業成績も伸びず、「こんなはずではない」と悩み、結局、退職を選んだという。
この男性の大学の就職支援担当者は「最近、就職して半年後ぐらいから相談に訪れる卒業生が増えた。就職活動で苦労がない分、ちょっとした壁にぶち当たると悩んでしまう」と話す。
厚生労働省の調査では入社三年以内に退職する大学新卒者の比率は一九九〇年代前半まで20%台で推移したが、二〇〇三年卒では35・7%に。一年以内に退職する人も〇三年以降は常に15%を超えている。
明治大の就職・キャリア形成支援事務室の鍵山義尚さんは「スキルアップの転職もあるだろうが、ミスマッチも相当ある」と指摘。「(一九九七年から就職協定が廃止され)採用活動が早まった影響で、就職対象の企業や業界をあわてて絞り、就職活動が表面的になっている」と分析する。
学生気質の変化もミスマッチを招く一因になっている。会社の内情を聞く絶好の機会になるOB訪問をためらう傾向があるという。法政大キャリアセンターの勝又秀雄次長は「『(OBに)メールでアポ取ってもいいですか』と質問する学生もいる。コミュニケーション手段として電子メールを多用する最近の学生は電話を嫌がり、OB訪問を面倒くさがる」と話す。
(上記記事より)
中学卒で就職した方の7割、高卒で就職した方の5割、大卒就職者の3割が、就職してから3年以内に辞めるという、実際に起きている現象のことです。
(参考)
■「若チャレ!若者の人間力を高めるための国民運動|若者雇用関連データ|データが語る若者のシゴト事情」(厚生労働省)
http://www.wakamononingenryoku.jp/situation/
記事で書かれているのは、まさにこの七・五・三の通りの現実です。
こうした問題を「最近の若者はなっとらん」の一言で片付けるのは簡単でしょうが、それを言ったところで何にも解決しません。
それに、学生の父親世代が就職活動をしていた頃と今とでは、社会状況も、経済状況も、企業の状況もまるで異なります。比べること自体に、あまり意味がないような気もします。
今後はこれまで以上に、「一つの会社と長くつきあっていく」という前提自体に無理が出てくると思われます。
実際に働いてみないとわからないことは確かにありますし、社員の雇用を長く維持できる企業がそもそも減っています。長く働いていた方が得という前提も、以前とは比べものにならないくらい崩壊しています。
だとすると、(自分を含め)教育関係者が行うべきなのは、
「安易に楽な選択肢を選ぼうとせず、恐れずにまずは何かの仕事の現場に飛び込んでみること」
や、
「万一その仕事が向いていなかったときも、安易な方向に逃げてしまわずに、自分を成長させるような次の挑戦を見つけて早く取り組むこと」
などの大切さを、学生に伝えていくことなのかな、と個人的には思います。
大きな変化になるか。
■「教育再生会議が福田政権で初会合、『小・中9年制』検討で一致」(NIKKEI NET)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20071024AT3S2302O23102007.html
教育再生会議(野依良治座長)は23日、首相官邸で福田政権発足後初めての総会を開き、論議を再開した。柔軟な教育カリキュラムを編成できるようにするため、現行の小中学校の「6.3」制を見直し、9年制の義務教育学校の創設などを検討することで一致した。「6・3・3・4制」を見直そうという議論自体は以前から存在していましたが、福田内閣で活動を再開させた教育再生会議が、いよいよ本格的にそのあたりの検討に入ったとのことです。
(略)学校制度の見直しは小中一貫の9年制学校をつくり、地域の実情に応じて「4.3.2」などの学年のまとまりを設ける案を軸に検討する方向。大学への飛び級入学を促進するため一段の要件緩和を進める必要があるとの意見も相次いだ。一方、年末を予定していた三次報告のとりまとめ時期を巡っては「もっと時間をかけるべきだ」との異論も出た。
(上記記事より)
大学の「4」は、国際的標準を考えるとあまり動かないでしょうが、幼稚園から小学校、中学校、高校までの範囲は、これから見直しが進んでいくかも知れません。
いまや公立学校でも、中学と高校を合わせた「中等教育学校」が実現しているくらいですし、私学では小学校から高校までを「4・4・4」なんて区切りにするような提案も、耳にするようになっています。
教員免許など、色々とあわせて考えなければならない問題もありますが、今は、なんとなく色々な人が「もっと良い分け方もあるのではないかな」と感じている、そんな状況なのでしょう。
(小学校段階から英語教育を行うといった議論もありますが、そういった点を変更するとしたら、なおさら「6・3・3」ではないやり方が適してくるかも分かりません)
もしこのあたりの仕組みを大きく変えるのだとしたら、あわせて、学校運営に関する様々な問題(教員の労働環境、校長の裁量権、外部組織との連携etc.)も解決できるように、抜本的な改革にしてほしいところです。
中国で、学長が教授をリストラ?
■「中国の名門大、研究不熱心な教授を講師に降格」(朝鮮日報)
http://www.chosunonline.com/article/20071028000000
中国東北部の名門大学、吉林大学で2005年にある「事件」が起きた。新たに就任した周其鳳学長(60)=写真=が実力のない教授70人余りを助教授や講師に降格させてしまったのだ。同校が1946年に設立されて以来、初めてのリストラだった。こういった問題が議論される際には、「どういう基準で教員を評価するのか」という点が大きな論点となります。
周学長は教授や学者の出身ではなかった。中国で大学の修士・博士課程の以上の高等教育を管轄する国務院学位委員会の副事務局長を経て、吉林大学長に抜てきされた。官僚出身の学長が既得権にあぐらをかいている教授に鉄ついを加えたことで、同校には改革の嵐が吹き荒れた。周学長による改革の試みは、中国国内でも異例のことで、今でも各大学がその推移を見守っている。
(上記記事より)
その辺りが詳しく書かれていないので何とも言えないのですが、しかし1つの大学で70人の教授をいっきに降格というのは、とてつもない強権発動ですね……。
この学長は「国務院学位委員会」という、どうやら高等教育を管理する官僚機構の出身の方のようですが、これは中国の官僚の権力の大きさを示すニュース、でもあるのでしょうかね……。
しかし本当に、一体どういう基準で決まった「70人」だったのでしょう。うーむ。
以上、今週のニュースクリップでした。
今週も一週間、本ブログをごひいきにしていただき、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
マイスターでした。
2007年10月27日
Newsweek 特集「学歴新時代」
マイスターです。
昨今では、様々な雑誌が高等教育の動きを取り上げています。
一般紙からビジネス誌、20代向けからエグゼクティブ向け、男性誌や女性誌、日本の雑誌、海外の雑誌……大学というトピックを扱うにも、それぞれの雑誌の個性が出ていて興味深いです。
というわけで、今週発売されていた、↓こちらの特集が面白かったです。
■「Newsweek日本版:学歴新時代(2007-10・31号)」(Newsweek)
http://nwj-web.jp/
※リンク先の内容は、来週になったら次の号のものに差し替わってしまうと思います
具体的には、以下のような記事が並んでいました。
ちょっとだけ、内容をご紹介します。
【留学生よ 来たれわが国へ】
世界各国の政府および大学が、他国から学生を呼び寄せるために、いかに本気で力を入れているか……という内容の記事です。
世界トップを走るアメリカの名門大学については「留学生がやって来るのをただ待っていられる時代はとうに終わった」と書き、「中国やインドも大学改革や留学生勧誘に前例のない規模の予算をつぎ込んでいる」と続きます。
競争を勝ち抜く要因として、徹底した「国際化」が挙げられています。
外国キャンパスを設立し、国内にある本校と自由に行き来しながら学べる環境を整備する名門大学の取り組みは、脅威です。
アメリカのシンクタンク所長の、「これからの大学は……学生が入ってきたら、まずパスポートを取らせるくらいでないと」というコメントが印象的です。
早稲田大学国際教養学部の例を引き合いに出し、「アジアの大学では、英語で授業を行う学部の新設も目立っている。英米の大学にとっては無視できない動きだ」と書いています。
なるほど、日本でのこういった動きは、英語圏の大学の留学生募集担当者にとっても大きな変化でしょうね。
【IT大国の使えない技術者たち】
インドや中国の大学が急成長しているとよく言われるけれど、実態は問題も多い、ということを指摘する記事です。
インドでは毎年50万人の若者が工科系の大学を卒業するけれど、国内の企業の採用担当者が見てそのうち採用に値するのは25〜30%であるとか、コンピュータ科学の博士号を取得する学生はインド全体で50人にすぎない、とかいった数字が並んでいます。
そうなってしまう理由については、実際の記事の分析を読んでみてください。
【国境なき大学へ ヨーロッパの挑戦】
ヨーロッパ内で高等教育の障壁を取り払う「ボローニャ・プロセス」の現状を取り上げた記事です。
「欧州高等教育圏」の創設に向け、課題になっていることと、順調に進んでいることが紹介されています。
【完璧な願書より素顔を見せて欲しい】
アメリカの「入学選考部長」による記事です。
そう、本家本元の、いわゆる「アドミッションズ・オフィス」の責任者の方ですね。
大学入試に関わる方には面白い内容だと思います。
【BRICsでは私立ブーム】
かつては「政府の独占事業」であった途上国の高等教育も、経済成長や規制緩和によって民間参入が進んできた、という内容です。
私学の長所と短所を両方挙げながら、私学で学ぶ学生が増えている現状を解説しています。
……と、世界の高等教育事情について、このように様々な切り口の記事が掲載されています。
マイスターは別に『Newsweek』の関係者でも何でもないのですが、せっかく高等教育の特集をやっていましたので、ちょっとご紹介してみました。
この『Newsweek』や『TIME』、『クーリエ・ジャポン』といった海外メディアの視点は、たまに読むと新鮮です。
これらの、国際的に広く支持を集めているような雑誌は、欧米だけでなくアジアや途上国などの問題を(日本の雑誌に比べると)割とバランス良く取り上げているように思います。教育関連の記事についても、そんな印象を受けます。
日本の国内メディアがダメと言っているわけではありません。日本の話題は、当然日本のメディアの方がずっと詳しいですし、海外の動きについても興味深い記事はしばしば見かけます。
ただ、やはりこうして海外の様々な動きを一気に特集できるのは、国際的な雑誌ならではでしょう。わかりやすくまとめられていますから、背景にある動きもわかって勉強になりますし。
ご興味のある方、いかがでしょうか。
以上、マイスターでした。
昨今では、様々な雑誌が高等教育の動きを取り上げています。
一般紙からビジネス誌、20代向けからエグゼクティブ向け、男性誌や女性誌、日本の雑誌、海外の雑誌……大学というトピックを扱うにも、それぞれの雑誌の個性が出ていて興味深いです。
というわけで、今週発売されていた、↓こちらの特集が面白かったです。
■「Newsweek日本版:学歴新時代(2007-10・31号)」(Newsweek)
http://nwj-web.jp/
※リンク先の内容は、来週になったら次の号のものに差し替わってしまうと思います
具体的には、以下のような記事が並んでいました。
ちょっとだけ、内容をご紹介します。
【留学生よ 来たれわが国へ】
世界各国の政府および大学が、他国から学生を呼び寄せるために、いかに本気で力を入れているか……という内容の記事です。
世界トップを走るアメリカの名門大学については「留学生がやって来るのをただ待っていられる時代はとうに終わった」と書き、「中国やインドも大学改革や留学生勧誘に前例のない規模の予算をつぎ込んでいる」と続きます。
競争を勝ち抜く要因として、徹底した「国際化」が挙げられています。
外国キャンパスを設立し、国内にある本校と自由に行き来しながら学べる環境を整備する名門大学の取り組みは、脅威です。
アメリカのシンクタンク所長の、「これからの大学は……学生が入ってきたら、まずパスポートを取らせるくらいでないと」というコメントが印象的です。
早稲田大学国際教養学部の例を引き合いに出し、「アジアの大学では、英語で授業を行う学部の新設も目立っている。英米の大学にとっては無視できない動きだ」と書いています。
なるほど、日本でのこういった動きは、英語圏の大学の留学生募集担当者にとっても大きな変化でしょうね。
【IT大国の使えない技術者たち】
インドや中国の大学が急成長しているとよく言われるけれど、実態は問題も多い、ということを指摘する記事です。
インドでは毎年50万人の若者が工科系の大学を卒業するけれど、国内の企業の採用担当者が見てそのうち採用に値するのは25〜30%であるとか、コンピュータ科学の博士号を取得する学生はインド全体で50人にすぎない、とかいった数字が並んでいます。
そうなってしまう理由については、実際の記事の分析を読んでみてください。
【国境なき大学へ ヨーロッパの挑戦】
ヨーロッパ内で高等教育の障壁を取り払う「ボローニャ・プロセス」の現状を取り上げた記事です。
「欧州高等教育圏」の創設に向け、課題になっていることと、順調に進んでいることが紹介されています。
【完璧な願書より素顔を見せて欲しい】
アメリカの「入学選考部長」による記事です。
そう、本家本元の、いわゆる「アドミッションズ・オフィス」の責任者の方ですね。
大学入試に関わる方には面白い内容だと思います。
【BRICsでは私立ブーム】
かつては「政府の独占事業」であった途上国の高等教育も、経済成長や規制緩和によって民間参入が進んできた、という内容です。
私学の長所と短所を両方挙げながら、私学で学ぶ学生が増えている現状を解説しています。
……と、世界の高等教育事情について、このように様々な切り口の記事が掲載されています。
マイスターは別に『Newsweek』の関係者でも何でもないのですが、せっかく高等教育の特集をやっていましたので、ちょっとご紹介してみました。
この『Newsweek』や『TIME』、『クーリエ・ジャポン』といった海外メディアの視点は、たまに読むと新鮮です。
これらの、国際的に広く支持を集めているような雑誌は、欧米だけでなくアジアや途上国などの問題を(日本の雑誌に比べると)割とバランス良く取り上げているように思います。教育関連の記事についても、そんな印象を受けます。
日本の国内メディアがダメと言っているわけではありません。日本の話題は、当然日本のメディアの方がずっと詳しいですし、海外の動きについても興味深い記事はしばしば見かけます。
ただ、やはりこうして海外の様々な動きを一気に特集できるのは、国際的な雑誌ならではでしょう。わかりやすくまとめられていますから、背景にある動きもわかって勉強になりますし。
ご興味のある方、いかがでしょうか。
以上、マイスターでした。
2007年10月26日
80周年記念「マンガ」を制作 文教大学
マイスターです。
先日、早稲田大学の周年事業をご紹介したばかりですが、今日は同じ周年事業でも、ちょっと珍しい取り組みをご紹介します。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「文教大生たち、大学生活を描いた漫画本を制作」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/komimi/TKY200710190176.html
------------------------------------------------------------
↓大学のプレスリリースはこちら。
■ 「【大学】文教大学生による学園創立80周年記念マンガ 『ば・び・ぶ・べ・ぶんきょう』−マンガで読む建学の精神『人間愛』−」(文教大学)
http://www.bunkyo.ac.jp/newstopics/2007/newstopic47.htm
○周年記念の冊子というと、通常、大学史をまとめた分厚い冊子や、写真集のようなものが思い浮かびます。
マイスターは、そういった資料を読むのが好きな方です。学園の歴史を、適切なタイミングで、きちんとまとめていくことは、非常に大事です。
ただ、そういった周年事業は、基本的に大学関係者のための活動です。
こういった周年事業で制作される出版物の多くは、「詳細な記録を残す」という編集方針によるものですから、大学のことをよく知らない受験生などにとって、読みやすいものではありません。
でも、せっかく歴史的なタイミングを迎えたわけですから、どうせなら広くそのすごさを知って欲しいですよね。
それもできれば受験生の方に読んでいただけるようなものを作成して、大学に興味を持つきっかけにしてほしいところ。
というわけで文教大学では、なんとマンガを制作したのだそうです。
冒頭でご紹介した記事によれば、在学生達による短編集の形で、大学の歴史を伝えつつ、いまの大学生活も伝えるような内容に仕上がっているようです。
個人的には、どんな内容なのか、興味があります。
webサイトで公開されたりしないでしょうか。ぜひ読んでみたいです。
現在、初版1000部を作成し、10月17日に行われた創立記念式典で配布したとのことですが、この内容でしたら、やはり受験生に向けて配布しない手はないでしょう。
もちろん、マンガ形式が万能というわけではありません。
ただ、(作り手がしばしば忘れてしまう事実ですが)受験生というのは、複数の大学から資料を取り寄せているわけです。そして(残念ながら)取り寄せた大学のパンフレットすべてを、詳細に読み込んではいません。
さらに、大学のパンフレットはたいてい総花的で、「とりあえず大学のすべてを盛り込んでおこう」という方針で制作されています。その結果、どこが一番伝えたいポイントなのかわからず、印象に残らないままパラパラめくられただけで終わったりします。
うーん、大学関係者にとっては、あまり想像したくない事実ですね……。
ですから、ここだけは知って欲しいとか、こういう想いを共有して欲しいとかいったポイントはマンガ形式にしておけば、まだ読まれる可能性は高くなると思います。
それに、マンガにしようとすると、ストーリーを構成する必要がありますよね。
「自分達の大学を、どのようなストーリーで見せようか?」
と考えていく中で、自分達の強みや、普段あまり明確に意識していない魅力を再認識できるかもしれません。
制作に関わった学生にとっても、自分達の大学をよりいっそう好きになれるという点でも、いいかもしれません。
文教大学の場合、教員が学生に呼びかけて制作したとのことですから、大学の広報部や入試課はまだあまり関わっていないのかも知れませんが、せっかくこういった成果物ができたのですから、大学でうまく活用されるといいのではないでしょうか。
というわけで個人的に、ちょっと気になる取り組みをご紹介しました。
以上、マイスターでした。
先日、早稲田大学の周年事業をご紹介したばかりですが、今日は同じ周年事業でも、ちょっと珍しい取り組みをご紹介します。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「文教大生たち、大学生活を描いた漫画本を制作」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/komimi/TKY200710190176.html
------------------------------------------------------------
文教大の越谷(埼玉県)、湘南(神奈川県)両校舎の学生たちが学園創立80周年を記念して、大学生活をテーマにした漫画本を制作した。短編集で、課題研究やサークル活動、地域との交流など日々の生活を題材に、大学の歴史や特色を描いた。キャンパスの空気が伝わってくる記念誌に仕上がり、同大は大学紹介の冊子としても活用したいという。文教大学は、80周年記念「マンガ」を制作したのですね。
(略)漫画本の制作は、越谷校舎にある教育学部の中川素子教授(美術)が提案した。授業で漫画を課題にすることもあり、「80周年を記念して形に残るものを作れたら」と美術専修の学生に呼びかけた。
越谷からは2、3年生11人と卒業生の漫画家1人が参加。神奈川県茅ケ崎市の湘南校舎からも情報学部の学生12人が制作に加わった。両校舎で作風は異なるが、共通しているのは学生の目線で見た大学生活。越谷の学生たちは過去を振り返り、認め合い、思いやる建学精神の「人間愛」もテーマにした。
越谷から掲載されているのは8編。かつての立正女子大を卒業した母親の思い出話と、それを聞いて入学を決めた学生の物語。地域交流のフリーペーパー作りの話、全国レベルの吹奏楽部の演奏を聴いて日常に流されていた学生が発奮する話など様々だ。
(略)冊子は同大出版事業部が発行。A5判、91ページ。非売品で初版は1000部を作成した。
(上記記事より)
↓大学のプレスリリースはこちら。
■ 「【大学】文教大学生による学園創立80周年記念マンガ 『ば・び・ぶ・べ・ぶんきょう』−マンガで読む建学の精神『人間愛』−」(文教大学)
http://www.bunkyo.ac.jp/newstopics/2007/newstopic47.htm
○周年記念の冊子というと、通常、大学史をまとめた分厚い冊子や、写真集のようなものが思い浮かびます。
マイスターは、そういった資料を読むのが好きな方です。学園の歴史を、適切なタイミングで、きちんとまとめていくことは、非常に大事です。
ただ、そういった周年事業は、基本的に大学関係者のための活動です。
こういった周年事業で制作される出版物の多くは、「詳細な記録を残す」という編集方針によるものですから、大学のことをよく知らない受験生などにとって、読みやすいものではありません。
でも、せっかく歴史的なタイミングを迎えたわけですから、どうせなら広くそのすごさを知って欲しいですよね。
それもできれば受験生の方に読んでいただけるようなものを作成して、大学に興味を持つきっかけにしてほしいところ。
というわけで文教大学では、なんとマンガを制作したのだそうです。
冒頭でご紹介した記事によれば、在学生達による短編集の形で、大学の歴史を伝えつつ、いまの大学生活も伝えるような内容に仕上がっているようです。
個人的には、どんな内容なのか、興味があります。
webサイトで公開されたりしないでしょうか。ぜひ読んでみたいです。
現在、初版1000部を作成し、10月17日に行われた創立記念式典で配布したとのことですが、この内容でしたら、やはり受験生に向けて配布しない手はないでしょう。
もちろん、マンガ形式が万能というわけではありません。
ただ、(作り手がしばしば忘れてしまう事実ですが)受験生というのは、複数の大学から資料を取り寄せているわけです。そして(残念ながら)取り寄せた大学のパンフレットすべてを、詳細に読み込んではいません。
さらに、大学のパンフレットはたいてい総花的で、「とりあえず大学のすべてを盛り込んでおこう」という方針で制作されています。その結果、どこが一番伝えたいポイントなのかわからず、印象に残らないままパラパラめくられただけで終わったりします。
うーん、大学関係者にとっては、あまり想像したくない事実ですね……。
ですから、ここだけは知って欲しいとか、こういう想いを共有して欲しいとかいったポイントはマンガ形式にしておけば、まだ読まれる可能性は高くなると思います。
それに、マンガにしようとすると、ストーリーを構成する必要がありますよね。
「自分達の大学を、どのようなストーリーで見せようか?」
と考えていく中で、自分達の強みや、普段あまり明確に意識していない魅力を再認識できるかもしれません。
制作に関わった学生にとっても、自分達の大学をよりいっそう好きになれるという点でも、いいかもしれません。
文教大学の場合、教員が学生に呼びかけて制作したとのことですから、大学の広報部や入試課はまだあまり関わっていないのかも知れませんが、せっかくこういった成果物ができたのですから、大学でうまく活用されるといいのではないでしょうか。
というわけで個人的に、ちょっと気になる取り組みをご紹介しました。
以上、マイスターでした。
2007年10月25日
介助犬を伴ってのキャンパスライフ
マイスターです。
読売オンラインで連載されている特集で、最近楽しみにしているものがあります。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「アトムと私」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/atom/
------------------------------------------------------------
この特集は、そんな館林氏ご自身による記事です。
マイスターがこの特集を知るきっかけになった記事は、↓このあたり。
■「アトムと私:(4)犬がいれば大学通える」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/atom/fe_at_07101901.htm
■「アトムと私:(5)広い大学 移動に大汗」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/atom/fe_at_07102001.htm
詳細は、実際に記事を読んでいただければと思いますが、例えば「(5)広い大学 移動に大汗」には、館林さんが入学した同志社大学での体験が綴られています。
また、大学のような公的機関は、こうした制度にいち早く対応するべきだ、ということも、理解しています。
しかし実際に、介助犬を伴ったキャンパスライフがどのようなものなのか、どういった点に苦労があるのかということは、実はあまり分かっていません、
実際に、身近にそういった方がいなかったからです。
世の中の多くの方は、マイスターと同じようなものではないでしょうか。
そんな私達にとって、知っているようであまりよく知らない実体験を伝えてくれる、貴重なな記事です。
まだ、今後も何本か、特集は続くようですので、楽しみです。
ちなみにこの記事は、(実際の紙面のスペースの制約を受け)わりと簡潔にまとめられています。
個人的には、大学生活について、どのような点が苦労したか、どのようなサポートがあれば良かったか等、もっと詳しいことを読みたいです。
例えば、大学職員の勉強会などで、館林さんをゲストに招いてお話しをしていただいたら、有意義な場になると思うのですが、いかがでしょうか?
彼女を迎え入れるために様々な環境を整備した、同志社大学の教職員の方々のお話と合わせてお聞きできたら、さらにいいですよね。
どこか、企画を立ててくださるところはないでしょうか?
以上、マイスターでした。
読売オンラインで連載されている特集で、最近楽しみにしているものがあります。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「アトムと私」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/atom/
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「アトム、テークチェア(車いす引っ張って)」館林氏は高校2年生のときに交通事故に遭い、車いすの生活を余儀なくされました。しかし介助犬「アトム」と出会い、生きる望みを得て、新聞記者を志すことになったのだそうです。
5月7日、中村警察署(名古屋市)で、しばらく途方に暮れていた。横にいた介助犬アトム(ラブラドールレトリバーの雄・8歳)に声をかけると、アトムは車いすの左前にくくりつけてあるバンダナをくわえた。約23メートルのスロープをぐいぐい引っ張り上げ、ついに上りきった。「ナイス・ボーイ(よくやった)」。またもやアトムに助けられた。
私、館林千賀子(28)は今年4月に読売新聞に採用され、中部支社社会部に配属された。障害者の身の回りの世話をする介助犬を伴った車いす記者は、私が第一号だ。事件事故や様々な社会事象を最前線で追いかける警察署回りになった。
(「アトムと私:(1)介助犬と懸命に取材」(読売オンライン)より)
この特集は、そんな館林氏ご自身による記事です。
マイスターがこの特集を知るきっかけになった記事は、↓このあたり。
■「アトムと私:(4)犬がいれば大学通える」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/atom/fe_at_07101901.htm
■「アトムと私:(5)広い大学 移動に大汗」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/feature/atom/fe_at_07102001.htm
詳細は、実際に記事を読んでいただければと思いますが、例えば「(5)広い大学 移動に大汗」には、館林さんが入学した同志社大学での体験が綴られています。
京都府京田辺市の丘の上にある同志社大学キャンパスで2001年4月、アトムと私の大学生活がスタートした。介助犬を伴う大学生は私が第一号だった。マイスター、介助犬の存在は知っています。
敷地は約80万平方メートルもある。授業を受ける建物は限られるとはいえ、私にとっては移動距離が長く「15分の休み時間に一人で教室を移動できるだろうか」と、不安でいっぱいだった。
講義が終わる前からノートを片付け、移動に備えた。扉はドアノブタイプで、私もアトムも歯が立たない。出ていく学生に開けたままにしてもらうよう声をかけた。
学内では、いろいろな場面で助けられた。エレベーターのボタンを押してもらったり、坂道で車いすを押してもらったり。小雨の中をぬれながら移動していると、通りがかったOBが傘を差しかけてくれたこともあった。
大学の配慮もありがたかった。車いす用の机を用意し、試験のときは途中退出する学生にアトムが反応しないように別室で受けさせてくれた。食堂なども含め、アトムと私が入ることができない場所はなかった。
(上記記事より)
また、大学のような公的機関は、こうした制度にいち早く対応するべきだ、ということも、理解しています。
しかし実際に、介助犬を伴ったキャンパスライフがどのようなものなのか、どういった点に苦労があるのかということは、実はあまり分かっていません、
実際に、身近にそういった方がいなかったからです。
世の中の多くの方は、マイスターと同じようなものではないでしょうか。
そんな私達にとって、知っているようであまりよく知らない実体験を伝えてくれる、貴重なな記事です。
まだ、今後も何本か、特集は続くようですので、楽しみです。
ちなみにこの記事は、(実際の紙面のスペースの制約を受け)わりと簡潔にまとめられています。
個人的には、大学生活について、どのような点が苦労したか、どのようなサポートがあれば良かったか等、もっと詳しいことを読みたいです。
例えば、大学職員の勉強会などで、館林さんをゲストに招いてお話しをしていただいたら、有意義な場になると思うのですが、いかがでしょうか?
彼女を迎え入れるために様々な環境を整備した、同志社大学の教職員の方々のお話と合わせてお聞きできたら、さらにいいですよね。
どこか、企画を立ててくださるところはないでしょうか?
以上、マイスターでした。
2007年10月24日
アメリカの大学 学費値上がり中
マイスターです。
「アメリカの大学の学費は高い」
この事実については、なんどか本ブログでもご紹介してきましたが、現在、さらに値上がりしている模様です。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「米大学の学費が上昇 学生の4分の3が資金援助受ける」(CNN)
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200710230019.html
------------------------------------------------------------
■「Federal Student Aid to Undergraduates Shows Slow Growth, While Published Tuition Prices Continue to Increase(英語)」(College Board)
http://www.collegeboard.com/press/releases/189547.html
値上がり幅よりも、まず「約272万円」という学費にびっくりします。
ただ、これは4年制私立大学のケースですね。公立大学はもっと安いです。
しかし、公立大学が安いと言うのも、ちょっと説明が必要です。
公立、というのは主に州立大学のことを指すのだろうと思いますが、州立大学の場合、「Residents」か、「Nonresidents」かで学費の額が変わってきます。
世界的に有名な研究大学である、州立の「UC Berkeley」の場合、Residentsの学費はおよそ4,200ドルですが、Nonresidentsだとこれが14,000ドルにまで跳ね上がります。
なんと3倍以上の差。日本の私立大学より高いです。
(参考:[2007-2008 Registration Fees](UC Berkeley)
http://registrar.berkeley.edu/Registration/feesched.html#undergrad)
州立大学は、その州の州民のためにあるわけですから、ある意味正しいと言えば正しいあり方なのですが、それにしても高いですよね。
さて、こんなに高かったら、学生およびその家族がデモの一つも起こしそうですが、そうなっていないのは、ひとえに奨学金のおかげです。
公立の30万円も、ずいぶんと安くなりました。家計にあまり余裕がなくても、これに学費の借り入れなどを組み合わせれば、なんとかなりそうな範囲です。
このように大学の学費一つとっても、アメリカは日本とは、社会システムの発想が大きく異なります。
「日本でも、アメリカ並みの奨学金制度を用意しよう!」という意見を良く聞きますが(マイスターも何度か書いたように思いますが)、そもそもの基盤が違っているのだとしたら、単純な比較はあまり意味が無いのかも知れません。
……と、記事を読みながらそんなことを考えた、マイスターでした。
「アメリカの大学の学費は高い」
この事実については、なんどか本ブログでもご紹介してきましたが、現在、さらに値上がりしている模様です。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「米大学の学費が上昇 学生の4分の3が資金援助受ける」(CNN)
http://www.cnn.co.jp/business/CNN200710230019.html
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米国の4年制私立大学における2007─08年度の学費が前年から6.3%上昇し、平均で2万3712ドル(約272万円)に達したことが、米大学関連団体のまとめで判明した。記事の元になっているのは、↓こちらです。さらに詳しい情報が掲載されておりますので、よろしければご覧ください。
米国の大学や短期大学、各種学校などが加盟する非営利団体カレッジ・ボードが22日に、各大学の授業料や寮費などをまとめた報告書を発表した。
4年制私立大学では、学費2万3712ドルのほか、その他の必要経費を含めると、前年から5.9%高い3万2307ドル(約370万円)が必要となる。
4年制公立大学の場合、学費は前年比6.6%高の平均6185ドル(約71万円)で、寮費など必要な総額費用は前年から5.9%高い1万3589ドル(約155万5000円)。2年制公立大学の学費は前年比4.2%高の2361ドル(約27万円)だった。
(上記記事より)
■「Federal Student Aid to Undergraduates Shows Slow Growth, While Published Tuition Prices Continue to Increase(英語)」(College Board)
http://www.collegeboard.com/press/releases/189547.html
値上がり幅よりも、まず「約272万円」という学費にびっくりします。
ただ、これは4年制私立大学のケースですね。公立大学はもっと安いです。
カレッジ・ボードによると、2005年の大学生のうち、4年制公立に通学する割合は47%だった。4年制私立には23%が通い、2年制公立には22%が在学している。……と記事にあるように、アメリカは日本と逆で、大学生の多くは公立大学に通っています。(そして、国を代表するエリート大学の多くは私立大学です。これも、日本と逆ですね)
(「米大学の学費が上昇 学生の4分の3が資金援助受ける」(CNN)より)
しかし、公立大学が安いと言うのも、ちょっと説明が必要です。
公立、というのは主に州立大学のことを指すのだろうと思いますが、州立大学の場合、「Residents」か、「Nonresidents」かで学費の額が変わってきます。
世界的に有名な研究大学である、州立の「UC Berkeley」の場合、Residentsの学費はおよそ4,200ドルですが、Nonresidentsだとこれが14,000ドルにまで跳ね上がります。
なんと3倍以上の差。日本の私立大学より高いです。
(参考:[2007-2008 Registration Fees](UC Berkeley)
http://registrar.berkeley.edu/Registration/feesched.html#undergrad)
州立大学は、その州の州民のためにあるわけですから、ある意味正しいと言えば正しいあり方なのですが、それにしても高いですよね。
さて、こんなに高かったら、学生およびその家族がデモの一つも起こしそうですが、そうなっていないのは、ひとえに奨学金のおかげです。
4年制大学の学生のうち、約4分の3が奨学金や税制優遇策などを受けていることがわかった。学生の40%が政府による学生ローン、21%が大学の奨学金を受けている。異様に高いと感じた私大の学費も、日本と同じくらいになりました。エリート大学で165万円だとしたら、卒業後の給与ですぐに取り返せそうではないですか。
4年制大学に在学する学生が受けている奨学金などの平均援助資金額は、私立大生が9300ドル(約106万円)、公立大生が3600ドル(約41万円)。これらの援助資金により、実質の学費が私立大で約1万4400ドル(約165万円)、公立大で約2600ドル(約30万円)に抑えられている。
(「米大学の学費が上昇 学生の4分の3が資金援助受ける」(CNN)より)
公立の30万円も、ずいぶんと安くなりました。家計にあまり余裕がなくても、これに学費の借り入れなどを組み合わせれば、なんとかなりそうな範囲です。
このように大学の学費一つとっても、アメリカは日本とは、社会システムの発想が大きく異なります。
「日本でも、アメリカ並みの奨学金制度を用意しよう!」という意見を良く聞きますが(マイスターも何度か書いたように思いますが)、そもそもの基盤が違っているのだとしたら、単純な比較はあまり意味が無いのかも知れません。
……と、記事を読みながらそんなことを考えた、マイスターでした。
2007年10月23日
大学生達による、21歳向けのラジオ番組
マイスターです。
↓こんなニュースを見つけました。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「NHK、番組制作プロデューサーに現役大学生を起用!」(ORICON STYLE)
http://contents.oricon.co.jp/news/movie/49060/
------------------------------------------------------------
(過去の関連記事)
・コミュニティ・ラジオでコンテンツを放送する、京都の大学達(2006年08月16日)
http://www.unipro-note.net/archives/50232988.html
・信州大学が、地元CATVに専門チャンネル開設(2006年08月25日)
http://www.unipro-note.net/archives/50236737.html
で、今回の企画なのですが、これは「大学×放送局」ではなく、「公募で集まった大学生×放送局」というコラボレーションなのですね。
様々な大学の学生さんが、番組の企画・制作段階から関わっていくということで、これはこれでとても面白そうです。
↓ブログもあります。
■キョウト学生ラヂオ部!
http://www.nhk.or.jp/kyoto-blog/300/
↓地元の新聞でも紹介されているようですね。
■「NHK京都放送局、「21歳」テーマに学生とラジオ番組を共同制作」(烏丸経済新聞)
http://karasuma.keizai.biz/headline/283/index.html
私達は、つい「大学生は」と一言で言ってしまいがちですが、確かに同じ大学生でも1年生と4年生では、感じていることも考えていることもまるで違いますよね。
法律上は成人。でも学生であり、就職活動もこれから。
そんな「21歳」は、確かにラジオ番組づくりのターゲットとしては、面白い相手なのかも知れません。
ただ問題は、当の大学生達が、果たしてラジオを聞いているかどうか、です。
■「NHK京都『キョウト学生ラヂオ部〜』 大学生と制作するFM番組」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007101902057494.html
そのこと自体は、別に悪いことではないと思います。それに、番組作りに関わることは当人達の勉強にもなるでしょうし。
ただ、その大学生スタッフ達も、テレビ呼びかけて12人しか応募がなかったということですから……やっぱりそう簡単にはいかなさそうですね。
また、冒頭のニュースでは「プロデューサー」とありましたが、東京新聞の記事には、
なんとなく、こちらの方がより実情に近い説明のような気がします。
とは言え、企画にも関われるわけですし、いずれにしても大学生にとって貴重なチャンスであるのは確か。この機会を、最大限に活かしてください。
個人的には、この番組が、21歳の間で広く聞かれるようになることを期待しています。
以上、マイスターでした。
↓こんなニュースを見つけました。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「NHK、番組制作プロデューサーに現役大学生を起用!」(ORICON STYLE)
http://contents.oricon.co.jp/news/movie/49060/
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NHKに“学生プロデューサー”が誕生!? NHK京都放送局はこのほど、FM番組『キョウト学生ラヂオ部 Presents オトナチック!ラジオ』(10月26日(金)夜12時スタート ※京都府内ローカル)の番組制作プロデューサーに現役大学生10名を起用することを発表した。広報担当者も「学生がプロデューサーになることは、これまで聞いたことがない」と話しており、今回数多くの大学で学生があふれる京都ならではの夢の企画が実現した形となる。これまでも、大学と地域の放送メディアが関わるユニークな事例を、いくつか本ブログでご紹介してまいりました。
(上記記事より)
(過去の関連記事)
・コミュニティ・ラジオでコンテンツを放送する、京都の大学達(2006年08月16日)
http://www.unipro-note.net/archives/50232988.html
・信州大学が、地元CATVに専門チャンネル開設(2006年08月25日)
http://www.unipro-note.net/archives/50236737.html
で、今回の企画なのですが、これは「大学×放送局」ではなく、「公募で集まった大学生×放送局」というコラボレーションなのですね。
様々な大学の学生さんが、番組の企画・制作段階から関わっていくということで、これはこれでとても面白そうです。
↓ブログもあります。
■キョウト学生ラヂオ部!
http://www.nhk.or.jp/kyoto-blog/300/
↓地元の新聞でも紹介されているようですね。
■「NHK京都放送局、「21歳」テーマに学生とラジオ番組を共同制作」(烏丸経済新聞)
http://karasuma.keizai.biz/headline/283/index.html
同番組はNHK京都放送局開局75周年を記念し、今年7月の公募により集まった学生10人による「キョウト学生ラヂオ部!」とともに制作されたラジオ番組。地域に密着した番組を制作するにあたり、10人に1人は学生という京都で学生は外せないことから番組制作を開始した。同放送局で、学生と一から作り上げる番組は今回が初めての試みだという。なるほど、21歳ですか。
(略)同番組のターゲット層の核は21歳。同じ学生でも1回生と4回生では感覚や考え方などが違い、幅広すぎると感じたため、大人でも子どもでもない「21 歳」にターゲット層を絞ったという。番組名もここから。参加した学生は全く番組制作の経験のない人がほとんどで、「学校の勉強に加え、毎週3〜4時間に及ぶ会議やインタビューなど、学生にとって番組制作は大変なように感じるが、『いろいろな発見ができる』と、とても楽しんで制作している」(同番組)という。
(上記記事より)
私達は、つい「大学生は」と一言で言ってしまいがちですが、確かに同じ大学生でも1年生と4年生では、感じていることも考えていることもまるで違いますよね。
法律上は成人。でも学生であり、就職活動もこれから。
そんな「21歳」は、確かにラジオ番組づくりのターゲットとしては、面白い相手なのかも知れません。
ただ問題は、当の大学生達が、果たしてラジオを聞いているかどうか、です。
■「NHK京都『キョウト学生ラヂオ部〜』 大学生と制作するFM番組」(東京新聞)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2007101902057494.html
NHKは民放よりも視聴者の年齢層が高く、今回の試みは、学生との交流をきっかけに少しでも若いリスナーを増やしたいとの思いがあるようだ。
京都放送局は今年七月、「ラジオ番組を一緒につくろう」とテレビなどで学生に呼びかけ、キョウト学生ラヂオ部の部員募集を始めた。応募してきたのは十二人。最終的に十人でスタートすることになった。
(略)京都放送局で企画総務を担当する水野紗綾さんは「結果的にいい方が集まってくれたが、もう少し応募があるかと思った」と、やや複雑な表情。NHKと若者の距離がいかに離れているか、あらためて痛感させられたという。
京都放送局に限らずNHKの地方局は最近、ドラマ制作に乗り出すなど活動が活発。そこには「一連の不祥事で失った視聴者の信頼を取り戻したい」「格差の影響を最も受けている地方を、番組を通じて応援したい」など、さまざまな狙いや理由があるようだ。このように、放送局側には、大学生を起用して事態を盛り返したいという想いがあるようです。
さらに、NHKにとって最大の課題が若い視聴者の獲得。あるNHK関係者は「子供たちはNHKのアニメなどを見ている。しかし少し成長するとNHKから離れてしまう。特にラジオは『ラジオ深夜便』が中高年層の人気を集めているように、完全に大人の世界」と指摘する。
京都放送局の今回の試みも、そうした離れていく若年層へのアプローチの一つ。
(以上、すべて上記記事より)
そのこと自体は、別に悪いことではないと思います。それに、番組作りに関わることは当人達の勉強にもなるでしょうし。
ただ、その大学生スタッフ達も、テレビ呼びかけて12人しか応募がなかったということですから……やっぱりそう簡単にはいかなさそうですね。
また、冒頭のニュースでは「プロデューサー」とありましたが、東京新聞の記事には、
学生たちは「実動部隊」として企画会議に参加したり、取材を担当。学生食堂などで「鴨川を一緒に歩きたい有名人は」といったアンケートを行って計百人の学生に回答を求め、その結果が番組で紹介される。……とあります。
(上記記事より)
なんとなく、こちらの方がより実情に近い説明のような気がします。
とは言え、企画にも関われるわけですし、いずれにしても大学生にとって貴重なチャンスであるのは確か。この機会を、最大限に活かしてください。
個人的には、この番組が、21歳の間で広く聞かれるようになることを期待しています。
以上、マイスターでした。
2007年10月22日
大隈講堂 重要文化財へ
マイスターです。
125周年をお祝いして、と言うわけではありませんが、今日は早稲田大学関係のニュースを日本ご紹介します。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「大隈講堂など10件、重要文化財へ 文化審議会が答申」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/1019/TKY200710190437.html
------------------------------------------------------------
125周年で外壁タイルを貼り替えたばかりと聞く、大隈講堂。「第二の建学」に向け、さい先がいい話題です。
建築学科卒のマイスターとしては、ついついこういう話題に反応してしまいます。
ちなみに、日本建築史を勉強すると出てくるのですが、早稲田大学大隈講堂の設計案は当時、コンペで競われました。
設計の仕様を決める際、当時の高田早苗総長が出した注文は、「ゴシック様式であること」と「演劇に使えること」だったそうです。
実を言うと、第一等になったのは、現在のものとはまるで違う印象の案。「塔」の部分がないデザインでした。
■米山 勇「佐藤功一の『建築-都市』観とその影響に関する史的研究:第3章 都市への視線」,早稲田大学リポジトリ,2005
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/2933/5/Honbun-4032_05.pdf
上記のリンクは、早稲田大学の学術情報データベースで公開されている学術論文の一部分です。PDF形式になっています。
76ページに、「図78 コンペ一等前田・岡田案」という図がありますので、ご興味のある方はどうぞ。
現在の大隈講堂に馴染んでいる方にとっては、違和感を覚える形だと思いますよ。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「新入生に『日本語の文章講座』、論理的思考力を育成…早大」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071019i507.htm
------------------------------------------------------------
最近では京都大学が、工学部の入試で国語を必須にしたことが話題になりました。
■「京大が入試科目を変更 工学部も国語必須に」(2007年03月26日)
http://www.unipro-note.net/archives/50300883.html
論理力はすべての基礎。その基礎が揺らいでいるわけですから、非常に深刻です。
読書量の減少や、メールでのやりとりに慣れたことなどが原因としてあげられていますね。それらも理由のひとつではあるでしょう。
個人的には、「そもそも大学入学までの間に、文章で論理的に物事を伝える訓練の時間が十分にあったのか」という素朴な疑問もわきますけれど……。
ちなみにアメリカの大学には、新入生全員が基本的に受講しなければならない科目として、「English 101」というのがよく設けられているそうです。
アメリカの大学では、科目コードの数字はその科目の難易度などを表していますから、「101」というのは、一年生が最初に履修すべき科目であることを示しているわけですね。
大学入試をくぐり抜けたからと言って、学術的な作法に則った文章が書けたり、厳密な論理展開ができたりするとは限りません。ですから大学に入学して最初にやることは、とにかく文章を書かせ、文章力・論理力を鍛えることだというわけです。
日本でも、入学後にツールとしての日本語を教える動きが出ていますが、いずれはどこの大学でも、必修化されたりするかもしれません。
以上、偶然なのですが、たまた今日は、早稲田大学の話題をお送りしました。
マイスターでした。
125周年をお祝いして、と言うわけではありませんが、今日は早稲田大学関係のニュースを日本ご紹介します。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「大隈講堂など10件、重要文化財へ 文化審議会が答申」(Asahi.com)
http://www.asahi.com/culture/update/1019/TKY200710190437.html
------------------------------------------------------------
文化審議会(石澤良昭会長)は19日、早稲田大学大隈記念講堂(東京都新宿区)など建造物10件を、重要文化財に新たに指定するよう、渡海文部科学相へ答申した。また重要伝統的建造物群保存地区として、豊岡市出石(いずし)(兵庫県)を新たに、世界遺産の石見(いわみ)銀山遺跡にある大田市大森銀山(島根県)を追加で、選定するよう答申した。大隈講堂、まだ重要文化財じゃなかったんですね。ちょっと意外でした。
大隈講堂は1927(昭和2)年に完成し、早大の象徴的な存在として知られる。ロマネスクにゴシックを加えた様式が近代の優れた折衷主義建築として評価された。
(上記記事より)
125周年で外壁タイルを貼り替えたばかりと聞く、大隈講堂。「第二の建学」に向け、さい先がいい話題です。
建築学科卒のマイスターとしては、ついついこういう話題に反応してしまいます。
ちなみに、日本建築史を勉強すると出てくるのですが、早稲田大学大隈講堂の設計案は当時、コンペで競われました。
設計の仕様を決める際、当時の高田早苗総長が出した注文は、「ゴシック様式であること」と「演劇に使えること」だったそうです。
実を言うと、第一等になったのは、現在のものとはまるで違う印象の案。「塔」の部分がないデザインでした。
■米山 勇「佐藤功一の『建築-都市』観とその影響に関する史的研究:第3章 都市への視線」,早稲田大学リポジトリ,2005
http://dspace.wul.waseda.ac.jp/dspace/bitstream/2065/2933/5/Honbun-4032_05.pdf
上記のリンクは、早稲田大学の学術情報データベースで公開されている学術論文の一部分です。PDF形式になっています。
76ページに、「図78 コンペ一等前田・岡田案」という図がありますので、ご興味のある方はどうぞ。
現在の大隈講堂に馴染んでいる方にとっては、違和感を覚える形だと思いますよ。
【教育関連ニュース】-----------------------------------------
■「新入生に『日本語の文章講座』、論理的思考力を育成…早大」(読売オンライン)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071019i507.htm
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学生の“日本語力”を引き上げようと、早稲田大学(東京都新宿区)では、来年度から、新入生を対象にした「日本語の文章講座」を行う方針を決めた。日本語力、論理力の強化は、早稲田に限らず、どこの大学でも課題にされているトピックですね。
理路整然と話したり、書いたりすることが出来ない学生が増えているためで、日本語で論理的に表現する力を身につけさせるのが目的。数年後には、約1万人の新入生全員を対象に実施したいとしている。
早大ではここ数年、「学生たちの論理的に考え、表現する力が落ちている」といった指摘が教員らから相次いでいた。ある教授は、「ゼミで議論をしても、自分の思いこみや考えを言いっぱなしの学生が多い。意見の論拠や、反対意見よりどう優れているかなどをきちんと説明できないので、議論が深まらない」と嘆く。
早大はほぼ全員の学生を対象に、英語でリポートを書かせたり、議論させたりする少人数の英語教育を行っているが、講師陣からは「まずは、日本語でしっかり議論できる力がないとダメ」といった意見も出ていたという。
日本語で考える能力が落ちている背景について、早大は、読書量が減っていることやメールでのやりとりで短い文章しか書いていないことがあると分析。学生の論文の添削指導を丁寧に行うことで、日本語で考え、表現する力を向上させることを決めた。
(上記記事より)
最近では京都大学が、工学部の入試で国語を必須にしたことが話題になりました。
■「京大が入試科目を変更 工学部も国語必須に」(2007年03月26日)
http://www.unipro-note.net/archives/50300883.html
論理力はすべての基礎。その基礎が揺らいでいるわけですから、非常に深刻です。
読書量の減少や、メールでのやりとりに慣れたことなどが原因としてあげられていますね。それらも理由のひとつではあるでしょう。
個人的には、「そもそも大学入学までの間に、文章で論理的に物事を伝える訓練の時間が十分にあったのか」という素朴な疑問もわきますけれど……。
ちなみにアメリカの大学には、新入生全員が基本的に受講しなければならない科目として、「English 101」というのがよく設けられているそうです。
アメリカの大学では、科目コードの数字はその科目の難易度などを表していますから、「101」というのは、一年生が最初に履修すべき科目であることを示しているわけですね。
大学入試をくぐり抜けたからと言って、学術的な作法に則った文章が書けたり、厳密な論理展開ができたりするとは限りません。ですから大学に入学して最初にやることは、とにかく文章を書かせ、文章力・論理力を鍛えることだというわけです。
日本でも、入学後にツールとしての日本語を教える動きが出ていますが、いずれはどこの大学でも、必修化されたりするかもしれません。
以上、偶然なのですが、たまた今日は、早稲田大学の話題をお送りしました。
マイスターでした。



